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平成23年12月17日(土)昨日:危機意識の低さを世界にアピールする収束宣言。 野田政権は16日午後、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)を開き、東京電力福島第一原発事故収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)終了を確認し、事故の収束を宣言する。「事故の収束」という踏み込んだ表現をすることで、内外に安全をアピールする狙い。住民帰還のめども立たない中での「収束宣言」には、避難住民から反発が出るだろう。 野田首相「ステップ2完了、事故そのものは収束」 野田首相は16日夕、同日開催した原子力災害対策本部で、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の原子炉が安定化の目安である「冷温停止状態」を達成したことを確認し、事故収束を目指した工程表のステップ2の完了を宣言した。当初の予定より1ヶ月前倒しの完了で、今後の焦点は、30年超をかけて原子炉を解体する廃炉と、約11万人の避難住民の早期帰還の支援策に移る。 野田首相は同本部後の記者会見で、「万一、トラブルが生じても、(原発敷地境界の)放射線量を十分に低く保てると確認した。原発の事故そのものは収束した」と述べた。その上で、今後の課題として「除染」「健康管理」「賠償」を挙げた。除染対策としては、(1)除染費として今年度予算と2012年度予算案などで1兆円超を充てる(2)政府の除染担当者数を来年4月までに400人規模に拡充する(3)実際に除染作業を行う作業員も来年4月をメドに3万人以上を確保するとの方針を示した。 意味不明な「冷温停止状態」とは、決して安全な状態ではない。 野田政権は「冷温停止状態」について、1〜3号機の圧力容器底部を安定的に100度以下に保ち、放射性物質の拡散を抑制する、などと定義している。 これを「事故の収束」という、かなり極端な表現に置き換えることで、風評被害など国内外に根強い原発事故への不安を払拭したいという思惑がある。政権は今後、放射性物質の除染を進めていく方針。避難区域の縮小も行い、住民の帰還へとつなげたい考えだ。 だが、溶融した炉心は場所の特定すらできていない。放射性物質の大気への放出も続いている。つまり、事故の核心部分の特定すらもできていない「冷温停止状態」と云う訳だ。 政府の原子力委員会が30年以上かかると見解を示した廃炉についても、政権は「中長期的課題」と位置付け、「事故の収束」とは別個の事象と強弁する。 「事故収束」に絡み、細野豪志原発相は16日午前、東京都内で開かれた「アジア原子力協力フォーラム」閣僚級会合で「今日午後には冷温停止状態を報告することができる。オンサイト(原発敷地内)の事故は収束になる」と挨拶している。 ※ 曖昧な形での「収束宣言」は、むしろ風評被害を煽ることになろう。政府関係機関の言説は、一切信用されなくなるだろう。国民は、リアルタイムの情報からの疎外感を禁じえないだろう。曖昧な宣言は、何らの建設的進展をもたらさないだろう。 避難住民の心中を察すれば、無責任とも思える宣言に腹立たしさすら覚える。 ※ 【収束】と【終息】とは、大違い。 【収束】とは、分裂・混乱していたものが、まとまって収まりがつくこと。また、収まりをつけること。「事態の ― を図る」「争議が ― する」。 【終息】とは、物事が終わって止むこと(息)。 つまり、生命の危険を感じつつ作業していた現場から、一定の秩序をもって対処できるレベルに至ったと言うほどの意味合いで、【収束】なる言葉が使われているようだ。 本当の意味での【終息】は、百年程度はかかるものと思われる。一気に放射性物質が拡散したヒロシマ、ナガサキと違って、事故原発には捕捉し難い塊として“そのもの”が跋扈しているのだから。 ◇ 福島原発の作業員52人がノロウイルスに感染 東京電力は17日、福島第一原発で高濃度汚染水の処理水タンクの設置工事を担当する作業員52人がノロウイルスに集団感染したと発表した。52人はいずれも三菱重工とその関連会社の社員。 ※ 劣悪な作業環境の下で罹患した方々の中に三菱の正社員はいるのだろうか? 本日12月17日、「はやぶさ」がギネスに認定 されました。 