|
平成22年7月28日(水)昨日:肥大化するグーグルのジレンマ、“MS化”。 OSで実質的独占を築いたマイクロソフト(MS)を「悪」に見立て、「悪にならない」ことを社是に掲げてきたグーグルの行動様式が、結果的にMSに似通ってきている。 過去5年、グーグルが新規に参入してきた市場を羅列してみると、ウェブメール、ワープロ、表計算、プレゼン用スライド、スケジュール管理グループウエア、パソコンOS … 。 すべての分野で検索機能が有効で、検索技術の利便性をあらゆるネット利用者に届ける試みという点では、「世界中の情報を整理し、アクセス可能にする」という企業ミッションをまさに地で行っている。しかし、それぞれの市場には既存企業がおり、それなりの雇用を生み、ビジネスモデルを築いてきた。グーグルはそれらの市場に検索との連動性と無料を売り物に、土足で踏み込んでいるのもまた事実。ワープロや表計算、グループウエアなど、それぞれ独立したプレーヤーがそれなりの市場を築いてきたソフトウエアの各分野に、資本・開発力とOSとの連動性を武器に次々に乗り込んでいった80〜90年代のMSと驚くほど酷似する展開なのだ。 この1〜2年は企業買収攻勢が加速し、「あれもこれもやりたがる」傾向に拍車がかかっている。この7月だけでも、トピック別データベースをネット上で運営する米メタウェブと、航空会社やネット旅行予約サイトの情報基盤となっている航空運行情報ソフト会社ITAを買収。それ以前にも、ネット広告の米インバイト・メディア、ネット音楽共有ソフトの英シンプリファイ・メディア、音声・映像ネット処理のグローバルIPソリューションズなど、今年に入ってから10件以上の買収を決めている。 2009年はスマートフォン向け広告配信最大手のアドモブの買収決定が大きな話題を呼んだ。同社はアップルのスマートフォン「iPhone」アプリ向け広告配信のパイオニア。グーグルによる買収は、グーグル対アップルの敵対関係を確定付けた。そのほかにも動画圧縮技術のOn2など、昨年も6社を買収した。焦燥感さえ感じさせる買収攻勢に出ているのはなぜか。理解できる1つの軸は、グーグルの特徴である「1つの検索エンジンですべての種類の情報をまとめて検索する」というやり方だけでは、人々の本当のニーズに応えられないというジレンマ。買収企業のいくつかはバーティカル(分野ごとの)検索の企業だ。 もう一つは急速に利用者が増えているiPhoneの世界でのプレゼンスの確立。今後は携帯端末経由のネット利用が、従来のパソコン経由に比べはるかに大きな市場に育つ。しかしiPhone向けアプリや広告はアップルの支配下だ。これを打開するにはiPhone向け広告で急成長しているアドモブの買収は非常に魅力的だ。ネット広告ですでに高シェアを確立しているグーグルによるアドモブの買収は米独禁当局の調査対象になったが結局、携帯向け広告という枠組みでのシェアがそれほど高くないことから今年5月になって承認された。いずれにしろ、iPhoneの世界でアップルの支配力が固まる前にくさびを打ち込もうと、必死に関連企業買収を急いでいるようにみえる。 つまり相次ぐ買収は営利上場企業であるグーグルの行動パターンとしては非常に合理的な判断といえる。しかし、グーグルが標榜してきた「悪にならない」という企業理念との折り合いはどうだろうか? 日本ではヤフーが今後、検索と検索連動広告のエンジンにグーグルを採用することに決めた。これで日本のネット検索、検索連動広告の市場はグーグルの独占状態になる。「独占企業」のイメージが少なくとも企業社会の中では今後ますます強まりそう。グーグルは今後、企業として競争に勝とうとすると、社是からどんどん乖離してしまう矛盾にますます悩むことになるだろう。 7月28日は、「菜っ葉の日」で御座います。 ◇ 菜っ葉の日 葉物の野菜を食べて夏バテを防ごうと青果商関係者が制定しました。 「7」「2」「8」を「ナッパ」と読む語呂合わせから … 。 ◇ 今日の誕生花・コマクサ(ケシ科) 花言葉は、「高嶺の花」。 駒草や谷へかたむく道しるべ 若井新一 峰近く駒草は咲きいたりけり 小さな風に素直にゆれて 鳥海昭子 |

- >
- 生活と文化
- >
- 祝日、記念日、年中行事
- >
- その他祝日、記念日、年中行事



