旧 東京倶樂部★CLUB TOKYO:平成館

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【2017年/中国/123min.】
戦いで、同僚の俞飛を犠牲にし、恋人・小雲をも失い、特殊部隊・戦狼を除籍された冷鋒は、
国を去り、一人アフリカへ。

それから3年。
すでにこの地にも慣れ、気ままに楽しく過ごしてるかのように見える冷鋒だが、
小雲失踪の鍵を握る銃弾を肌身離さず胸元に付け、犯人への復讐を忘れることはなかった。
そんなある時、いきなり反政府ゲリラによるクーデターが勃発。
市街地で激しい銃撃戦が起き、一般市民からも犠牲が続出。
冷鋒は、実の息子同様に面倒を見ているアフリカ人少年・トゥンドゥを連れ、
中国政府が差し向けた船で、アフリカから避難しようとするが、トゥンドゥが泣いて乗船を拒否。
工場に閉じ込められている母親を置いて、中国へは行けないと言うのだ。
確かに、避難できずに恐怖に怯えている人々は数多く居れど、
現状では、地元政府は何も出来ないし、中国の人民解放軍も、国連の承認無しには動けないという。
元戦狼の誇りに突き動かされた冷鋒は、
自ら人々の救助を申し出て、たた一人で危険な占領地域へ向かい…。



2017東京・中国映画週間で、金鶴獎(ゴールド・クレイン賞)受賞イベントの後に上映された、
同映画祭、本年度の一押し作品。

アクション俳優として超有名な吳京(ウー・ジン)が監督&主演。

原題は『戰狼2〜Wolf Warriors2』。
“2”と言うくらいだから、“1”も有る。

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2015年発表の前作『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ 傭兵部隊vsPLA特殊部隊』は、
日本でも2016年にDVDが出ているけれど、私はまったく興味が無いジャンルで、未見。

続編のこちらも、私好みの作品とは思えないのだけれど、取り敢えず、観ておきたかった。
なぜなら、これ、中国で興行記録を塗り替える大ヒットとなり、
「スゴイ愛国映画が出てきた!」と、その噂は日本にも伝わり、
早い内からアクション映画や中華映画のファンを中心に注目を集めた話題作。
私も、仕舞いには、どう凄くて、どれ程度愛国的なのか、自分の目で確かめたくなった。
で、どうせなら、この手の作品は大スクリーンで体験したいので、中国映画週間で鑑賞。




作品は、特殊部隊“戦狼”を除籍された男・冷鋒が、
失踪した恋人・小雲が残した弾丸を手掛かりに、アフリカへ流れ着き、そこで気ままに暮らしていたある時、
現地でクーデターが勃発し、国は大混乱に陥るが、
元戦狼の冷鋒が、危険を顧みず、自ら激戦地帯へ身を投じ、
そこから人々を脱出させようと奮闘する姿を描くアクション映画

前作を観ていないので、よく分からないのだけれど、
主人公の冷鋒は、義侠心から事件を起こし、仲間や恋人・小雲を失い、
所属していた特殊部隊・戦狼も除籍され、人生のドン底で、アフリカに流れ着き、
3年が過ぎ、今は気ままに暮らしているように見えるが、
実は、小雲失踪の手掛かりとなる弾丸を肌身離さず持ち歩き、犯人への復讐を心に誓っている男のようだ。

そんな折り、“紅巾軍(レッド・スカーフ)”と呼ばれる反政府ゲリラが、一般市民をも巻き込む暴動を起こす。
アフリカにも大勢の中国人が居るわけだが、
人民解放軍は、国連の承認無しでは、他国の戦乱に介入できない。
在アフリカ中華人民共和国大使館も、外交ルートを使って、事態を収めようとするが、こちらも上手く行かず。

中国人たちは、中国政府が差し向けた船で、アフリカを脱出することになり、
冷鋒も息子のように可愛がっているアフリカ人少年・トゥンドゥを連れ、乗船しようとするのだが、
そこでトゥンドゥが、「工場で働いているお母ちゃんを置いて、中国へ行くのなんてイヤだ…!」と号泣。
これを機に、元・戦狼の正義感に火がつき、
「よーし!母ちゃんのことは任せろ!俺が皆を救ってみせるっ!」と、
冷鋒は単身敵の占領地帯へ飛び込んでいくことになる。