世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機として、ギネス世界記録に認められた「はやぶさ」への認定式が17日、京都市左京区の国立京都国際会館であった。「はやぶさ計画」の責任者だった宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授が記念品を受け取りました。 「はやぶさ」は2003年に打ち上げられ、小惑星「イトカワ」に着陸、昨年6月に微粒子が入った容器を地球に持ち帰った。数々のトラブルを乗り越えての帰還が感動を呼び、映画にもなった。川口教授は「世界初の成果を評価して頂いたことを光栄に思う。若い人が新しいことを始めるきっかけになれば素晴らしい」と話した。 文部科学省は後継機「はやぶさ2」を14年に打ち上げる計画で、来年度予算案で73億円を要求している。大幅な削減を求められているが、川口教授は「日本の創造力と自信、希望を示すことは震災復興への励ましにもなる」と訴えている。 中川正春文部科学相も挨拶で「『はやぶさ2』の挑戦も文科省で支え、やっていきます」と述べ、打ち上げ目標は延ばさないようにする考えを示した。 ※ 低予算で、かくも目ざましい成果をあげた「はやぶさ計画」は、日本の技術の底力を世界に知らしめた。 翻って「もんじゅ」「ふげん」は、暗愚なる利権漁りの醜態を晒したのみで、佛の尊名を汚すこと夥しい。産官学のブラックホールは、無際限に国費を収奪するばかりだ。 ◇ 冷温停止宣言を歓迎 IAEA事務局長(12月16日) 国際原子力機関の天野之弥事務局長は16日、東京電力福島第1原発の原子炉が冷温停止状態を達成したと日本政府が宣言したことについて、「重要な前進」と歓迎する声明を発表。 同事務局長は「東京電力と日本政府は工程表の『ステップ2』を計画通り年内に完了した」と評価。今後も日本への支援を続ける方針を示した。 ◇ 収束宣言に避難町民「政府の言葉信用できない」 「福島第一原発の原子炉は冷温停止状態」「事故そのものは収束した」と発表した、16日の野田首相の会見。事故などを受け加須市の旧騎西高校に避難している福島県双葉町の町民からは、「政府の言葉は信用できない」などと怒りの声が上がった。 「まだ原子炉内には燃料が残っている。原子炉の安定と事故の収束は違う」。長年原発作業にかかわっていた深井三郎さん(75)は語気を荒らげた。将来の見通しが立たず、東京電力の賠償も進まない現状を挙げ、「こんな時に宣言するなんて馬鹿にしている」と話した。 無職田代清子さん(66)は「双葉に帰れるわけじゃない。首相は避難区域を見直すと言うが、原発が完全に止まってない状況で誰が帰るのか」と憤った。 同町のある男性(61)は「事故収束よりも、帰れない私たちはどうすればいいのかを説明してくれた方が助かる」と淡々と語った。 井戸川克隆町長は「ステップ2を達成し、事故現場の皆さんには地球の危機を救った大恩人として感謝したい。政府には、事故収束と同じく大きな生活補償と社会復旧を、地元と十分協議してやっていただきたい」とのコメントを発表した。 ◇ 収束宣言に「現実は違う」と、各国から懐疑的反応 野田佳彦首相が16日、東京電力福島第1原発の事故収束への工程表の「ステップ2」完了を宣言したことについて、各国のメディアは首相の記者会見を中継するなど関心の高さを示す一方で、「日本政府は、画期的な出来事としようとしているが現実は違う。過去、約半年間の原発の安全性に関する状況は基本的に変わっていない」などと懐疑的な見方を伝えた。 福島の事故を受けて2022年末までの脱原発を決めたドイツの公共放送ZDFは「危機が存在しないというような言い方は間違いだ」とする専門家の話を紹介。DPA通信は、別の専門家が「冷温停止を宣言するのはごまかしに等しい」と批判したと報じた。 中国国営通信新華社は、日本メディアの見方として「広範囲の除染や被災者の帰宅など多くの課題を抱え、社会の批判にさらされるだろう」と指摘、日本政府の姿勢に疑問を投げ掛けた。 ◇ 今日の誕生花・ビワ(バラ科) 花言葉は、「ひそかな告知」「温和」。 枇杷の花見えてゐる間の夕支度 岡本眸 蜂のみが知る香放てり枇杷の花 右城暮石(うしろぼせき) ※ 俳号の「暮石」は出身地の高知県長岡郡本山町字古田小字暮石から。 おっとりと打ちあけ話のようにして 冬の陽うけてビワの花あり 鳥海昭子 |

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