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◇ 大竹しのぶ主演 『 ピアフ 』、中日劇場(名古屋・栄、中日ビル9階) 名古屋は一回公演のみ、11月29日午後6半開演(開場は30分前) 1幕60分、休憩20分、2幕90分、計2時間50分。演出:栗山民也 料金【A席】9500円【B席】8000円 ※ A席、7扉1階席20列37番 歴代の名女優によって演じ継がれてきたパム・ジェムス作の名舞台『 ピアフ 』の新バージョンが登場した。パリが最も愛した歌姫、エディット・ピアフの愛に生きる姿を大竹しのぶが熱演。 主な共演者は田代万里生、彩輝なお、高橋和也、山路和弘、辻萬長。 ◇ 『ピアフ』 歌唱力充実の大竹しのぶ、難役に挑む!(2011年10月12日) 音楽劇『ピアフ』が、10月13日から11月6日まで東京・日比谷のシアタークリエで上演される。 ミュージカル「スウィーニー・トッド」で歌唱力の充実を印象付けた大竹しのぶが、シャンソンの女王、エディット・ピアフ(1915〜63)の波乱の生涯を演じる。 ピアフは「愛の讃歌」「バラ色の人生」などの名曲を残し、イブ・モンタンやシャルル・アズナブールら名歌手を育てた。反面、男運に恵まれず、借金まみれで酒と薬に溺れた。 今年の演劇界は、ちょっとしたピアフ・ブームだ。32年も演じてきた美輪明宏を始め、三田佳子、安蘭けいがそれぞれのピアフを演じた。上演が続く理由について「誰もがドラマチックな愛の物語を見たいからでは」と大竹は語る。 今回上演するのは、英国の女性劇作家パム・ジェムスが1978年に発表し、3年前に改訂した戯曲。 愛を求めてもがくピアフの姿を生々しく綴る。「『男がいないとだめなの』と公言し、いつも恋人を替える。彼女は一体、何を求めていたのか、って考えます。ただ、モンタンたちをスターに育てる時は純粋な愛を注いでいたのでしょう」。 「ミロール」「私の神様」「水に流して」といったドラマチックな持ち歌を歌いこなすのは大変だ。〈ピアフがステージに上がったら、何かが起きなきゃ。何も起きなきゃ最低だわ〉というセリフがある通り、観客の心を動かさないといけない。「彼女の歌は悲惨な現実を歌うから心に届き、悲しみを浄化する力がある。本当に難しいですが、歌うと力が湧いてきます」。 今年の初夏に「スウィーニー・トッド」の再演を乗り切って自信を付けた。狂おしい愛情を秘めたパイ屋の女主人役を演じ、米ブロードウェーの大物スティーブン・ソンドハイムが作曲した複雑な構造の難曲を歌いこなした。4年前の初演時は「31年間の女優生活で最大の苦しみ」と語っていた。「オーケストラとの掛け合いが楽しかったし、出演者みんなで音を出せる喜びを感じました」。 今回のピアフも大事に育てたい役だ。「一度やっただけでは無理。演じ続けたいですね。それだけの深みがある人だと思います」。 当日はアコーディオン、ピアノ、チェロ、ベースの生演奏で歌う。共演者は、田代万里生、碓井将大、山口馬木也、KENTAROら。 大竹しのぶ(ピアフ役)のメッセージ 梅沢昌代(トワーヌ役)のメッセージ 『ピアフ』制作発表:田代万里生 常田景子(翻訳):何といっても「愛の讃歌」がとても好きです。本当にいい曲がたくさんあります。今回この戯曲から感じられるピアフの魅力というのは、破天荒な生き方をしているのに心なしかどこか寂しい、孤独だからこそ愛を求めていくという姿にあるんじゃないかと思います。そういう面が「この人に何かしてあげたい」という気持ちを人々に起こさせたのではないでしょうか。 『愛の讃歌』 エディット・ピアフ 大竹しのぶ:エネルギーと弱さ、全身でいつも生きている感じが素敵だと思います。歌は「愛の賛歌」もそうだし、『水に流して』もいい曲です。「後悔しない、今日から人生始まる」という歌のテーマが私の考えとも合っているので、一生そうやって生きていけたらいいなと思います。 Edith Piaf - Non, Je ne regrette rien (なにも後悔していない) ※ 邦題:『水に流して』 ※ 鳴り止まぬ拍手、繰返されるカーテンコール、次第に「アンコール」の声。