あとはもう戦いに次ぐ戦い。
銃弾がガンガン飛んできたり、戦車にドドドーッと追われたり、ただでさえ大変なのに、
冷鋒は死に至る“ラマンラ”なる奇病にまで侵されてしまう。
ラマンラ?何ソレ?初耳と、私、帰りの車中でググっちゃいましたよ。
どうやら架空の伝染病みたいですね。
だから、冷鋒も、パーシャという特殊な抗体を持つアフリカ人少女の血を打ったら、都合よく回復。




特殊部隊“戦狼”を除籍され、アフリカに流れ着いた男・冷鋒を演じるのは、吳京(ウー・ジン)

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日本でも人気のアクション俳優・吳京は、『狼牙 ライジング・フィスト』(2008年)で監督デビューし、
2本目の『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ 傭兵部隊vsPLA特殊部隊』に続き、
本作品が3本目の監督+主演作にして大ヒットを記録。
李小龍(ブルース・リー)にしても、成龍(ジャッキー・チェン)にしても、甄子丹(ドニー・イェン)にしても、
アクション俳優は、自分の理想のアクションを極めるために、
自らの手でアクション映画を監督したくなるものなのでしょうねぇ、多分。
この『戦狼』は、おなかいっぱいになるほど、吳京と吳京のアクション満載で、
あぁ、吳京は自分の想いを全部ここに詰め込んだのだなぁ〜と思った。
他の監督が手掛けた作品の中でも、吳京はもちろん凄いアクションを披露してはいるけれど、
ここまでの“吳京堪能映画”は、かつて観たことがない。

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吳京に代わり、「ファイト、一発!」と叫びたくなるシーンしばしば。

基本的には、常に着衣状態なのだが、脱いだらやっぱりスゴかった。

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若いイケメン俳優が、入浴やベッドシーンで脱ぐことを、よく“サービス・シーン”と称するが、
最近、私は、年のせいか、そういう脂っこいのが全然ダメで、見ているだけで、胃もたれしちゃって、
「サッサと服着てくれ…」と心の中で呟いてしまうことが多いのだけれど、
四十男の吳京が、アフリカでも故郷のお酒・茅台酒(マオタイ酒)をかっくらい、
気分良くなって、服脱いで、サッカーしているシーンには、どういう訳か、目が釘付け。
茅台酒飲んでいる地味顔の中年男と、鍛え抜かれた無駄の無いボディという落差に、ギャップ萌えでしょうか。



脇を固めるキャストも見ておきます。

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セント・フランシス病院に勤める医師レイチェル・スミスに盧靖姍(セリーナ・ジェイド)
アフリカの中国系工場の工場長を務める卓亦凡に張翰(チャン・ハン)
その工場で保安隊長を務める退役軍人・何建國に吳剛(ウー・ガン)
最大の敵となる傭兵隊長、通称“ビッグ・ダディ”にフランク・グリロ等々…。


男臭い戦いの物語で、そこにちょっと色を添えているのが、女医・レイチェル。
扮する香港明星・盧靖姍は…

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成龍(ジャッキー・チェン)の『スネーキー・モンキー 蛇拳』(1978年)、
李小龍(ブルース・リー)の『死亡の塔』(1989年)などに出演しているアメリカ人俳優、
ロイ・ホラン(Roy Horan 羅伊·霍蘭)の娘。

盧靖姍は、初めて出た映画が、吳京初監督作品『狼牙 ライジング・フィスト』という御縁で、
本作品でも、女性の中で一番重要な役で起用。
香港は、こういうハーフ顔の女優さんが結構多いので、
正直言って、私は本作品で盧靖姍を見ても、印象があまり残らず、
彼女だけが持つ他とは違う突出した“何か”という物は、ほとんど感じられなかった。
でも、英語と中国語が共に流暢というのは強みだし、
この『戦狼』が大ヒットしたから、これから活躍の場がどんどん広がっていくでしょうねぇ〜。


他の出演者では、アメリカのフランク・グリロは、
普段中華圏の作品を観ない日本人には、“本作品一番の大物キャスト”か…?
悪役を憎々しく演じております。


私が気になったのは張翰。
張翰と言えば、口数の少ない硬派、品性漂う御曹司といった、正統派二枚目路線できた俳優である。
本作品で演じている卓亦凡も、裕福な家庭で育ったお坊ちゃまなので、
その点は、これまでの張翰のままなのだが、
“育ちの良さが滲み出ている貴公子キャラ”ではなく、あちらで“富二代”と揶揄されるようなバカ息子なの。
もっとも、その後、冷鋒に触発され、正義に目覚め、共に戦うことになるのだけれど。
そう言えば、“亦凡”繋がりで、元EXOの人気スタア吳亦凡(クリス・ウー)が
『ロクさん』(2015年)で演じたのも、この手のバカ息子であった。

