旧 東京倶樂部★CLUB TOKYO:平成館

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【2018年/中国・香港/99min.】
ヲタク青年の李浩銘は、
ある日、まるでアニメの中から飛び出して来たような理想の美少女・蘇儀と偶然出逢い、一目惚れ。
…が、実は、この出逢いは偶然などではなく、蘇儀の恋人・喬飛が仕組んだものであった。
闇の世界で暗躍する大物テロリスト・閆岳(もり・たけし)から仕事を請け負った喬飛だが、
この大仕事には、高度な技術を有するハッカーの助けが必要。
そこで目を付けたのが、
その昔、まだ学生時代、“斑馬(ゼブラ)”のハンドルネームで参加した世界ハッカー大会で、
喬飛を負かした最強のライバル、“海盗船長(海賊船長)”こと李浩銘。
喬飛と蘇儀の脅しにビビり、逃げようとする李浩銘だが、今度は香港警察の周正元が彼に接近。
「喬飛と組んで、犯罪の証拠を掴んでくれ。君の身柄は、我々が守る」と捜査協力を要請。
李浩銘は渋々喬飛と蘇儀に同行し、大仕事の舞台、マレーシアへ飛ぶことになるが…。



李海龍(リー・ハイロン)監督長編デビュー作。

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最近、大陸の映画監督は、垢抜けてカッコイイ人が多いですよね。
この李海龍監督は、1980年生まれ、北京電影學院の美術系動畫專業本科(アニメーション専科)卒。
蒙古族の著名監督・烏爾善(ウーアールシャン)に師事し、
これまでは主に広告の演出を手掛けてきた人みたい。

記念すべきデビュー作の原題は『解碼遊戲〜Reborn』。
邦題があまりにも違うので、危うくスルーしそうになったが、
そう、これ、2016年6月、第21回上海國際電影節(上海国際映画祭)で記者発表が行われた(→参照
“山P”こと山下智久の海外初進出作品である。

初海外で、新人監督の作品なんて、リスキーな選択にも思えるけれど、
本作品のプロデューサーは、『キャノンボール』シリーズや『ウィンター・ソング』(2005年)等々、
これまで中華圏のヒット作も数多く手掛けてきてるアンドレ・モーガン。
つまり、山Pにとっては、結構手堅い選択だったのかも知れない。

で、山Pは、訪中したり、微博にアカウントを開設するなど、プロモーションにも頑張っていたが、
「退社した元SMAPの女性マネージャーが取ってきた仕事だから、
これをヒットさせるわけにはいかないと、ジャニーズ事務所上層部が日本公開に難色を示している」
などという噂が、まことしやかに流れていたため、
もしかして日本のスクリーンでは観られないかも…と、私は懸念。

でも、結局日本での公開に漕ぎ着けましたね。
まぁ、ジャニーズ所属タレントの初海外進出作品にしては、宣伝も公開規模もひっそりとしたものなので、
やはり、ジャニーズ事務所としては、あまり有り難くない作品なのだろうと想像している。
山P本人にはちょっと気の毒だけれど、とにかく日本公開となったので、私も早速鑑賞。




本作品は、かつてハッカー大会で競ったライバル、“斑馬(ゼブラ)”こと喬飛と彼の恋人・蘇儀に接近され、
脅迫されるままに彼らのサイバー犯罪に加担する羽目となったヲタクのプログラマー李浩銘が、
次第にさらに大きな犯罪事件に巻き込まれ、喬飛、蘇儀と力を合わせ、
最大の敵である大物テロリスト閆岳に挑んでいく姿を描くクライム・アクション映画

さらに簡単に説明すると、ハッキング能力を買われてしまったがばかりに、サイバーテロに巻き込まれ、
テロリストと死闘を繰り広げる羽目となったヲタク青年・李浩銘の物語、…って感じ。

李浩銘の能力を見込んで、彼に仕事を手伝わせようと試みる喬飛は、
学生時代、世界ハッカー大会で、李浩銘に負けた“斑馬(ゼブラ)”というハンドルネームを持つ男。
李浩銘が、二次元美少女好きなのを知った上で、自分の恋人・蘇儀にコスプレさせ、彼に接近させる。
能天気な李浩銘でも、さすがに喬飛&蘇儀が危険な裏社会の人間だと気付き、逃げようとするが、
今度は香港警察の周正元がコンタクトしてきて、「君の身は守るから、捜査に協力してくれ」と頼まれ、
渋々喬飛&蘇儀とチームを組み、サイバー犯罪に加担。

