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◇「完全試合」目前、前代未聞の継投策、落合采配に賛否激論 プロ野球日本シリーズで53年ぶりの日本一に輝いた中日の落合監督が、八回まで一人の走者も出していなかった山井大介投手(29)を、シリーズ史上初の完全試合まであと1イニングとした 最終回に交代させる前代未聞の継投策をとった。九回は岩瀬仁紀投手(32)が三者凡退で退け、采配は成功したが、大舞台での偉業を見逃した格好のファンからは確かに溜息も漏れた。 プロ野球解説者で元阪神監督の安藤統男氏は、「これが今年の中日のスタイルで非情の采配ではない。正解だと思う。ただ、自分が監督であれば、果たして交代させられただろうか。見事な決断だった」と評価。 一方、評論家の玉木正之氏は自身のHPで、「百年に一度あるかないかのすごい興奮の瞬間よりも、53年ぶりの優勝を確実にしたかったというなら、何と小心な夢のない野球か」と怒りを爆発させた。そして、玉木氏の発言が激論の火蓋をきった。 山井投手の出身校、神戸弘陵高の石原康司監督は「完全試合を達成してほしかったが、監督の英断なので仕方ない。よく頑張ったと褒めてやりたい」とねぎらい、奈良産業大時代の恩師の藤原監督も「九回も投げさせてやりたかったというのはみんな同じ思いだが、岩瀬というストッパーがいるから、山井も気持ちよくマウンドを譲ったと思う」と理解を示す。 賛否はもとより分かれるもの この非情な采配に、名監督といわれている人たちでも、「よくぞ決断した」(森祇晶)、「監督なら10人が10人続投させた」(野村克也)と意見が割れた。 スポーツ紙には、山井は「個人記録はどうでもいい。頑張ってきた岩瀬に投げさせたかった」、落合監督は「山井がいっぱいいっぱいというから……」とある。この辺のニュアンスは何とも微妙で、後付けの観は否めない。 むしろ情にほだされやすい落合氏 落合采配は、決して非情から出たものではない。もとより監督たるもの情に流されてはならないが、落合氏はむしろ情に脆いように見える。昨年のリーグ優勝では不覚にも涙を見せた。そして、日本シリーズでは1勝4敗と、ドラゴンズの地力を出せず仕舞いに終わってしまった。「落合はリーグ優勝で涙を見せた」「そこまでの男」との評も見られた。今回、落合氏は「絶対、泣かないと決めてます。家で泣きます」と言って笑った。 過去2度の失敗、「3度目の正直」をはずす懼れ 落合監督は3年間で2度のリーグ優勝をもたらした名監督だが、2度とも日本一を逸している。2004年、セットアッパー岡本を続投させて、グランドスラム被弾。2006年、ベテラン山本昌を続投させて惨敗。いずれもシリーズ全体の流れを変えてしまい、日本一を逃した。監督の胸中には、続投への恐れ無きにしもあらず。「3度目の正直」をはずす懼れもあったろう。その意味では、玉木氏の言う通り「小心」者なのだ。だが、戦略をめぐらす者は常に小心者であるべきなのだ。「長嶋流」は、今は昔の夢ものがたりなのだ。 日本ハム側から見れば、良くわかる落合采配 日本ハムにとって山井続投と岩瀬登板と、どちらを望んだろうか? 9回の1イニングは、前8イニングとは全く別物のイニングであり、だからこそスペシャリストが存在する。今季巨人のリーグ優勝は抑えの上原がもたらした。そんな1イニングを夢の完全試合のために続投させれば、日本ハムサイドは大いにチャンス到来と感じたのではないか。逆に岩瀬登板で、とどめを刺されたとの思いがナインの胸中をよぎったことだろう。 勝敗はたった一球で変る。ましてや1対0の試合、ゲーム全体の流れは見えていなかった。このゲームを落とすだけならば、さして痛くないかも知れない。だが、シリーズ全体の流れを変えてしまっては、そんな感じを抱いて札幌ドームに向かうことにでもなれば…。 現場の判断は生きもの、生もの。あとから、あれこれ言うのは楽しいけれど、やっぱり日本一を喜ぶのが一ばん楽しいもの。落合ドラゴンズ、日本一バンザイ!
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