今日の出来事ロジー

7月19日は、 河合隼雄 の命日です。

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4月1日、「万愚節」

 平成21年4月1日(水)昨日:平成館にて「国宝 阿修羅展」はじまる。

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 奈良・興福寺所蔵の天平文化を代表する仏像が一堂に揃う特別展「国宝 阿修羅展」の開会式が30日、東京・上野の東京国立博物館であった。来年、同寺が創建1300年を迎えるのを記念したもので31日から公開された。会期は6月7日まで。

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 憂いを帯びた表情で名高い国宝・阿修羅像が東京で公開されるのは実に57年ぶり。阿修羅をはじめとする国宝・八部衆像、国宝・十大弟子像の現存14体が東京で揃って公開されるのは史上初めて(4月19日まで。21日以降は11体を展示)。ケースなしで展示される阿修羅像は、360度全方向から拝観できる。 興福寺の多川俊映貫首は「阿修羅に結晶した天平文化の神髄、仏教文化の神髄を味わって頂きたい」と挨拶。 昨日の開館前には約800人の列ができ、開館後2時間で約3400人が訪れた。



 4月1日は、「万愚節」です。


四月馬鹿傘さして魚買いに行く   有働 薫

 エイプリル・フールズ・デイ。この季題で詠むと、とかく馬鹿な行為を中心に置きがちだが、揚句はそんなこともなく、しかし、なんだかどこかでくすりと笑える。ちょいと切ない感じもある。平凡に生きることへの愛もある。

 作者(詩人、俳号・みなと)と遠来の多田道太郎(俳号・道草)さんとのやりとりを聞いていたら、フランスでは「四月馬鹿」のことを「四月の魚(Poisson d‘Avril、ポワソン・ダヴリル)」というのだそうである。知らなかった。でも、なぜ「魚」なのだろう。物知りの八木幹夫(俳号・山羊)さんがすかさず「魚はキリストになぞらえられるから…(キリストの受難)」と推理してくれたが、正確なところはどうなのでしょうか。なお、当日の私の「馬鹿」な句は「馬鹿に陽気な薬屋にいて四月馬鹿」というものでした。お粗末。(清水哲男)

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 ※ あるいは、鯖は大量に捕獲されるバカな生き物という意味も。こっそりと人の背中に魚の絵を貼り付けては、くすくす笑うとか。


四月馬鹿病めど喰はねど痩せられず   加藤知世子

 四月馬鹿の句には、自嘲句が多い。自分で自分を馬鹿にしている分には、差し障りがないからである。この句も、典型的なそれだ。「病まねど喰えど太れない」私としては、逆に少々身につまされる句ではあるけれども、見つけた瞬間には大いに笑わせてもらった。作者の人柄がよくないと、なかなかこうは詠めないだろう。楽しい句だ。このように自分で自分を笑い飛ばせる資質は、俳人にかぎらず表現者一般にとって、とても大切なものだと思う。それだけ深く、自分を客観視できるからだ。その意味で、この国の文芸や芸術作品には、とかく二枚目のまなざしで表現されたものが多くて辟易させられることがある。ときに自己陶酔的な表現も悪くはないが、度が過ぎると嫌味になってしまう。同様に、美男美女につまらない人物が多いのは、他人の好意的な視線だけを栄養にして育ってきているからで、自己否定ホルモンの分泌が足らないせいだろう。他人は馬鹿にできても、ついに自分を馬鹿にすることができない……。せっかく生まれてきたというのに、まことに惜しいことではないか。バイアグラも結構なれど、こうした「馬鹿」につける薬も発明してほしい。(清水哲男)


万愚節ともいふ父の忌なりけり   山田ひろむ

 今日という日に、このような句に出会うとシーンとしてしまう。偶然とはいえ、父親の命日とエープリル・フールが同じだったことで、作者は世間にいささか腹を立てている。「ともいふ」に、その気持ちがよくあらわれている。たとえば元日に亡くなった身内を持つ人もやりきれないだろうが、万愚節が忌日とは、もっとやりきれないかもしれない。軽いジョークの飛び交う日。人々が明るく振るまう日。そういうことになっている日。しかも、四月馬鹿「ともいふ」日である。父親を悼む心に、世の中から水をかけられているような気分がするだろう。ご同情申し上げる。四月一日の句で圧倒的に多いのは、掲句の作者を嘆かせるような都々逸的、川柳的な作品だ。「船酔の欠食五回四月馬鹿」(大橋敦子)しかり、「丸の内界隈四月馬鹿の日や」(村山古郷)またしかりだ。後者は、四月馬鹿の日にも、せっせと生真面目に働く丸ノ内界隈のサラリーマンたちを皮肉っている。ところでついでながら、Macユーザーの方は本日の「アップルルーム」を見てください。私の好きな真面目なサイトです。でも、今日のコラムやバナー広告は、全部ウソで塗り固められているはずですから。(清水哲男)



