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◇ 無縁社会から一点無縁の大悲のこころへ 「年越いのちの村」という活動 人々のきずなが絶たれた「無縁社会」に、心の灯をともそうとする人たちがいる。「年越いのちの村」は、家族や故郷と縁が切れたり、人間関係に苦しみ孤独に悩む人たちが身を寄せ合い、共に温かいひと時を過ごそうというものだ。 京都の大学生で、7年前に母親を自死で亡くした尾角光美さんが発起人。寄る辺のない人や居場所のない人にとって、世間の人々が家族団欒を楽しむ年末年始は、精神的支えともなる福祉や医療の受け入れも閉ざされ、募る孤独感から自死に向かいやすい時期なのだ。 尾角さんは、「自死の最大の原因は、病苦や経済問題よりも、苦しい時に支えとなる人とのつながりがないこと」と言います。 大阪市内の寺を泊まりがけで借り、皆で食事や年越し蕎麦を取りながら、トークやゲームをして除夜の鐘を聞き、明けては雑煮で祝い、初詣でにも出かける計画。参加費は求めるが、食費や暖房費用、布団リース料など経費もかさみ、運営は大変だ。 僧侶や学生、自死未遂経験のある男性も含むボランティアたちがサポートし、チラシや自死念慮者の書き込みも多いネットのサイトなどで参加を呼び掛けた。 尾角さんは母の死以来、自らも援助を受けた「あしなが育英会」を通じて、親など大事な人を失った遺族のグリーフケア(グリーフ=悲嘆)に携わった。その経験から「Live on(リヴオン=生き続ける)」という任意団体を立ち上げ、母の日に寄せる亡き母への手紙を募集して出版したり、自死問題に取り組むようになった。 自治体や、寺院・宗派も含む全国各地の機関から招かれて講演をしたり、地元では若い僧侶らと自死防止活動の会を設立し、相談者養成の講師も務めている。 生きづらい現代社会で、自死者が毎年三万人を超える状況が続いている。宗教者も含めたさまざまな活動があるが、自ら母を亡くした若い弁護士が、遺族への法的支援の弁護団を結成したり、子供を自死で失った「親の会」が相談ホットラインを開設するなど、遺族自身による地道な取り組みが相次いでいる。
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