ついに大竹が『愛の讃歌』を歌い上げる。まさに最高潮、万来の拍手、大満足。 |
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◇ 映画『一命』 松竹、2011年 監督:三池崇史 この映画は、1962年『切腹』以来二度目の映画化なので、先ずはそちらから。 ◇ 映画『切腹』 松竹、1962年 監督:小林正樹 原作:滝口康彦『異聞浪人記』 社会派映画の巨匠・小林正樹が監督した初の時代劇映画。武家社会の虚飾と武士道の残酷性などの要素を取り入れた、かつて日本人が尊重していた武士道へのアンチテーゼがこめられた作品。 数々の賞を受賞しており、1963年にカンヌ国際映画祭で審査員特別賞、第13回毎日映画コンクールでは日本映画大賞・音楽賞・美術賞・録音賞を受賞。ブルーリボン賞では脚本担当の橋本が脚本賞、主演を演じた仲代が主演男優賞を受賞。さらに『キネマ旬報』においては、その年のベスト3に入賞するなど、作品、製作者、出演者ともに高い評価を受けている。 梗概:寛永七年(1630年)五月十三日、さる浪人が井伊家の屋敷を訪れる。津雲半四郎と名乗る浪人は、仕官先もままならず生活も困窮したので、屋敷の庭先を借りて武士らしく切腹したいという殊勝なる申し出であった。だがこれは、当時食い詰めた浪人の常套手段のようなタカリであった。舌打ちし、苦々しい表情で応対する若侍 … 。何がしかの金子を与えて門前払いすることなく、切腹の準備にとりかかる井伊家の面々。 泰然として白布の座に坐る津雲半四郎(仲代達矢)。最期の望みとして井伊家きっての使い手である沢潟彦九郎(丹波哲郎)に是非とも介錯をと所望する。宜なるかなと、快諾する井伊家家老・斎藤勘解由(三國連太郎)だったが、沢潟は出仕していなかった。病だと言う。それではと、半四郎は矢崎隼人(中谷一郎) の名をあげる。しかし、矢崎も病欠だった。それではと、半四郎は川辺右馬介(青木義朗)を所望するのだが、この者も病であった。ここに到って勘解由にも、半四郎の謀が見えてきた。「お主、なに故に当家を訪ねられた!」。 実はこの三人は過日、半四郎との立会いでいずれも敗北していた。しかも、命を取るかわりに髷を切り取られていたのだ。到底、人前に出ることもならず、こそこそと隠れていたのだった。半四郎は、面前に三つの髷を放り投げた。凝然とする井伊家の面々、俄かに殺気立つ。半四郎は静かに語りだす … 。 さきに井伊家を訪れた千々岩求女 <ちぢいわ・もとめ>(石浜朗)なる若侍は、わが娘・美保(岩下志麻)の夫であったこと。瀕死の乳飲み子を医者に診せたくて、万止むを得ず卑劣なる振る舞いに及んだこと。 求女は既に刀も質入して竹光だった。だが、沢潟はお手前の刀で腹を斬れと迫る。絶望した求女は、壮絶なる覚悟で竹光を腹に突き刺す、何度も、何度も … 。しかし、沢潟は一向に介錯しようとしない。存分に引き回しなされと、冷酷な言葉で求女を追い詰める。 求女の最期の懇願をもむげに拒絶した井伊家の面々への万般の恨み … 。武士道を重んじると言いながら、所詮は見掛けだけではないかと糾弾する半四郎。 ここから時代劇史上に残る凄惨なる立ち回りが展開されるのだ。同じく仲代演じるところの、『大菩薩峠』机竜之介のラストシーンに、優るとも劣らぬ名殺陣と言えるだろう。 ※ 映画『切腹』は、映画であることを忘れさせるほどの台詞劇であった。その言い回し、間の取り方、仲代と三國との凄まじい緊迫感。