この喬飛&蘇儀は、単独で犯罪を犯しているのではなく、
閆岳(もり・たけし)という大物テロリストとのコラボでお仕事をしている。
ところが、協力者であるはずの閆岳が裏切り、暴走。
閆岳という共通の敵ができたことで、李浩銘、喬飛、蘇儀3人の結束は強まり、
共に閆岳という大きな悪に立ち向かうことになるのだが、ここで新事実発覚。
なんと、喬飛はただのハッカーなどではなく、
実のところ、ユーロポール EC3(欧州サイバー犯罪センター)の捜査官で、
悪名高き閆岳の尻尾を掴むため、身分を偽り、接近していたのだ。
このように、二転三転しながら、現代ならではのサイバー犯罪を描く娯楽作品。


ハッキングやサイバー犯罪と聞き、私が真っ先に思い浮かべる比較的身近な事件は、
個人情報を得て、お金を盗むこと。
最近、うちの父も、普段まったく使っていないクレジットカードから、
少額を繰り返し抜き取られるという目に遭った。

本作品の後半で描かれるサイバー犯罪は、もっと大規模なもの。
オアシス2.0という新OSを乗っ取り、世界中の交通網を麻痺させるの。
近未来交通は全てコンピューター制御されているので、電車も飛行機も滅茶苦茶になってしまう。
そんな事をして、何が面白いのか?閆岳はただのサイコパスか?と疑問に思ったら、
実は、ヨーロッパ金融界の大物CEO4人を乗せた飛行機を墜落させ、
ユーロの大暴落を引き起こすのが、彼の目的であった。
交通システムを掌握すると、世界経済も牛耳れるというワケ。

そこまで大胆な犯罪は、私にとっては無縁だけれど、もっと身近で現実味を感じられる描写も。
この映画の中には、自分のスマートフォン上で、他人の自動車のハンドルを操作するシーンも描かれている。
これを見て、私、ちょっとゾッといたしました。
以前は、すっかりペーパードライバーになってしまった自分を悔やみ、
講習に通い直そうかと考えたこともあったのに、
近年は、「私の運転技術が復活するより早く、車の自動運転が一般化する!」と開き直り、
自分で運転する気がすっかり失せていたのだ。
でも、この映画を観たら、機械任せにせず、自力で運転した方が安全に思えた…。

もう一つ、映画を観ながら、ふと頭に思い浮かんだのが、お台場辺りを無人運転で走行するゆりかもめ。
悪い奴がその気になれば、運転システムを乗っ取り、満員のゆりかもめを暴走させ、
フジテレビ本社に撃墜させて、フジテレビ株を暴落させる事だって、可能かも?!
まぁ、そんな事は多分無いだろうけれど、
映画の中に描かれる非現実とも思えるサイバー犯罪は、案外有り得る近未来の姿なのかも知れない。




主な出演は、以下の通り。

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ヲタクなプログラマー李浩銘に韓庚(ハン・グン/ハンギョン)
李浩銘の腕を買い、仲間に引き込む喬飛に鳳小岳(リディアン・ヴォーン)
喬飛の恋人・蘇儀に李媛(リー・ユエン)
そして、世界の混乱を目論む大物テロリスト閆岳(もり・たけし)に山下智久


観て初めて知ったのだが、この映画は、韓庚主演作であった。
元SuperJuniorのメンバー韓庚は、
“韓国アイドルユニットを裁判沙汰になってでも脱退して独立し、成功した中国芸能人”のはしりである。
1984年生まれで、今年はもう35歳だって!時の流れは速い。あの韓庚がもう30代半ばとは。
この映画で演じている李浩銘は、“30代半ばのオトナの男”というイメージではなく、ヲタクなハッカー。
ハッカーと聞くと、暗い感じの変人を想像するけれど、李浩銘は呑気で善良なヲタ。
<ワンピース(中文タイトル:海賊王)>が好きで、
自分自身使っているハンドルネームは“海盗船長(海賊船長)”。
この映画では、カッコイイ韓庚というよりは、お茶目な彼を楽しめます。