張翰は、ちょっとしたイメチェンを計った出演作が大ヒットして、成功だったと言えよう。
ただ、これまであまり張翰出演作を観たことの無い日本人女性が、
本作品を観て、いきなり張翰オチするとは考えにくい。
襟足&モミアゲは軍隊仕様のスッキリ刈り上げなのに、前髪だけふっくらボリューミーな髪型がビミョーで、
本作品における張翰のイケメン度は低め。





想像以上でも以下でもナシ。
事前に漠然と予期していた通り、どきどきハラハラの連続で、鑑賞の時間は楽しめても、
決して自分好みの作品ではなかった。
林超賢(ダンテ・ラム)監督の『オペレーション・メコン』(2016年)と近いニオイを感じるので、
あちらが好きな人は、こちらも好きかも。

私がこの映画で一番気に入ったのは、エンディングのメイキング映像かも。
周囲に気遣いをする吳京の、明るく優しいお人柄が伝わってくる映像で、これ観ると吳京にホレる。

“愛国映画”という表現に関しては、えっ、これ程度で?って感じ。
これ、戦火の広がるアフリカで、正義の名のもと大活躍する人民解放軍を英雄視する物語などではないのヨ。
それどころか、映画の中のアフリカでは、人民解放軍も在アフリカ中国大使館もお手上げ状態。
軍隊のような政府の大組織が傍観するしかない中、
たった一人で、危険地帯に飛び込んで行く一民間人のお話なので、“愛国映画”という印象とは違うかナ、と。
アメリカ人が好むヒーロー物に近いかも。
(まぁ、アメリカ人も、とかく愛国的と言われるが。)

強いて、愛国的な部分を挙げるなら…

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終盤、主人公・冷鋒が救助した人々を引き連れた主人公・冷鋒が、
腕に五星紅旗を巻き付け、封鎖地区に入っていく所とか…?
ただ、こういう風に「我々は敵国の人間ではありません、撃たないで!」と訴えたい場合は、
友好国である自国の国旗か白旗を掲げるのが妥当だろうから、これも“愛国的”とは言い切れない。

最後の最後、中華人民共和国のパスポートが映し出され、
「あなたがもし海外で危険に晒されても、諦めないで!
どうか覚えていて下さい、強い祖国があなたを守ってくれる事を」といったテロップが流れる所が、
強いて言えば、一番愛国的。
(実際には、中国のパスポートに、このような記述は無いとのこと。)

でも、せいぜいそれ程度のものなので、もっと愛国的なプロパガンダ映画を期待していると、肩透かしを食らう。
私は、例えば、馮小寧(フォン・シャオニン)監督の『超強台風』(2008年)などの方が、
余程愛国プロパガンダ臭が鼻についたけれど。
ちなみに、『超強台風』の主演男優は、日本で“ウー・ガン”と紹介されているが、
本作品に出演の“ウー・ガン(吳剛)”とは別人の“ウー・ガン(巫剛)”ですので。
日本の映画配給会社は、いい加減、華人の名前をカタカナで表記する悪習を改めて欲しい。
それは、日本語字幕の中でも同じ。

それにしても、中華圏では、よくまあ次々とスタア級のアクション俳優が出てくると感心する。

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成龍が還暦でおとなしくなっても、甄子丹が大活躍し、今こうして吳京がガーッと登り詰めてきているけれど、
そのすぐ次には、張晉(マックス・チャン)や吳樾(ウー・ユエ)等が控え、
釋延能(シー・ヤンネン/シー・イェンノン)や王寶強(ワン・バオチャン)といった“リアル少林僧”もいる。
吳樾は、日本の映画ファンの間では、まだ認知度が低いようにも見受けるが、
葉偉信(ウィルソン・イップ)監督作新作『殺破狼·貪狼〜Paradox』に、
古天樂(ルイス・クー)、林家棟(ラム・カートン)と並ぶメインキャストとして出演しているので、
そろそろ日本にも吳樾の時代が来そう…、と密かに予想。


参考までに、2017東京・中国映画週間ゴールド・クレイン賞授賞式については、こちらから。

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