練りあげられた、鍛えあげられた役者の集中力が、全編に漲っていた。 ◇ 映画『一命』(Harakiri:death of a samurai) 松竹、2011年 監督は三池崇史。 第64回カンヌ国際映画祭(2011年5月)のコンペティション部門で上映されたが、惜しくも無冠に終わっています。 キャスト:津雲半四郎 - 市川海老蔵、千々岩求女 - 瑛太、美穂 - 満島ひかり 沢潟彦九郎 - 青木崇高、松崎隼人正 - 新井浩文、川辺右馬助 - 波岡一喜 斎藤勧解由 - 役所広司、 井伊家家老である斎藤勘解由は、半四郎と直々に面談すると言う。 勘解由は穏やかに半四郎に語りかけ、切腹を取りやめ早々に立ち去った方がよいとしきりに勧める。しかし、半四郎の意志はかたく容易には頷かない。仕方なく勘解由は先日、当家でかような事があったと半四郎に語り出す … 「お話、申そうか」。 以下、『切腹』と同様の展開となる。 映画『一命』の“仕掛け”とも云うべきものがあります。これから映画をご覧になろうとされる方は、以下の文章はお読みにならない方が賢明です。 三池崇史監督の創意と言えます。求女は、暮らしの為にとうに大小を竹光にしていた。半四郎は後生大事に武士にしがみつき、刀を質入れすることはなかった。にもかかわらず、「心当たりがあるなら、何故もっと早くに行かなかったのだ」と、求女への恨み言を口にしてしまった半四郎の後悔。 無念の求女の怨みを晴らすべく井伊家に乗り込んだ半四郎の腰のものは、なんと竹光だったのだ。鬼神と化した半四郎は、竹光をもって井伊家家中の者どもと対峙する。 ※ 朝ドラ『おひさま』の育子役を好演した、満島ひかり が良かった。 東宝シネマズ モレラ岐阜 2011/10/22 12:50〜15:10
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平 幹二朗主演 『 エレジー 』、可児市文化創造センター ala collection シリーズ vol.4『エレジー』 「きずな」を求めて、さまよう魂たち … 新しい家族あわせ。 公演日時:2011年10月1日(土)〜10月9日(日) 開演時間:14:00 または 19:00 (一日一回公演)(10/4:休館日) かつて評判となり高い評価を得たにもかかわらず、再演されていない舞台を可児市にキャスト・スタッフが滞在してリメイクする ala Collectionシリーズ vol.4 は、読売文学賞を始め数々の賞に輝いた『エレジー』(作:清水邦夫)を取り上げます。 「家族」とは、「老い」とは、「きずな」とは。 主演:平 幹二朗 演出:西川信廣でお贈りいたします。 『 きて!みて!アーラ 』 エレジー編 (2011年9月放送) ◇ 平幹二朗が四半世紀ぶりに清水邦夫の傑作戯曲に挑む! 新作主義の日本の演劇界として消費され続ける戯曲に対し、あえて過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクして作品を再評価するプロジェクトです。また、アーチスト・イン・レジデンスを基軸として、第一線で活躍する俳優・スタッフが可児市に滞在しながら作品を制作し、可児市から全国に発信する質の高い作品づくりを目指しています。 可児市文化創造センターは、世界的に整った施設を持ちながら、開館以来5ヶ年は制作事業をしてきませんでした。これを見直し、毎年3本の制作事業のうち、このシリーズは、可児市にアーチスト・イン・レジデンスをして稽古をして当地での一週間公演、東京吉祥寺シアターでの一週間公演、その後、全国公演へと続きます。 「家族」とは、「老い」とは、「きずな」とは、今の時代を先取りするような冴えわたる筆力で1983年に、第35回読売文学賞を受賞した清水邦夫の傑作戯曲。