旧 東京倶樂部★CLUB TOKYO:平成館

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【2015年/中国/117min.】

新進気鋭の監督5人による、世界5都市を舞台にした5話から成るオムニバス映画
一監督一都市の担当で、その街を舞台に繰り広げるラヴ・ストーリーを描く。

日本で名の知れた監督はいないけれど、
監修しているのは、香港の關錦鵬(スタンリー・クワン)、台湾の魏聖(ウェイ・ダーション)、
そして日本の岩井俊二とお馴染みのベテラン。
出演者も、大陸と台湾を中心に豪華な顔ぶれ。
他にも、撮影指導で、香港の余力為(ユー・リクウァイ)や關本良(クワン・プンリョン)等が関わっていたり、
テーマ曲を日本の梅林茂が担当と、裏方さんも立派。

以下、一話ずつ簡単にチェック。

★ 第1話:チェコ・プラハ編

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チェコ・プラハ、3℃。
仲間とグルでひったくりを繰り返しているピーター。
その日も、毎度の手口で、中国人女性に話し掛け、その隙に、仲間が彼女のバッグをひったくり逃走。
ピーターも走り去ろうとするが、紫桐というその被害女性にしつこく追われ、捕まってしまう。
紫桐は、何がナンでもあのバッグを返せと迫ってくるが、もはや所在知れず。
根負けしたピーターは、彼女と一緒にバッグ探しをすることになるが…。



文牧野(ウェン・ムーイエ)監督作品。
出演は、ひったくりの常習犯・ピーターに鄭開元(チェン・カイユアン)、被害女性・紫桐に楊冪(ヤン・ミー)。

犯人のピーターが根負けし、バッグ代を払うと言っているのに、
「絶対にあのバッグじゃなきゃ駄目!」と紫桐が固執する理由が、後半明らかに。
一つ一つに都市名が刺繍された小さな巾着袋に遺灰を入れ、
亡き父に代わり、世界中を旅するというアイディアは良し。

主演の鄭開元は、『共犯』(2013年)で注目され、澤東に所属するようになり、
事務所の先輩・張震(チェン・チェン)に続く台湾期待の星に成り得るか?!と動向を気にしていたのに、
この『恋する都市』以降の活動がおとなしい。どうしたのかしら…?

★ 第2話:中国・上海編

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中国・上海、5℃。
女性シェフの江小北は、フレンチ・レストランをオープンしたものの、話題性に欠け、客足もまばら。
対策に苦慮していた時、有名な料理研究家の周昌健が来店。
「物語が必要」という親友の言葉を思い出し、
コルドンブルーで修業したムッシュ・フランソワという男性がシェフだと、ついつい嘘をついてしまう。
料理を気に入った周昌健から、改めて取材の申し込みが来たから、さあ大変。
江小北は、嘘がバレぬよう、ジャックという自称俳優の美男子を身代わりに雇うことにする。


監督の董潤年(ドン・ルンニエン)は、
馮小剛(フォン・シャオガン)監督作品『ロクさん〜老炮兒』(2015年)の脚本を手掛けた人。
出演は、女性シェフの江小北に江疏影(ジャン・シューイン)、
シェフ役に雇われる謎の青年・ジャック・フォスターに李鉉在(イ・ヒョンジェ)。
他、江小北の親友役で李夢(リー・モン)も出ていた。

料理の腕は良いが、自分では話題にならないから、表に身代わりの別人を出す
“ゴースト・ライター”ならぬ、“ゴースト・シェフ”のお話。
その主人公・江小北がレストランを開いたのは、片想いの男性に、自分の料理を食べてもらいたいがため。
そんな江小北の前にふと現れ、彼女に一歩踏み出す勇気を与え、またふと去って行くジャックは、
天から舞い降りてきた天使のようであり、『タンポポ』(1985年)の山崎努のようでもあり。

★ 第3話:フランス・パリ編

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フランス・パリ、2℃。
恋人の浮気現場を目撃し、呑んだくれ、急性アルコール中毒になり、病院へ運ばれた劉暢。
なんとか体調を回復させた劉暢の前に、ヴァネッサと名乗る美女が現れ、いきなり彼にキス。
積極的なヴァネッサに誘われるがまま、劉暢は彼女が運転するバイクで、夜の街に繰り出すことに。


監督の韓軼(ハン・イー)は、1983年生まれの女性。
出演は、恋人に裏切られた青年・劉暢に黃軒(ホアン・シュエン/ホアン・シュアン)、
劉暢が出逢う謎の美女、VanessaZhang(ヴァネッサ張)に張榕容(チャン・ロンロン)。

