縷々なヒトリゴト

日々溢れてくる想いの一片でも、目にしていただけるだけで、とても嬉しいです。

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性は自分のアイデンティティーの本質を構成する重要な一部であると思う。
それが先天的なものか後天的なものかという論議が生んだ悲劇のノンフィクションである。

排尿の際の痛みが理由で、包皮切除手術を施されることになった
ブルースとブライアンの幼い一卵性双生児。
最初に兄のブルースに施術されたのは全くの偶然であった。
そして、事故が起きる。彼は男性器を焼き焦がされ失ってしまう。
後に分かったことだが、この手術さえ全く不必要なものであった。

“性の分化は生物学的な要素より環境に優位性がある”
ジョン・マネー博士は自分の理論に固執した。
それまでは半陰陽(両性器を持っている、もしくは雌雄逆の性器を供えている)の
患者をテストケースとして症例データを収集していたが、彼は更なる追求を求めていた。
それを正常な性別で生まれてきた子供にも、
この理論を適応できるということを証明したかったのである。

そして、この2人は格好の素材として提供された。
まして、一卵性双生児である。
同じDNAと環境を持ちつつ、常に比較対象がある子供達は
彼にとっては最適の研究材料であった。

生まれつき男性でも、男性器を切除し女性器を与え、
女性名に変え、女の子として振る舞うような環境作りをすれば、
問題なく幸せに生きていけると、彼は頑なに信じていた。

果たして、1つの家族の崩壊と引き換えにしてまで、
彼の持論を広く一般化し、浸透させる必要が本当にあったのだろうか。
その当時でさえ、充分に反論はあったのだが、
彼は完全に否定する姿勢を崩さなかった。

その結果は、両親は常に自分達の選択が
正しかったんだと思うストレスにより精神状態は常に不安定で、
弟のブライアンも両親ははブレンダにかかりっきりで、
双子であるのに自分が愛情の対象から外れていると感じていた。
そして、当然のごとく悪へと手を染めていく。

以上のように、マネー博士は生身の血の通った人間と
その周囲の人々の一生を使って彼は持論を正当化しようとした。
あくまでも、彼の個人的な自己研究確立のためとしか思えない。

20代に足を踏み入れるとほぼ同時に親となり、
人並みの教養も与えられなかった幼い夫婦に、
その時点で一体、何が判断できただろう。
子供に幸せになってほしいと願い、愛し、
藁をもつかむような思いですがりつく親の気持ちを利用した、
ただの人体実験に過ぎなかった。

ブルースは自分の意思とは全く関係なく、
性転換手術を施され、新しくブレンダという名を与えられ、
ドレスや人形に囲まれながら、女の子として育てられることになった。

しかし、DNAに組み込まれた彼の男性性は
幼い頃から違和感を感じ、叫び声をあげていたのに、
耳を傾ける者は誰もいなかった。
むしろ、彼に理想の女性性を植え付けようと、
洗脳に近いやり方で調教してさえいた。

総ては、ジョン・マネー博士個人の
理想的な研究結果としての生き証人としてだ。

そして、悲劇は続く。
彼は持論が正しいという研究結果として、
ブレンダの例をいかにも成功したかのように世間に発表した。
同じような不幸な症状・環境を持って産まれた子供にまで、
最悪の前例を与えてしまった。
また、彼の理論は当時のフェミニズム運動にも、
理想的なケースとして合致していたのだ。

ここで問題なのは、彼自身の意思が全く除外されていることである。
ある程度判断できるまで成長し、自分の人生を決めるに当たって
性器のない男性として生きていくか、
機能しない偽の男性器を作り生きていくか、
性転換して女性として生きていくか、
いづれも辛い選択肢ではある。
それでも、本人が自ら納得して決められていたことならば、
悲劇は続くことはなかったように思えて仕方ない。

彼が言っているように、
例え、両手両足を切断されても自分の性は主張できるのに、
性器がないだけでそのアイデンティティを
根こそぎ奪われるのは間違っていると思う。
男性の方がより多く共感できるのではないだろうか。

真の意味でのジェンダー・フリー(性差別解放運動)とは、
男性性と女性性を等しくすることではなく、
その違いを認め合い、補い合うことだと私は思う。
                          

閉じる コメント(6)

これ、ノンフィクションですか?自説を証明するために、他人を犠牲にするなんて。。。

2005/9/27(火) 午後 1:55 [ - ]

sugarさんこんにちは!何てひどい話なんでしょう!!怒りを覚えます・・・。

2005/10/13(木) 午後 5:07 [ NYANKORO ]

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これはすごい本ですね。このようになってしまったという出来事はまさしく不幸なことではありますが、この出来事があった故に人は性というものに対する大きな智を手に入れたことは間違いないでしょう。なれば、この不幸な出来事を不幸であったというだけに終わらせないためにも、この智はもっと語られなければならないと思います。

2006/3/31(金) 午前 0:15 tamuuuuu

YUKOさん>私もそう思います。いくら時代が違うとはいえ、あまりにひどい話だと思います。ノンフィクションです。

2006/3/31(金) 午前 0:32 しゅがー

nyanさん>私も怒りを覚えてしまいます。当人だったら、尚更でしょうね。

2006/3/31(金) 午前 0:33 しゅがー

田村さん>犠牲を犠牲だけで終わらせたくはないですね。このような本になっていて初めて知ることができた現実でした。

2006/3/31(金) 午前 0:34 しゅがー

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