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◇ スピード社水着容認、五輪代表が北京で自由選択 英スピード社の「高速水着」レーザー・レーサー(LR)をめぐる競泳日本代表の水着問題で日本水泳連盟は10日、常務理事会を開き、北京五輪では日本連盟が水着提供契約を結ぶアシックス、デサント、ミズノの国内3社に限定せず、スピード社製を含めて、選手に水着の選択を任せることを決めた。 日本水連は3社に対し、5月30日までにLRに対抗できる改良品開発を要望した。6日から8日まで行われたジャパン・オープンでLRや改良品を試した結果、LR着用の北島康介(日本コカ・コーラ)が男子200メートル平泳ぎで世界新記録を樹立するなど、選手が調整中の時期では異例の17もの日本新記録が生まれ、うち16がLRを着た選手が出した。代表選手をはじめ現場から北京でのLR着用を望む声が出た。 ◇ 英スピード社のゴールドウイン、株価急騰 英スピード社製の水着が株式市場でも注目を集めた。同社の水着を着用した選手から好記録が続出したことで、同社製の水着を手掛けるゴールドウインが急騰、他の銘柄が伸び悩むなど株価の明暗を分ける要因となっている。スポーツ用品でも水着という一分野であるため、業界全体の勢力図を大きく塗り替えることはないとみられるものの、収益に影響を及ぼす要因になるとの見方も出ている。 スピード社製水着を手掛けるゴールドウイン。ジャパンオープン終了後の9日、株価はにわかに急騰、10日もストップ高に買われる人気ぶり。半面、公認メーカーである3社は9日はいずれもさえない動きとなり、10日も株価の伸びが感じられない。 実際、ゴールドウインでは水着問題によって「スピードのブランド認知度は、当初の予想をはるかに超えるものが期待される。同時に社名自体の露出効果もあり、(同社が手掛ける)他のブランドにも波及効果がありそうだ」という。 話題となっている「レーザーレーサー」は、アスリート用のトップモデルで、ライセンス生産を行っている他の商品とは異なり、スピード社からの輸入販売で数量が限られる。当面は選手用の供給に全力を注ぎ、一般向けとして本格的に出回るのは来シーズンで今期の収益に大きく寄与する商品ではない。しかし、ブランド認知度の急速な高まりから「長い目でみた収益のプラス材料になる」と会社側では「スピード効果」を期待している。 ◇ 逃がした魚は余りにも大きかったミズノ 一方、ライバル陣営は水着に関して旗色が悪くなっている。とりわけ、ミズノは昨年5月31日までスピード社とライセンス契約を結んでいただけに、それまでの「スピード=ミズノ」から「スピード=ゴールドウイン」に替わったことがダメージになるとの見方が出ていた。ミズノがライセンス契約を打ち切ったのは自社ブランドで世界展開するのが理由。その直後にスピード社製品が脚光を集めたために、契約打ち切りが裏目に出た形となっている。 「契約を続けていれば水着問題などは起きなかった」とするミズノの広報担当者は、「スピード社との契約では、日本、中国、台湾でしか販売できず、世界展開するためには自社ブランドを確立する必要があった。契約打ち切りは中長期的な戦略として考えている」と話す。 ◇ 北島康介の名セリフ「僕らは水着のせいにはしたくない」 競泳の北京五輪日本代表壮行会を兼ねたジャパンオープンは6日、東京辰巳国際水泳場で開幕。男子100メートル平泳ぎでメダル獲得の期待も高い北島康介選手は、水着騒動への「抗議」のメッセージが書かれたTシャツを着て現れた。 「水着が泳ぐわけじゃない」 「泳ぐのは僕だ」。話題の英スピード社製のレーザー・レーサー(LR)を着た選手5人が日本新記録を連発した6日のジャパンオープンで、北島康介選手は、日英中の三カ国語のメッセージ入りのTシャツ姿で登場。水着の性能ばかりが話題になる水着騒動にいら立つ思いをぶつけた。 男子百メートル平泳ぎ決勝のスタート前。ジャージーを脱いだ北島選手のTシャツには、日本語のほか、英語で「I AM THE SWIMMER」、中国語の「是我在遊泳」との文字がプリントされていた。水着の話題ばかりが騒がれる風潮に、彼は辟易している。Tシャツは所属事務所が作製、メッセージは北島選手が選んだという。 北島選手は、国内メーカーのミズノと個人契約を結ぶ。北京五輪でLRを着られるかが注目されるが、実戦では初めてLRを着てレースに臨み、自らの日本記録を約3年ぶりに更新した。レース後「水着が泳ぐわけじゃない。もっと選手の頑張りを見てほしい」と訴えた北島選手だったが…。 3年ぶりに自分の持つ日本記録を更新したのに、北島に派手なガッツポーズやおたけびは出なかった。「調子はよくなかった。正直びっくりしている」。LRを着た選手による日本新連発に少し戸惑っているようにも見えた。 右肩を痛めて十分な練習ができていない状態。LRを試すのが主目的のレースになると思われた。ところが最初の25メートルですっと抜け出す。後半も力みのないストロークでリードを広げた。「トレーニングでもほとんど着たことがない」が、水の抵抗の少ない泳ぎを身上とする北島は、うまく着こなして記録をつくった。 「水着が素晴らしいと感じるところはある。結果の通り」。LRの効果を否定しなかったが、「ミズノの水着も悪くない。信じている部分は強い」。揺れる心境を吐露した。それでも五輪前に記録が伸びたこと自体は、うれしくないはずはない。「とても励みになる。燃えてきた」。水着問題は別にして、五輪連覇を目指す日本のエースに弾みがついたことは確かだ。 「僕らは水着のせいにはしたくない」 北島はレース後、水着だけが理由でタイムが良くなったことを否定する一方で、五輪での金メダル獲得を助けてくれる水着で泳ぎたいと語った。「水着が泳ぐわけじゃない。選手が主役でなければならない」。語気を強めて訴えた。そして、こうも言ったのだ。「僕らは水着のせいにはしたくない」と。 水着のせいでメダルが取れなかった、水着のおかげでメダルが取れた。この両者を否定する言葉でありながら、ミズノに対しては「僕にLRを着させて欲しい」と言う強いアピールがこめられていた。 |

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