|
1960年代後半,北京放送日本語放送組で組長を務めた
方宜さんの直筆と思われる返信
― 歓迎昼食会,持参の古き資料に感慨深げ ―
日本語部のミーティングが終わり,いったん日本語部のオフィスに戻ると,
ちょうど一時帰国している,中国国際放送局東京支局長の張国清さんと
バッタリお会いする。
張支局長のお宅は,奥様は中国に残り,お嬢さんは米国に留学,ご本人
は東京滞在と,正にコスモポリタンを絵に描いたような家族である。
四川大地震の現場リポートで活躍した,姜平さんの案内で,張支局長,
王小燕さんとともに,英語部のスタジオやオリンピック報道のために新設
した大型スタジオなどを見学して回る。
英語部では,海外向けの短波放送だけではなく,中国各地に滞在する
外資系会社の社員や家族などに向けて,FM放送で英語番組を行って
おり,北京の他,上海など,幾つかの大都市で聴くことができるという。
宿泊したゲストハウスで,このFM放送を聴いてみると,"It is four p.m.,
Beijing Time. You are listening to CRI Easy fm, broadcasting on 91.5
FM in Beijing" などとアナウンスしながら,ニュース,音楽の他,様々な
話題を放送している。
番組の途中ではコマーシャルも流れ,そのテンポの良さは,欧米の局
ではないかと錯覚するほどだ。
スタジオ見学が終わり,放送局のビルの通用口から外に出る。
前庭には,きれいな芝生が広がり,その向うには,長野県のリスナーが
贈った桜の木が見える。春になると,華やかに咲き誇るという。
100mほど歩くと,職員食堂がある。
ちょうど,お昼のご飯時で,1階の大ホールは,ほぼ満員だ。
2階の一角にある,少人数向けの個室に案内される。
蘇克彬・元日本語部長,謝宏宇・日本語部長,張国清・東京支局長,姜平
さん,劉非さん,王小燕さんが歓迎昼食会を開いてくれた。
小生は中国語が解らないので,個人旅行などでレストランに入っても,口に
合う料理に出会うことは滅多にないが,ここでは,日本人の好みを知り尽く
した王小燕さんの配慮で,美味しい料理が続いて出てくる。
テーブルいっぱいに並ぶ豪華料理を前に,ラジオ談義で盛り上がる。本当
に有難いことだ。
実は,機会があれば,日本語部のスタッフに見てもらおうと思い,1960年
代に中国国際放送から送ってくれた,様々な資料を持参していた。
未だ,『北京放送』 と呼ばれていた時代のものだ。
所謂 『文化大革命』 の前のもので,ベリカードを初め,番組表,ガリ版刷りの
リスナー宛あいさつ状,毛沢東語録が掲載されたニュースレター等々である。
食事が一段落したところで,この資料を皆さんに披露すると,『お〜っ』 と驚き
の声が上がる。
若いスタッフにとっては,彼らが生まれる前の資料であり,それほどの感慨は
ないようだが,中国国際放送局の総編集長(副局長)を務め,日本語部OBの
蘇克彬さんは,一通のあいさつ状を手にした瞬間,『あっ,これは,方宜さんの
字だ』と言って,懐かしそうに見入っている。
ガリ版刷りの文章の余白に,万年筆で 『追伸 久しぶりのお便り,拝見いたし
まして,私達一同は本当にうれしく思っております。大へんお忙しい事と存じま
すが,これからも放送をきかれて,お便りくだされば幸いに存じます』 と記され
ていたのだ。
この万年筆の筆跡は,日本語放送組で組長を務めた,方宜さんのものだと
言う。( 北京放送では,当時は 『日本語放送組』 と称していたようだ )
若いスタッフも,方宜さんの名前だけは知っていて,『へぇ,そうなんだ〜』 と,
感心している。
方宜さんは,台湾生まれで,北京放送から派遣された,初めての東京特派員
でもあり,慶応義塾大学で医学の勉強をしてこともある。現在は,東京と北京
を半々にして過ごしているようだと言う。
『放送局にも,こう言った資料が残っているのではないか』 と尋ねると,10年
ほど前に,旧の放送局舎から現在の局舎に引っ越した際,かなりのものが
散逸してしまったと言う。残念なことだ。
将来,日本語部において資料の保存態勢が整えば,小生の持っている古い
資料は,放送局に里帰りさせて,そこで保存してもらいたいと,考えている。
小生が個人的に仕舞いこんでおくよりは,その方が史料価値が高まると思う。
(注) CRI Easy fm のウェブサイトは,次のとおり。
http://english.cri.cn/easyfm/index.htm
(続きは,後日アップします)
--------------------------------------------------------------------
(過去の記事)
訪問記 (01) http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/2501200.html
訪問記 (02) http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/2571454.html
訪問記 (03) http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/2611549.html
訪問記 (04) http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/2686873.html
訪問記 (05) http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/2728777.html
訪問記 (06) http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/2799306.html
|