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『プロメテウス』 2012年8月24日(土) 日本公開 先に公開されたアメリカでは大ヒットを記録したらしく、早くも続編の制作が決定したとか。だが、日本での評価は賛否が別れるようだ。厳しい批判も相次いでいる様子。『エイリアン』の後日譚とも云える内容なのだが、底の浅さが垣間見える思いも否定できない。シナリオの錬り込み不足が透けて見えるのだ。 コケオドシ? オープニングの説明不足なシーン 激しい水流の傍らで、筋骨隆々の宇宙人が黒い液体を飲む。空中に静止していた巨大円盤がゆっくり動き出す。宇宙人が突然苦しみ出し、水中へ落下。濁流に揉まれる宇宙人の体に異変が生じ、DNAが破壊され、再構築?されていく。 公式HPによれば、「遥か太古の地球を訪れた宇宙人が、地球の生態系に適した新生命体を生み出すべく、黒い液体を飲むことで自身のDNAを変化させ、これにより人類の起源となる新型遺伝子が誕生した」という設定のようだ。つまり、これが我われの「生命のルーツ」なのだと云うお話し。 最初にネタバレみたいな … ? 余りにもイージーな調査隊員の振る舞い 大気の成分が地球と同じだからという理由だけで、ヘルメットを脱いでしまう調査隊員。未知の病原菌に感染するリスクを平然と冒す。遺跡の中でタバコを吸い、謎の生命体にも無頓着に触ろうとする。とても科学者の態度とも思えない。 おバカな二人組が遺跡の中に迷い込むさ中、嵐が接近する。本船を防御するため二人組は置き去りにされたまま、ハッチは閉ざされた。 置き去りにされたアホな二人組は、案の定エイリアン(の幼生体?)に襲われて死亡。ところが、一人はエイリアンが体内へ侵入し、もう一人は酸の血を浴びて死んだはずなのに、なぜか顔面を溶かされた方が生きていて、しかも凶暴化しているのだ。ヘルメット無しで地表をうろつき、とてつもない怪力でクルーを殴り殺すその様は、完全に「人間以外の何か」に成り果てている。過去のエイリアンシリーズを見ても、寄生された人間がこのような状態になる描写は無かったと思うが、ではいったい彼はどうなってしまったのか? 【全自動手術台】って … ? てっきり全自動での操作で患者を手術する機械かと思いきや、なんと内側に操作パネルが付いていて、自分で自分を手術するという『ブラック・ジャック』以来の超展開に驚愕! しかも、手術直後なのに飛ぶは走るはの人間離れした大活躍を見せつけるなど、アンビリーバボーすぎて言葉も出ない。アンドロイド並みの不死身ぶりだ。 「アンドロイド並み」と言えば、シャーリーズ・セロン演じる女性監督官・メレディスも謎だらけのキャラクターだ。終始無表情な顔からは感情が読み取れず、動きもなんだかロボットみたいでぎこちない。「実はアンドロイドなんじゃないの?」との疑惑を抱かせつつ、なんとシャーリーズ・セロン本人も「どっちなのかわからないまま演じていた … 」とのこと。脚本を読んでもはっきりと書かれていなかったため、「どちらにも解釈できるような演技をした」らしい。 元々、彼女は「主人公のエリザベス・ショウを演じて欲しい」とオファーされたものの、『マッドマックス』のリメイク版に出演が決まっていたため辞退。ところが、『マッドマックス』の撮影が突如延期され、スケジュールが空いてしまった。そこで「やっぱり『プロメテウス』に出たい」と問い合わせると、「メレディスの役なら空いてるよ」と言われ、急遽引き受けることになったそうだ。おいおい … 。 なので、あまり役作りができないまま撮影に入ったわけだが、監督のリドリー・スコットは「どっちかわからない方が面白いじゃん」と考え、わざとメレディスの正体を曖昧にしたらしい。でも、あまりにも謎すぎて感情移入しにくくなっているのはマイナスなのでは? まあ、『ブレードランナー』でも、デッカードがレプリカントかどうかはっきりさせないまま物語を終わらせてたし、「リドリー・スコットらしい」と言えば確かにそうなんだけどねえ … 。 ◇ これが巨匠と言われるリドリー・スコットの作品か? ツッコミどころ満載の本作だが、これを直ちに「ダメ映画」と決め付けてしまうのは早計かもしれない。なぜなら、ツッコミどころは大きく二つのパターンに分けられるからだ。ひとつは「単純に状況がおかしいパターン」。もうひとつは「製作者がわざとやっているパターン」。このうち「わざとやっているパターン」に当てはまるのが、デヴィッドの言動全般だろう。 宇宙船の内部構造にやたら精通していたり、黒い液体をメンバーに飲ませたり、挙句の果てには宇宙船の操縦までこなしてしまうなど、どう見ても「デヴィッドは事前に何かを知っていた」としか考えられない。 つまりこれは、既に制作が決定している続編『プロメテウス2』のための”伏線”ではないかと思われる。 ◇ 8/27(月)『プロメテウス』 Screen9 11:15〜13:30 2D モレラ岐阜東宝
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