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インド料理について、
「インドは日本で言うところの”カレー”ばかり食べていると思ったら大間違いであーる。」
なんてインド通は必ず言うんだ。
その場合、
「本場のカレーは単なる一料理の名前ではなく、スパイスをふんだんに使った汁料理の総称なのであーる。カレーとは奥深きインド料理の真髄。スパイスの果て無き迷宮。ゆめゆめインドはカレーばかりと決め付けるなかれ。」
と、続く。
日ごろこんな風にいわれていたりすると、ワタクシめなどははやくもインド料理の奥深さを勝手に想像して身構えてしまっていたわけなのである。
ところが、本場に来てみて思うのは。
「やっぱり全部カレーじゃん!」
ということ。
味もまあ、違うのはわかるが、俺にとっては結局どれもカレーである。
そしてさらにどこの店に行っても、屋台でも食堂でもカレーばかりである。
ナンとかチャパティとかライスとかつけるものは変わるけれど、それだって、そんなに大して変わるわけでもないのである。
さすがに数日たつとこのカレー、カレー、カレー地獄に辟易して、今日はカレーじゃないのを食べよう!と思って、食堂に入ってメニューを見ながら、「なんちゃらマサラ!」を頼んだら結局カレーが来てしまった。それじゃあ、と思って「ほにゃららドーサ!」を頼んだらやっぱりカレーが来る。くそう、それじゃあこの「チキン・カレー」を、と頼むと、やっぱり食堂の親父(オヤジ)が得意げにカレーを持って来るのである。
そして、カレーを右手で四苦八苦しながら、食べている僕を見て、
「どうだ、ジャパニ(日本人のこと)、インドのカレーはうまいだろ!!」
って顔をするのである。
そういえば以前、ウイグルで羊の餃子ばかり食べていて、嫌になったころに、ガイドが
「わかった。それじゃあ今日は違うところにつれてってあげよう!」
と、言い出し、わくわくしながらつれていってもらった先が”羊のシュウマイ”屋。
がっかりする僕に、
「どうだウイグルの羊は最高だろ!」
とガイドの見せた得意顔を思い出す。
とか書いておくと、なんだかインドの食生活がまずくて閉口しているような気がするが、実はこのカレー。すこぶるうまいのだ。どこの店で食ってもほとんどはずれがないくらいうまい。屋台のカレーなら、30〜40円程度で、腹いっぱい食える。飲み物のラッシーも最高である。
具体的にいえば東京の本格インドカレー屋と同じ味がするのである。
でも、こんなことを言ったらきっと食堂の親父もがっかりである。
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