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◇ 京都の老舗が「ミシュラン」を袖にした 「食のグローバリゼーション」、もとよりナンセンス 「みんなちがって、みんないい」 金子みすゞ 東京版ガイドの発売で大きな話題を呼んだ「ミシュラン」が、日本料理の老舗や名店が集まる京都でひそかに調査を進めている。しかし、古都が培った食文化を「世界標準」で評価されることに抵抗感が強く、ガイドへの掲載申し入れに「拒否」「保留」と答える店が続出。「ミシュランは『一見さんお断り』の文化にそぐわない」との声も上がっている。 「星の数の判断基準は、皿の上の料理そのものです」 今年春、京都市内にある老舗の京料理店に、ミシュランの調査員を名乗る人物が現れ、店主にこう話しかけた。ミシュランが得意とする覆面調査は既に終えた様子で、写真の提供かカメラマンによる店内の撮影を認める承諾書にサインを求めた。しかし、同店はサインをしなかった。 店主は「星」の評価を拒んだ理由について、「料理だけで判断する姿勢が気に入らなかった」と話し、「京料理は打ち水された玄関や手入れの行き届いた庭など、もてなしのすべてが文化。フランスの調査員が、我々の文化や伝統を学んでいるとは思えない」と不信感を募らせる。 日本料理の「京都吉兆嵐山本店」(右京区)にも、ミシュラン調査員のフランス人男性と日本人女性が来店。総料理長を務める徳岡邦夫さんは、個人的な意見と前置きしたうえで、「これからは世界基準で勝負する時代。ミシュランという一つの基準で評価するのはフェアだし、最初に星がもらえなければ一つ付くように、一つなら二つを目指して努力すればいい」と理解を示す。だが、同店も料理の写真撮影などの協力を拒否。京都吉兆としての経営判断や他店の動向をにらんでの対応のようだ。 他の有名店数店でも、ミシュランは調査を進めているが、どの店も「各店が末長く共存していくことが大事で、一冊の本に優劣を付けられるのは納得いかない」「外国のタイヤ会社の評価を意識する老舗なんてないのでは」と違和感を抱き、各店とも撮影承諾のサインを拒否したり保留したりしている。「ミシュランの調査は行き詰まっている」(老舗の店主)との見方もある。 京都府料理生活衛生同業組合の佐竹力総理事長は「数百年の老舗の仕事が駅伝だとすれば、1年ごとの評価を気にするのは百メートル走。とても一緒には走れない」と語る。 日本ミシュランタイヤ広報部によると、昨年11月発行の東京版を皮切りに毎年アジアから1都市を選んで新版を出す予定という。担当者は「いくつかの都市で可能性を調べている」と暗に京都での調査も認めるが、「京都版を出すかどうかは未定」と話す。 ミシュランガイドに関する著書もある料理評論家山本益博さんは「東京版では和食の三ツ星は3店だったが、京都なら15店はいくだろう」と見る。しかし、料理研究家の服部幸應さんは「ミシュランが掲載したい店の写真がそろわなければ、京都版は出せないだろう」と予想したうえで、「世界のグルメが和食を食べに日本に来る国際化の時代。観光都市・京都の名店がミシュランの評価をボイコットするなら残念な話だ」と語る。 一方、京都出身のジャーナリスト有田芳生さんは「ミシュランの評価を受け入れない姿勢こそ、京都らしい対応ではないか」と話し、「京都に多い『一見さんお断り』の店は誰でも入れないのが魅力。かつて首相の来店希望を断った店もあり、各店にポリシーがある。同じ基準で評価するミシュランとは相いれない文化だ」と指摘する。(上田明香) ※「ミシュランガイド」:フランスのタイヤ会社「ミシュラン」が1900年、地図とドライブに役立つ情報を載せたガイドブックを発行した。各地の歴史や文化を紹介した緑表紙の冊子など数種あるが、レストランやホテルを格付けした赤表紙が有名。2007年発行の東京版は、三つ星レストラン8店、二つ星25店、一つ星117店が掲載されている。 ※ 【老舗(しにせ)】:老舗は当て字。し似せとは、百年、二百年と同じ事をし続けるの意。先代、先々代に似せてし続けるの意。間違っても、一見さんに合わせて味を変えたりなど致しません。 ※ 柳の下の2匹目、3匹目の泥鰌を狙うミシュラン、あざとくて下品。ミシュランの格付けを何様のつもりになっているやら。食文化は、身土不二の最たるもの。世界を一色に塗り潰すグローバリゼーションに、文化を語る資格はない。
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