韓軼監督が意識したのは、『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)や、
『恋人までの距離(ディスタンス)』(1995年)、『ビフォア・サンセット』(2004年)等だと言う。
確かに、異国の街で出逢った二人の男女が共に過ごす一夜の物語という点では、後者2作品、
そこにさらにファンタジー要素が加わった点では、前者を彷彿させる。
見ていてムズ痒くなるような、ひたすらロマンティックな物語を想像していたら、意外にもユーモアあり。
強い女性に押し切られてしまう、どこか情けなく素っ頓狂な青年・劉暢を演じる黃軒がキュート。
なお、主演のこの二人は、日本で、もう直、別の作品、『空海 KU-KAI』の公開を控えている。

★ 第4話:日本・小樽編

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日本・小樽、−3℃。
新婚旅行で北海道にやって来た小江と阿全。
これから楽しい旅が始まろうと期待が膨らむその時、阿全が勤める会社の社長から電話が入り、
北海道でしか手に入らない魚の干物を買ってきて欲しいと頼まれてしまう。
新婚旅行は一転、幻の干物探しの旅となり、二人の仲も徐々に険悪に…。


1973年生まれの女性監督、傅天余(フー・ティエンユー)は、5人の中で唯一の台湾出身者。
私も好きなドラマ『探偵物語〜偵探物語』の脚本を手掛けた人である。
出演は、新婚の妻・小江に江一燕(ジャン・イーイェン)、
夫・阿全に張孝全(ジョセフ・チャン改めチャン・シャオチュアン)。

“成田離婚”ならぬ“北海道離婚”に陥りそうになった新婚夫婦が、紆余曲折を経て、絆を確認する物語。
妻の小江は、どうやら岩井俊二の『Love Letter』(1995年)に触発され、
北海道への新婚旅行を夢見ていたようだ。
この旅行に思い入れたっぷりだから、色々と調べ、綿密にスケジュールを組んだのに、
上司に「NO」が言えない夫・阿全のせいで、全てを台無しにされてしまう。
最後に登場する日本人老夫婦が、「私たちの新婚旅行はハワイでしたねぇ〜」と言いながら、
まるで仕込んでいたかのように、レイやアロハを瞬時に取り出したのは、インチキ手品師みたいで、苦笑。
あとね、細かい事を言ってしまうと、日本で、ハワイが庶民の定番の新婚旅行先になったのは、
あの老夫婦よりほんのちょっと下の世代のはずなので、日本人観衆的には、設定に説得力が欠けた。
あの老夫婦くらいだと、新婚旅行は、熱海辺りに設定しておけば、無難。

★ 第5話:イタリア・フィレンツェ編

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イタリア・フィレンツェ、10℃。
別れた元恋人の結婚式に招待され、フィレンツェにやって来た嫣然。
何でも屋の青年・小麦を、ガイドに雇ったものの、遅刻はするし、車もオンボロ。
それでも小麦以外にツテの無い嫣然は、
結婚式に同伴する“ニセの恋人”役に、パーフェクトな男性を手配するよう頼むが…。


最終話を手掛けた冀佳彤(ジー・ジアトン)も女性監督。
出演は、結婚式参列のためイタリアへやって来た女性・嫣然に白百何(バイ・バイハー/バイ・バイホー)、
彼女に雇われた何でも屋の青年・小麦に阮經天(イーサン・ルアン)。
あと、終盤、嫣然をフッた元恋人役で、尹子維(テレンス・イン)がチラッと登場するサプライズ。

自分をフッて、若い女の子と結婚する元恋人に、「私の方がもっと幸せヨ!」と見せ付けるため、
見栄を張って完璧な男性を同伴しお式に参列しようとするが、
最終的に、男の真価は、学歴や収入だけでは計れないと気付く女性を描く、まぁ有りがちな物語。
スケジュールをガッチガチに組み、その通りに行動しようとする女性と、
良く言えば柔軟、悪く言うといい加減な男性を描いているという点では、第4話の北海道編と近い。





タイトルがチャチィ恋愛エンタメ映画を想像させる上、苦手な魏聖が関わっているため、
まったく期待していなかったという事情もあり、意外と楽しめた。
一話だいたい20分程度なので、物語を深く掘り下げるのは困難だし、強引な展開も多いけれど、
サラーッと軽く鑑賞するものだと割り切れば、悪くない。
五監督五様の表現を見比べている内に、飽きることなく2時間経過。
5本バラバラのオムニバスだと思っていたら、実は最後に作品同士を繋ぐちょっとしたオチあり。
(北海道編を観ている時、いきなり干物の話が出て、「…ん?あら…??」と感じるものはあった。)
5本の内、一番のお気に入りを挙げるなら、うーン、そうねぇ、フランス・パリ編かしら。
最もファンタジー色が強いという作品の特徴に惹かれたと言うより、
ちょっと間抜けな感じの主人公を演じる黃軒がお茶目で魅力的であった。

日本語字幕での人名の表記は、最初だけ“漢字+片仮名ルビ”で、2回目からは漢字だけ。
これが古い方式に縛られている作品だと、最初だけ“漢字+片仮名ルビ”で、2回目以降片仮名だけになるが、
私には、そうするメリットがまったく分からないので、本作品の日本語字幕の方がずっと親切で良いと評価。

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