この映画の“カッコイイ”担当は、むしろ喬飛役の鳳小岳である。
台湾とイギリスの混血で大人っぽく見えるけれど、実年齢は韓庚より年下の1988年生まれ。
東洋より西洋の血が強く出た顔立ちなので、演じられる役が限られてしまうという懸念もあったが、
『親友の結婚式』(2016年)にしても本作品にしても、その容姿と英語力を生かし、
“中国語も喋れる中国系イギリス人”といった訳回りで、順調に活躍していますね。


出演作の日本公開が少なく、日本での知名度が最も低いキャストは、紅一点の李媛であろう。
私が初めて彼女を見たのは、ドラマ『ハッピー・カラーズ 僕らの恋は進化形〜摩登新人類』
長身でスタイルが良いため、磨けば光るボーイッシュな美女という印象を受けた。
その後も、脇で出演している作品ならボチボチ観ていたけれど、
メインキャストで出演している本作品で久し振りにバッチリ見たら、
顔立ちといい背格好といい宋佳(ソン・ジア)にソックリ!こざっぱりしたナチュラル系美女かも、李媛。
でも、一般的に美女というのは、大人びていたり、若干男顔だったりするものである。

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だから、ツインテールの女学生ルックは、
アニメから飛び出た二次元美少女というより、ニューハーフの雰囲気で、まったく似合っていなかった…。
(↑この画像は、可愛く映っている物を選択。)


これら3人より、日本の観衆の注目度が高いのは、山P・山下智久であろう。
想像していたより出演シーンは少なかった。出演は主に終盤に集中。
扮する閆岳は悪役で、最後の大きな敵なので、登場の比重が終盤にあるのは、もっともであろう。

この閆岳は、アレンジした学生服のような、中国伝統の長袍のようなジャケットを身にまとっており、
テロリストにして、能面師という摩訶不思議な設定。
普段の山Pより貧相に見えると思ったら、実際、役作りのために6キロ落とし、さらに体毛まで剃ったという。
体毛はどうせ見えないのだが、山Pは、少しでも気味の悪い感じを出したくて、剃ってみたのだとか。
体毛剃りは、役作りの“隠し味”って感じでしょうか。
私が“普段より貧相”と感じたくらいだから、山Pが狙った役作りは上手くいったのかも知れない。
言語は、主に英語で、中国語も多少あり。
英語の発音矯正の先生についてレッスンしている姿を、以前日テレ『アナザースカイ』で見たけれど、
頑張っている成果はちゃんと出ており、とても自然な感じで台詞を口にしている。

役名の“もり・たけし”は、漢字で書くと閆岳”。エンディングにそうクレジットされている。
“岳=たけし””は分かるけれど、“閆=もり”は予想外であった。


他、お馴染み廖啟智(リウ・カイチー)が、香港警察の周正元役で出演。
廖啟智は、香港映画より、近年出演している大陸作品の方が、役が型に嵌っていなくて、良い味を出している。



ロケ地についても、ちょっとだけ触れておく。
華人による中国語作品なので、中国の都市を舞台にしているのかと思いきや、
物語が主に展開する地は、マレーシアのクアラルンプール。
他、上海、香港、ロンドン等も少し出てきて、約70日かけて撮影されたという。
スクリーンには各地の名所が映し出され、ちょっとした観光映画という感じ。

上海のシーンで印象的に登場するのは、こちら(↓)

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故ザハ・ハディド設計の凌空SOHO。
そのままカメラに収めるだけで、近未来を感じさせる建築。





主人公・李浩銘の性格が明るく、
アニメや漫画が好きなヲタクという設定であることも大きく関係しているけれど、
典型的な香港製クライム・アクションなどと比べ、大陸新世代の監督によるこれは、ライトで観易い。
アニメーションを学んだ広告出身の映像作家である李海龍監督の好みや特徴が出ているのでしょう。
アニメと広告という経歴が裏目に出た駄作かも…と、まったく期待せずに観たこともあり、
傑作と讃えないまでも、それなりに楽しめた。
ただ、山Pが出演していなかったら、やはり日本には入って来なかった作品、
もしくは、入って来たところで、シネマート新宿のスクリーン2で地味に上映されていたであろうと想像。
大きなスクリーンで鑑賞できたのは、山Pのお陰。
私が行った新宿ピカデリーでは…

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エントランスで、こんなディスプレイも。
山P出演作でなかったら、日本でこのような扱いはされなかったと思う。
ありがとう、山P。

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