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◇「ダビング10」、五輪前に解決を 増田総務大臣(6月6日) 増田寛也総務相は6日の閣議後記者会見で、デジタルテレビ放送の録画制限を緩和する「ダビング10」の導入時期について、「北京五輪の映像を録画しておきたいというユーザーの要望は強く、8月8日までに間に合わせたい」と語った。また、この問題で経済産業、文部科学の両省との協議に着手したことを明らかにした。 地上デジタル放送の新録画ルールである「ダビング10」は、6月2日の運用開始を目指して準備が進められてきたが、機器メーカーと著作権利者団体との間の私的録音録画補償金の適用拡大などについての意見がまとまらず、導入が延期されている。 増田総務大臣は、「当事者である、メーカー、著作権者側で、よくお考えいただくのが大事なのですが、最後、当事者間でどこかで線を決めてもらうというか決断をしてもらわなくてはいけない。その決断のための意思疎通を促していくという努力は、総務省の方でやりたい」と説明。 また、「ダビング10」の遅れが、北京五輪時に地上デジタル放送の世帯普及率50%という目標に向けて、障害になるかとの質問には、「量販店などで聞く限りは、ダビング10が、地デジの機器の売れ行きに影響しているというのはあまり聞こえてきてはいない」としながらも、「オリンピック等の名場面を録りたいという人たちが多いでしょうから、その前に、この問題を解決するということで、関係者の話し合いをしやすい道筋作りをしていかなくてはいけない」と早期解決への意向を示した。 ◇ JEITA、「ダビング10」延期と補償金について公式見解(5月30日) 「タイムシフト機器への補償金に合理性ない」 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は30日、「私的録音録画補償金問題に係るJEITAの見解について」と題した文書を発表。地上デジタル放送の新録画ルール「ダビング10」について「予定通り作業が進んでいないことは残念」とした。文書では「私的録音録画小委員会及び補償金制度全般」と、「ダビング10について」という2つのテーマで10項目に渡りJEITAの見解を説明している。 補償金については「デジタル技術の進展に伴い、技術的にコンテンツの利用をコントロールすることが容易になっていく中で、補償金制度の必要性は反比例的に減少する。消費者の意見を十分に踏まえ、デジタル技術の進展に伴って補償金制度を縮小・廃止していくことが原則」との見方を改めて示した。 一方で補償金の対象製品にHDDレコーダやポータブルプレーヤーを追加する案については、「新たに補償金の対象に追加する機器は、権利者の経済的損失を直接生じせしめるものではない、タイムシフト・プレイスシフトを目的とするもの。補償金制度の趣旨に照らし合理性はなく、受け入れられない」とした。 「ダビング10」については、「権利者、放送事業者等の関係団体が合意し、JEITAとしても、決定どおりに実施すべきものと考える」という前提で「運用開始日を早期に確定するよう、Dpa等の関係者にも強く働きかけてきたが、ダビング10の問題を補償金の問題と一体化した議論が一部で行なわれ、予定通りの実施に向けた作業が進んでいないことは残念」としている。 続けて「ダビング10は、技術的に複製回数を制限するもので、一般論として補償金の対象とすべきではない。JEITAとしては、ダビング10に対応する機器を補償金の対象とすることには反対であり、とりわけ一体型ハードディスク内蔵型録画機器を対象とすること、デジタル放送に着目して課金することは容認できない」との考えを示した。 なお、今後の具体的な方策などは明らかにしていないが、「消費者のダビング10実施への期待、消費者の負担に最大の注意を払いつつ、議論に主体的に参画したい」とまとめている。 ◇ メーカーの主張は「ちゃぶ台返し」実演家著作隣接権センター(5月29日) 実演家著作隣接権センターの椎名和夫氏は、「補償金問題を決着させようという意のあるメーカーが、補償金問題の決着に向けて、JEITA内部の説得の努力をしていた。兆しは折に触れ感じてきたが、そうしたメーカーについては心から感謝の意を表したいと思う。心あるメーカーの対応により、4月3日の“文化庁提案に沿って努力する”という意見表明など、前進が見られた」と“混乱前”の状況を振り返った。 現在の要因については、「“とあるメーカー”が極めて原理的に拒否反応を示し、議論の経緯も学習しないまま、さまざまな策を弄してJEITA内部で多数派工作を行なった結果、と聞いている。また、経済産業省というプレーヤーが新たに参入してきたことで、2年の歳月をかけてたどりついた“文化庁提案”に対する理解が十分でないことからくる、頓珍漢な対応が多々生まれ、混乱にいっそう拍車がかかっている」と現状を説明。それらを配布した資料の中で「ちゃぶ台返し」と表現し、新たに表明された懸念について反論した。 