笑いと悲しみの中で、親子や兄弟関係をはじめ様々な人間関係の歪みが浮かび上がる。1986年の『夢去りて、オルフェ』以来の「清水作品」主演となる平幹二朗、30年以上の演出家生活で「清水作品」初挑戦となる西川信廣の演出で、新たなる『エレジー』が再び幕を開ける。 「きずな」を求めて、さまよう魂たち 新しい家族あわせ 偏屈でがんこな老父・平吉(平幹二朗)は凧の研究家であり、昔は高校の生物教師だった。平吉の家は八年前に平吉が頭金を出し、息子の草平がローンを支払うということで買った古家だが、その後、草平は平吉の意にそぐわない女優の塩子(山本郁子)を伴い、家を飛び出した。平吉が死ねば、家は草平の手に入るため、家を離れた後も草平はローンを払い続けた。 残酷で荒涼とした家族の姿は、草平の急死で浮上した残りのローンの支払い問題により、大きく変化することになる。ある日、ローンの督促状を持って塩子が平吉の家にやってくる。対立する平吉と塩子の間に、やがて奇妙な愛情が生まれ、平吉の弟(坂部文昭)、塩子の伯母(角替和枝)、塩子に求婚する青年医師(大沢健)を巻き込んだドラマに展開していく。 ◇ 2011年10月5日(水)午後2時開演(1時半、開場)にて観劇 小劇場〈虹のホール〉:客席総数:311席(1階:263席、2階:48席) 料金:全席指定3,000円(公演当日はハーフプライス、私も半額で購入) ※ 最後尾席の「M-33」に坐ったが、目の良くない私でも支障のない規模。 サイトブログによれば、公演4日目で初めてチケットが完売したとのこと。 |
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◇ 映画『ジュリエットからの手紙』 ニューヨークから、愛の都・ヴェローナへ ニューヨーカー誌の事実調査員として働くソフィ(アマンダ・セイフライド)は、婚約者のヴィクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)と、イタリアのヴェローナへ旅立った。プレ・ハネムーンなのに、ヴィクターはまもなく開店するレストランのためのワインや食材の仕入れに忙しい。ソフィはそんな彼とは別行動をとり、一人でジュリエットの家を訪ねる。 壁一面に貼られた“ジュリエット・レター”に目を瞠るソフィ。今も世界中から、恋の悩みを綴った手紙が届くのだ。すると、カゴを手にした女性が現れ、手紙を集め始めた。記者になることが夢で、いつも好奇心に溢れたソフィは、彼女のあとを追いかけた。 そこでは、“ジュリエットの秘書”と名乗る女性たちが、返事を書いていた。 ソフィは偶然、壁の中に眠っていた50年前の手紙を見つける。手紙の内容に心魅かれ、ソフィは返事を書きたいと申し出る。 “ジュリエット・レター”から始まる50年前の初恋を捜す旅 壁の中の手紙を書いたのは、クレア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)という英国に住む女性。彼女は、50年前、絵の勉強のためにイタリアを訪れ、そこで出逢ったロレンツォと恋におちた。二人は永遠の愛を誓うが、両親の反対を恐れたクレアは、ロレンツォを残して、帰国してしまう。それから50年、別の人生を生きていたクレアのもとに、思いがけずジュリエットからの返事が届いたのだ。 ジュリエットからの手紙に背中を押されたクレアは、ロレンツォを探すために、はるばるイタリアへとやって来た。彼女の決意に感銘を受けたソフィは、初恋の人を捜す旅に同行し、記事にしたいと頼み込む。祖母を心配する孫のチャーリー(クリストファー・イーガン)は、初恋の人を捜す旅に反対していたが、クレアはソフィを歓迎し、三人の旅が始まる。 でも、手掛かりは名前だけ。三人は、何人ものロレンツォを捜し当てるが、すべて別人だった。