白飯に女髪かくれて四月馬鹿   秋元不死男

 季語は「四月馬鹿」だが、さあ、わからない。わかるのは「白飯」とあるから、白い米の飯に乏しかった戦中戦後の食料難の時代の作句だという程度のことである。そこで、ああでもないこうでもないと散々考えた末に、勝手にこう読むことに決めた。したがって、これから書くことは大嘘かもしれません(笑)。まず漢字の読みだが、「白飯」は往時の流行語で「ギンシャリ」を当て、「女髪」は「メガミ」と読んでみた。「メガミ」は「女神」に通じていて、しかし作者の眼前にいる女性をそう呼ぶのは照れ臭いので、少し引いて「女髪」とし、髪の美しさだけを象徴的に匂わせたという(珍)解釈だ。ただし、古来「女の髪の毛には大象も繋がる」と言うから、まんざら的外れでもないかもしれない。こう読んでしまうと句意はおのずから明らかとなる。すなわち、色気よりも食い気先行ということ。久しぶりの「ギンシャリ」にありついて、その誘惑の力の前には「女神」も「女髪」もあらばこそ、「白飯」の魅力に色気はどこかにすっ飛んでしまったと言うのである。すなわち自嘲的「四月馬鹿」の句であり、可笑しくも物悲しい味のする句だ。おそらく同時代の作句と思われる句に、原田種茅の「四月馬鹿ホームのこぼれ米を踏む」がある。闇屋がこぼしていった米粒だろう。気づかずに踏んでしまってから、「痛いっ」と感じている。人目がなければそっとかき寄せて、拾って帰りたいほどの「米」を踏んでしまった「馬鹿」。半世紀前には、こんな現実があったのだ。それにつけても、昔から「衣食足りて礼節を知る」と言うけれど、しかし、足りすぎると今度は現今の我が国のようなテイタラクとはあいなってしまう。そういえば、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とも言うんだっけ。まことに中庸の道を行くとは難しいものである。『俳句歳時記・春の部』(1955・角川文庫)所載。(清水哲男)

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呑むために酒呑まない日四月馬鹿   的野 雄

 季語は「四月馬鹿」で春。四月一日は嘘をついても許される日ということになっているが、その嘘もだまされた人のことも「四月馬鹿」と言う。掲句はちょっと本義からは飛躍していて,自嘲気味にみずからの「馬鹿」さ加減に力点が置かれている。「酒呑まない日」とはいわゆる休肝日で、必死で禁酒しているわけだが、考えてみれば、これはまた明日から「呑むため」の必死なのだ。アホらしくもあり滑稽でもあり、というところだろう。常飲者でない人からすれば不可解な必死だろうが、当人にしてみれば真剣な刻苦以外のなにものでもないのである。

 友人にも必ず週に一日は呑まない日を設定している飲み助がいるので、そのしんどさはよく話に聞く。聞くも涙の物語だ。ところで、この季語「四月馬鹿」については苦い思い出がある。数年前にスウェーデンと日本との合同句集を作ろうという企画があり,日本側の選句を担当した。で、四月馬鹿の句には、できるだけバカバカしくて可笑しい句を選んだ。だが、他の選句には何の異論も出なかったものの,この一句のみには先方から同意できないとクレームがついてしまった。理由は明快。スウェーデンでは、四月馬鹿は敬虔な日なのであって、決して笑いふざけるような日ではないからというものだった。合同句集のタイトルが『四月の雪』とつけられたことでもわかるように、彼の地の冬は長い。その暗鬱な季節からようやく解放される予兆をはらんだ四月馬鹿の日。ふざけるよりも、季節の巡りに頭を垂れたくなるほうが自然だろう。私なりにそう納得して,選句は撤回したのだったが……。「俳句研究」(2005年4月号)所載。(清水哲男)


小当たりに恋の告白四月馬鹿   中村ふじ子

 四月一日です。エイプリルフールです。では、ということで、いくつかの歳時記にあたってみたのですが、「四月馬鹿」あるいは「万愚節」を季語にした句は、どれもピンときません。とってつけたように「四月馬鹿」が句の中に置いてあるだけのように感じるのです。そんな中で、素直に入ってきたのが掲句です。「こ」の音のリズムに、遊び心が感じられます。たぶん、同じ職場の人について言っているのでしょう。いつもひそかにその人のことを思っています。でも深刻な顔で告白する勇気はありません。だめだったときに気まずくなってしまうだろうと思うと、ためらいが出てくるのです。それならばエイプリルフールに、ちょっとした「当たり」をつけてみたらどうだろうと考えたのです。仮に断られても、「冗談冗談」と言って済ませられる日だと、逃げ場を作ったのです。「小当たりに」のところがたしかに、人を好きになった者の弱みと微妙な心理が描かれていて、納得できます。しかし、どう考えてもこの作戦は、うまくゆくようには思えません。告白するほどの思いなら、ずっと当人の胸を痛め、頭を占めてきたはずです。つまり人生の一大事であるはずなのです。四月一日に「小当たりに」なんて、もったいないと思うのです。好きなら好きで、もっと死に物狂いになって、正面からきちんと告白したほうがよいと、わたしの経験から思うのですが。『角川俳句大歳時記 春』(2006・角川書店)所載。(松下育男)

 ※ 2兆円、ドブに投げ込み 四月ばかっ!(公明盛大)

 ※ 千三つは、今日ばかりはと慎みぬ (四月莫迦)


 【参照】4月1日、法華寺・雛会式
 http://blogs.yahoo.co.jp/sw21akira/41389968.html

 【参照】6月5日、法華寺「国宝十一面観音像開扉」
 http://blogs.yahoo.co.jp/sw21akira/33308444.html

 【参照】10月25日、法華寺「十一面観音像特別開扉」
 http://blogs.yahoo.co.jp/sw21akira/37664525.html

 【参照】クローン・ソメイヨシノ
 http://blogs.yahoo.co.jp/sw21akira/30707811.html

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