配布資料に「ちゃぶ台返し (ノ-_-)ノ ~┻━┻」 なお、ここで言及した「経済産業省の動き」については、「伝聞に基づくものだが、文化庁提案についてそれを受諾するのは難しいという方向に動かれているという風に聞いている」と説明。“とあるメーカー”については、「わかっていますが、記者会見の場ではいえない。議論を(メーカー批判に)誘導するつもりで言っているわけではない」とした。 新たに表明されたという「懸念事項」は、(1)「(補償金の対象となる)HDD内蔵の一体型機器は汎用機と区別がつきにくく、いずれ汎用機の指定につながる」、(2)「制度が縮小していく保証が無い」とのもの。 (1)については、「2年の議論を経てパソコンを制度の対象に加えないことに権利者は同意した。最大限の譲歩。一体型の機器と汎用機が区別がつきにくい、というが、HDDレコーダ/プレーヤーのどこがパソコンと見分けがつきにくいのか? メーカーは一体いかなる販売戦略で売っている、理解に苦しむ」と反論。加えて、「録音録画メディアはMDやDVDからHDDに移行しつつある。対象の拡大ではなく、シフトしているだけ。一体型の機器を加えなければ補償金の実体は生まれない。これは(文化庁の)中間整理案でも書かれている」と訴えた。 (2)については、「拡大していく“ネットの世界”を補償金の対象から外す。まさに制度が縮小していくことの最大の根拠」と反論した。 また、「そもそもコピーワンスの問題の発端は“メーカーの落ち度”」と説明。「ムーブの失敗やクレームは、メーカーの技術力の未熟さとサポート体制の不備によるもので権利者と何の関わりも無い」とし、「補償金制度の範囲内で、できうる限りの可能性を模索した結果、ダビング10が生まれた。(総務省の)第4次中間答申に“権利者への対価の還元”が前提に謳われており、その策定に当たって、メーカーは何の意義も申し立てていない」とし、「メーカーは、権利者に尻拭いをさせながら、放埓な主張を繰り返して、第4次答申の実現を危うくしている」とメーカーの対応を非難した。 さらに、「権利者はダビング10を人質に補償金の拡大を主張している」との意見に反論。「ダビング10の実施期日確定にゴーサインを出すのは情報通信審議会の検討委員会。委員会で合意が得られないのは、メーカーが一貫性の無い行動を取るためで、権利者はダビング10を人質になどしていない」と強調した。 補償金制度撤廃を消費者は望んでいるのか? また、補償金制度が必要な理由について、「コンテンツビジネスにとってさまざまな送信や複製の手段がふんだんに提供されてきた。放送局自身をはじめとした様々なプレーヤーがネット流通に参入しているが、ネットに無償な複製コンテンツがあふれている現状では、いかなるビジネスモデルも成立しない」と現状の問題を挙げた。 さらに、「こうした無償コンテンツの流通は、ネットワークだけでなく、家庭内や友人の間でも行なわれている。無償コンテンツの発生、流通を機器や媒体が支えていることに疑いは無い。補償金は、そのような機器や媒体のメーカーが、複製に供される機器や媒体を販売することで得る莫大な利益の一部を権利者に還元させようとするもの。補償金制度の正当性は、今日強まりこそすれ、薄れてきたなどという見方はあたらない」と主張した。 また、椎名氏は「一番訴えたい点」として、文化庁案に沿って補償金制度が縮小され、契約と保護技術に変わるという未来像について「消費者は本当にそれでいいのでしょうか?」と問いかけた。その理由は、「現在の補償金制度は消費者が負担するという建前のもとメーカーが負担している。メーカーもそう自覚している」とし、「補償金イコール消費者の不利益として言われてきたが、消費者が負担する構造が生まれてメーカーが負担のサイクルから未来永劫開放されるだけのこと。この関係に消費者は気づいていないのではないか。この状況が消費者の本当に望んでいることなのでしょうか?」と問題提起した。 日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏 「4月の文化庁提案を受け、5月の小委員会で段階的にコンセンサスをとるべきだ、ということになった。この合意が取れれば補償金制度に大きな一歩となる。文化庁提案を要約すれば、補償金制度を縮小するが、音楽CDからの録音と無料放送の録画は補償金制度を当面利用するということ。この提案の根幹は、著作権保護技術の発展に伴うもので、これから新しい議論、関係が始まる。対立路線から協調路線へ移行できるはず。しかし、この後におよんで、被害妄想的な主張を繰り返すメーカーは理解できない。世界に冠たる家電メーカーが、知財立国を目標とする国家戦略を根底から否定することになりかねない」とし、「未来に向けてコラボレーションするために一歩踏み出してほしい」とメーカーに対して呼びかけた。 日本音楽作家団体協議会の小六禮次郎氏 「作家からいうと、なにやっているかわからない。憤りを通り越して、信じられない。いろいろな要因があるのだろうけど、わからない。物を作っている人間からすると落胆してしまう。話し合いは継続せざる得ないが、クリアな解決を早急に出してほしい」と述べた。 |

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