数日間、クレアは時にときめき、時には失望しながらも、旅を楽しむ。輝く太陽と美味しいワインに心を解きほぐされた三人は、互いに辛いこともあった人生を語り合い、いつの間にか絆を深めていった。しかし、ついに本物のロレンツォが見つからないまま、帰らねばならない時が来た。 旅の最終日、車でブドウ畑を通りかかったクレアは、我が目を疑った。ブドウ畑では50年前のままのロレンツォが働いていたのだ。思わず、「止めて!」と叫ぶクレア。 不安と後悔、そして期待に揺さぶられるクレア。ソフィが車を降りて若者に名を尋ねる、「ロレンツォ」。やがて、若者の父も現れた、彼も「ロレンツォ」。 そして、若者の祖父は今、乗馬中だと言う。 クレアは急に不安に襲われ、乗馬から戻る前に帰ろうと言い出す。あたかも50年前の時と同じように … 。 その時、馬に跨った老紳士が悠然と姿を現すのだった。 その姿をひと目みたクレアは「オーマイガーッ」と、絶句する。ジュリエットからの手紙を信じてイタリアに来たクレアが、最後に見つけたものとは … 。 今もジュリエット宛に届く年間5000通もの恋の手紙 不朽の名作『ロミオとジュリエット』の舞台イタリア、ヴェローナ。この地には、恋のモデルとなったヒロイン、ジュリエットの生家があり、永遠の愛を貫いたジュリエット宛に、恋の悩みを綴った手紙が、今なお世界中から年間5000通も届く。そして、その“ジュリエット・レター”の一通ずつに“ジュリエットの秘書”と呼ばれる女性たちが返事を書いている。彼女たちが交わす手紙の中には、信じられないような美しい愛の物語が隠れていた。 『ロミオとジュリエット』の物語は、時代を越え、形を変えて、今もなお続いているのだ。 真実の愛なんて、あるのだろうか … ? すべての女性たちの問いかけに、幸せな答えをくれる珠玉の感動作が誕生した。 そして、ソフィとチャーリーとの間にも、『ロミオとジュリエット』の舞台が用意されていたのだ。 すべては神の思し召しのままに … 。 ※ ヴィクターを評して、気の利いたセリフがあった。 「男は長い時間をかけて熟成するものなのよ」。 若い男に芳醇な香りを求めるべくもない。あるいは、熟成しないままで、逝ってしまう者すら少なくないのかも知れない。 ◇ ジュリエット・クラブの設立 1930年代、荒れ果てていたジュリエットの墓を再生するために、エットーレ・ソリマーニが墓の守衛に任命された。若い夫婦が墓に残していった手紙が、最初の“ジュリエット・レター”となる。その後、観光客がメッセージを走り書きした名刺を置いていくようになり、想いを託した手紙を墓の近くにある壁の窪みに差し込んでいく人も現れた。やがて、遠方からも手紙が届くようになり、ソリマーニは「激しく泣きじゃくる人びとを慰めるために」、ジュリエットになりきり、返事を書き始めた。そのうち、ソリマーニに直接宛てた手紙が届きはじめ、“ジュリエットの秘書”が確立していった。 ジュリエット・クラブが設立されたのは1972年。ジュリオ・タマッシアらが街の歴史を保存するために始めたが、1980年代後半、途絶えていた“ジュリエットの秘書”を復活させるために返事を書ける人を探していた文化委員が、タマッシアに声をかけ、ジュリエット・クラブが“ジュリエットの秘書”の仕事を担うようになった。当初は市からの援助はなかったため、タマッシアはヴェローナに留学していた、フランス語、英語、スペイン語に堪能なメキシコ人留学生に声をかけ、返事を再開した。さらに女性二名が参加し、手紙を返信するだけのオフィスが設けられた。 ◇ 映画『ジュリエットからの手紙』公開記念 クレアの恋の悩みの手紙に返事を書いて、イタリア旅行を当てよう! ベストレターの発表(1等、1組2名様、イタリアツアー、添乗員同行) 鹿児島県 原口様 親愛なるクレア様 突然の手紙に驚かれたのではないでしょうか。 