|
旅行をしていると,思わぬ出会いがあり,想像もしなかったハプニングに
遭遇することがある。
サンディエゴ到着の翌日,バスセンターで乗り換えようとして,ウロチョロ
していると,今乗ってきたバスの運転手のお兄さんが 『どこに行きたい
のか』 というので,『ファッションバレーのショッピングモールに行きたい』
と答えると,路面電車への乗り換えを親切に教えてくれた。
この遣り取りが発端となって,『どこから来たのか』 と尋ねてきたので,
『東京から観光にやってきた』 と答えた。
すると,彼は 『俺は,ツルに住んでいたことがある』 と言う。一瞬,聴き
取れなかったので,『どこだって?』 と確認すると,『山梨県の都留市だ』
と言う。
われわれはビックリ仰天。『息子も,彼のワイフも,都留市にある大学を
卒業したんだよ』 と言うと,彼も 『ええ〜』 と言って話が弾んだ。
一緒に写真を撮り,帰国後に送るからと約束して,住所を教えてもらい
別れた。
帰国後,数枚の写真を送ったけれども,彼からの返事は届いていない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サンディエゴ滞在最後の日 ――
動物園の帰り道,空は夕陽に染まっていた。
長男が,『ここからちょっとバスに乗ったところに,ブランド調味料のお店
がある。職場の人たちにお土産として買って行きたいので,俺一人で
行って来る』 と言うので,他の連中は先にホテルに帰ることにした。
われわれは,ダウンタウン行のバスに乗った。
ダウンタウンの乗り換え地点で,ホテル方面行きのバスを待つ。
しかし,一向にバスは来ない。夜だから,運転間隔が長くなっているの
だろうと勝手に思い込んでいた。
ところが,何本目かにやってきたバスの運転手が,『どこ行のバスを
待っているのか』 と問い掛けてきた。『30番のバスを待っている』 と
答えると,『そのバスがここを通るのは,7時までだよ』 と教えてくれた。
時計を見ると,もう7時半に近かった。
そして,この運転手が 『どこへ行くのか?』 と尋ねるので,『パシフィック
ビーチにあるホテル』 と答えると,『3ブロック戻り,路面電車に乗って駅
まで行き,そこで別の電車に乗り換えてバスセンターまで行けば,そこ
からは30番のバスが出ている』 という。
『もう終バス?』 と半信半疑で,いつも携行しているバスの時刻表を
改めて開くと,確かにそのように記されている。さあ,どうしようか。
タクシーでホテルに帰るより他ない。
問題は息子がどうやってホテルに帰るかである。彼は 『終バス』
のことは知らないから,見知らぬ街で迷うに違いない。
われわれは安全策を考え,バスの運転手が教えてくれたとおりに
3ブロック戻って,路面電車に乗ることにした。路面電車の停留所は,
息子が買い物が終わって乗ってくるバスが必ず停まるところなので,
そこで待ち,バスに乗っている彼を見たら,大声を掛けて,降ろさせる
ことにした。
サンディエゴは昼間は暑いが,夜は夏でもかなり冷え込む。
通りを歩く人も少なくなって,アーク灯の明かりの下では不気味である。
孫娘は 『お父さん帰れるかなあ』 と不安を訴える。
わが連れ合いと息子の嫁,そして2人の孫娘の4人は,停留所の向かい側
にあるセブンイレブンに行って,温かいものを買って腹ごしらえさせ,
私が一人で,息子が乗ってくるバスを待つことにした。
通りで襲われることがあっては,大変なことになる。女性4人はお店の
中にいれば,一応安全だろうと考えたのだ。小さな子供に恐怖心を
与えては怯えてしまうので,食べ物を買うと言うことで安心感を与えた。
4〜5本目のバスに,息子が乗っていた。彼も,私の姿を見つけた。
彼は不審な顔をしつつ,バスから降りてきた。
再び,6人が一緒に行動できるようになり,皆んなの顔に安堵の表情
が浮かんだ。
上記の画像は,われわれが3ブロック戻ってきて息子を待つことにした,
その現場を Google が撮影した上空写真である。当時は夜であり,こんなに
明るくはない。
中央の道路の上方から彼の乗ったバスがやって来るので,交差点の
角にあるバス停で待った。
交差点から左上に向かって走るのが路面電車の線路である。
画面左手,白い屋上のある三角ビルの1階にセブンイレブンがある。
運が悪いときには,トラブルが続くものだ。
路面電車に乗ったのは良かったが,線路が工事中の区間があり,
そこは歩かなければならなかった。
しかし,運が良いときも巡ってくる。
路面電車を降りて,バスセンターでホテル方面に行くバスを待って
いると,遠いところでドドーンという音がする。その方向に目をやると,
シーワールドで花火が打ち上げられている。大人も子供も大喜びで
ある。
花火が打ち上げられることは知っていたが,夜間,子供連れで
シーワールドに入場することは危険を避けるため諦めていた。
思わぬところで,シーワールドの華麗な花火を観ることが出来た。
ようやくバスに乗ることができ,これで無事にホテルに戻ることが
出来ると思われた。
われわれ家族は,運転席の後ろの 『優先席』 に座っていたのだが,
わが連れ合いの隣の席に,バックパックを肩に掛けた青年が乗り
込んできて座った。様子がヘンだ。酔っているようだ。
斜向かいの孫娘に,ニヤニヤしながら話しかけ始めた。長男の嫁が
娘を抱きしめて,目が合わないようにしてやった。
すると,その青年は,吊り輪や吊り輪を固定しているパイプにぶら下
がり始めた。ぶら下がりを繰り返したため,吊り輪が壊れて外れた。
バスの運転手がバスを停めた。直ぐに降りるよう,青年に促したが,
言うことを聞かない。バスの後部座席にいた男性客から厳しく叱責
する声が飛んだ。青年は大人しくなり,席に座った。運転手も乗客も
極めて冷静で,紳士的に対応した。
バスは再び動き出し,2つ目のバスストップで,青年は降りた。
夜間のバスで経験した,恐怖の時間であった。
( 南カリフォルニアの旅記事一覧 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1080166.html?m=l
|