あなたは覚えていますか? 50年前、私に手紙を送ってくれたことを。 こんなに時が経った今、返事を差し上げることを正直迷いました。 あなたが小さな胸を痛め、ロレンツォへの想いを打ち明けてくれた、そう、あの手紙です。 どういうわけか、ワタクシの手元に届くのに、50年もの時がかかってしまったのです。 その間、あなたにどんな人生と変化をもたらしたのか、そしてあなたは何を考え、今を生きているのか。 この手紙が、なぜ今になってワタクシの手で封印を解かれたのか、そこに不思議な縁を感じずにはいられないのです。 そして、この返事があなたに届いたならば、小さな奇跡の始まりではないでしょうか。 愛する人との約束を果せなかったあなたは、さぞや自分を責めて生きてきたことでしょう。 50年前、あなたは約束の木の下に、小さな恋の種を蒔いてきたのです。 ロレンツォを想い、悩み苦しみ、迷ったあなたの想いは、確かに、あの場所で生きていたはずです。 その小さな種は、風に飛ばされ、はかなく消えたかもしれません。 いいえ、もしかすると、幾年もの時を越えて、大地に育まれ、儚げな花を咲かせているかもしれません。 あなたの想いは、あの場所で確かに息づいていたのです。 あなたの心の片隅に、その小さな種の行方を知りたいという想いがあるなら、もう一度、あの場所から始めなくてはなりません。 時間の流れは時に残酷です。 けれど、愛を知り、痛みを知った今のあなたには、また違った形で、当時を振り返ることができるはずです。 愛の都、ヴェローナより、 あなたの幸せを願っています。 ジュリエット 映画 『 ジュリエットからの手紙 』 予告編 ※ 東宝シネマズモレラ岐阜 7/9(土)〜7/22(金) 7/22 17:40〜19:35
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『 小川の辺 』 (2011年)(東映) 「真夏のオリオン」「つむじ風食堂の夜」の篠原哲雄監督が、藤沢周平の短編小説を映画化した時代劇。同じく藤沢原作の「山桜」で篠原監督とタッグを組んだ東山紀之が主演。 藩命で妹の田鶴(菊地凛子)が嫁いだ佐久間森衛を討たねばならなくなった戌井朔之助(東山紀之)が、肉親の情愛と藩命の間で苦悩する姿を描く。朔之助の道中に付き従う若党の新蔵役で勝地涼が共演。 海坂(うなさか)藩士・朔之助は脱藩した佐久間を斬れと家老から命を受ける。しかし、佐久間はかつて剣の腕を共に競った仲間である上に、実妹・田鶴の夫でもある。逡巡の末、両親とも相談の後、朔之助は家名を守るために刺客となる決意をし、新蔵と共に佐久間と田鶴が潜伏する行徳宿に向かう。 臆せずに正論を堂々と説いた直情の人・佐久間森衛 佐久間は飢饉に苦しむ農民を救おうと、藩の農政を真っ向から批判する建白書を藩主に提出する。だが海坂藩主、必ずしも名君ならず。逆に、佐久間を疎んじ処分を下す。藩主の逆鱗に触れた佐久間は、ついに脱藩。妻・田鶴もこれに付き従った。 朔之助と新蔵の気の重い道中。緑深い森や山、澄み切った川の流れ。豊かな自然を背景に、人の世のむなしさが漂う。 「急ぐことはない。ゆっくり行こう」と、朔之助が新蔵に洩らす。 「小川の辺」に始まり、「小川の辺」に結実する慕情 幼い頃、朔之助・田鶴そして新蔵は、まるで三人兄妹のように遊んでいた。ある日、小川の辺で朔之助は釣をしていたが、急に雲行きが悪くなる。朔之助は、中州で遊んでいた田鶴に、すぐに岸に戻れと叫ぶ。だが、日頃から兄への対抗心の強い田鶴は、中々云うことを聞かない。やがて、激しい雨となる。それでも、強情な田鶴は内心では怯えながらも中州に留まる。腹を立てた朔之助は、わざわざ中州まで渡り、田鶴の頬を叩く。ますます、岸に戻れなくなった田鶴は泣くばかりだった。その時、新蔵が田鶴の元へと腰まで水に漬かりながら助けに向かう。朔之助も続こうとするが、「お兄さまはイヤッ」と言う田鶴の甲高い声が響く。 田鶴が佐久間に嫁ぐ前日、ある出来事が倉の中で … 行徳宿へと向かう道中で舟で川下りをする朔之助と新蔵は、川岸に遊ぶ三人の子どもを見かける。それはやがて、朔之助・新蔵の二人に、幼い頃の「小川の辺」での懐かしい記憶を蘇えらせた。 行徳宿に着いて、新蔵の探索の日々が続いた。やがて、佐久間と田鶴の居場所をつきとめる。それは、まさに「小川の辺」の粗末な小屋であった。買出しの日には、田鶴が小半時は戻らぬことを確かめた上で、佐久間に勝負を申し入れた。それは田鶴に、兄と夫との決闘を見せたくないと云う、新蔵の配慮だった。そして、何よりも田鶴を争いに巻き込みたくない新蔵の本心でもあった。 勝負は決し、主命は果された。懇ろに遺体を小屋に安置する朔之助。田鶴が戻ってきはしまいかと案ずる新蔵。 果たして、兄と妹は小屋の前で再会する。「見過ごす訳にはまいりません」と、刀を抜き放つ田鶴。 技量の差も省みず、真っ向に切り込む妹の刃をかわしながら、朔之助は田鶴を川面に叩きつける。辟易の体で朔之助が川を渡ろうとすると、木橋の上で新蔵が鯉口を切って身構えている。「何のつもりだ」。言われて新蔵は、慌てて刀を納める。「田鶴を斬ったら、おれに斬りかかる積りだったか」。朔之助は、新蔵の想いを初めて諒解したのだった。 「田鶴を川から引き上げてくれ、お前でなければ駄目だろう … 」。 「新蔵は、海坂に戻るもよし、江戸に残るもよし、暫く二人で考えてみよ」。 (終わり) ◇ 東映『 小川の辺 』、山形先行上映 好調なスタート(6月23日) 6月18日から山形県内6館で、東映配給『 小川の辺 』が先行公開され、土日2日間で動員数6401人・興行収入742万3900円という成績をあげた。 オープニング2日間の山形県での興行成績としては、同じく藤沢周平原作の「必死剣鳥刺し」(2010年7月10日公開・最終興収4.8億円)対比で349.8%となっている。 18日には、MOVIE ONやまがたにて20回、19日にイオンシネマ三川・ワーナーマイカルシネマズ米沢・山形ソラリス・鶴岡まちなかキネマで行われた分と合わせて2日間で計25回もの舞台挨拶が実施された。事前にすべての回のチケットが完売するなど、大変な盛況ぶりだった。 (7月2日から全国で公開) ◇ 尾野真千子『 小川の辺 』で献身的な妻を熱演(5月25日) 女優の尾野真千子が、東山紀之の主演映画『 小川の辺 』で、映画では初の時代劇に挑戦している。主人公・戌井朔之助の妻、幾久を演じ、健気で献身的な姿をみせている。尾野が演じる幾久は、過酷な運命を背負わされた戌井家を憂い、夫の留守中、義父母の心の支えとなるよう献身的に振舞うという役どころ。 NHK大河ドラマ「義経」で義経の正室・萌に扮した経験はあるが、意外なことに映画では初の時代劇となる。今年は野村萬斎主演作「のぼうの城」にも出演しているが、同作の公開が来年に延期されてしまったという経緯もある。 ※ 朔之助が海坂への帰路につく頃、今年は中々花をつけなかった庭木にやっと 河瀬直美監督作『萌の朱雀』に、主演で銀幕デビューを果たして以来14年。現在は、ヒロインに抜擢された2011年後期のNHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の撮影に入っている。フジテレビ系で放送中の連続ドラマ『名前をなくした女神』にも出演しており、お茶の間での知名度も急上昇。今作は、映画を活動の主軸に置く尾野が真骨頂を発揮する骨太な作品といえる。 ※ 東宝モレラ岐阜 2011/07/11 14:35〜16:25 Screen 5 |

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