|
≪ 国際列車でトラブル ≫
プラハからミュンヘン行きの国際列車に乗った。
フランクフルトで,ベルリンで,そしてプラハ到着後も,われわれは乗車予定の
プラハ➞ミュンヘン間の列車の指定券を申し込んだが,システムの不具合と
言うことで確保できず,全車両が自由席だから早い者勝ちとの説明を受けて
いた。
このため,乗車の前日,同時刻に駅に行き,この列車の混み具合をチェック
したところ,心配するほど多くの乗客が並んではいなかった。もし,座れない
くらいの混雑であれば,列車を諦めて,バスの指定券を買おうと思っていたが,
その必要はないようだ。『ユーレイルパス』 は,列車だけではなく,主要路線の
バスにも乗ることが出来る。
乗車当日,少し早目に駅に着くと,ほどなくして列車がホームに入ってきた。
1等車は混んでいるようだし,コンパートメント形式の6人席では,窮屈でもある
ので,比較的座席に余裕がありそうな2等車に乗ることにした。2等車も6人席
ではあるが,オープンスペースであり,そこを4人で占めることが出来れば,
こちらの方が楽である。
一応座ることが出来て,ホッとした。
発車して,最初の駅を通過した頃,車内検札に車掌が回ってきた。
後ろのボックスに座っている乗客の遣り取りが耳に入ってきた。
チェコ人と思われる乗客に何かを説明した後,彼の隣に座っている東洋系と
思われる青年に,乗務員が英語で話しかけている。『駅の出口を出ると,直ぐに
バス停があるので,そこで乗りなさい』 と言っているようだ。彼は,次の駅で
降りるので,バス乗り場を尋ねたのだろうと,勝手に想像していた。
次は,われわれの検札である。
乗務員は 『ユーレイルパス』 にハサミを入れて,パスに乗車年月日と乗車区間が
記入されていることを確認した。われわれがミュンヘンに向っていることを知ると,
『英語が解かるか』 と聞くので,『少しだけ』 と答えた。
すると,彼は,私が持っていたタイムテーブルをとって,『この駅と,この駅の間は
列車を降りて,バスに乗ることになる』 と言って,タイムテーブルに載っている駅名
"Domažlice" と "Furth im Wald" を〇で囲んでチェックしてくれた。
これらの駅は国境の駅で,前者はチェコ最後の駅であり,後者はドイツ最初の駅
である。国境線を跨ぐ駅と駅との間で,何かトラブルがあったのであろうか。
いやはや大変なことになってしまった。まさか,国際列車で,バスの代替輸送が
待っているとは…。
降車駅に近づくと,車内の電光掲示板に 『技術的な問題により,次の駅でバスに
乗り換えてもらう』 とのメッセージが流れた。車内アナウンスもあったのだろうが,
チェコ語とドイツ語ではチンプンカンプンである。
技術的な問題って,何だ !?
座席指定券を買おうと何回もトライしながら,『システムの不具合』 を理由に窓口
では断られてきたが,この 『バス代替輸送』 が早くから予定されていたため,この
列車の指定券の発売を停止していたのだろうと思われた。
国境の駅で,乗客全員が降りて,待っているバスへと急ぐ。途中の駅から学生の
団体が乗り込んできていたと見えて,大混雑である。1台目のバスは直ぐに満杯と
なり,われわれは2台目のバスに乗ることとなった。
小さなリュックサックだけで身軽な若者たちがどんどんバスに乗り込んでいく。われ
われは,大きなスーツケース2個を,バスのトランクスペースに押し込めて,やっと
車内に乗り込んだ時には,ほとんどの席が学生に占拠されていたが,何とか,夫婦
別々になったけれども,座ることは出来た。座ることが出来ず,通路に立っている
乗客もいるが,不満をぶっつける者はいない。
通常どおりに列車が走っていれば25分で到着するはずの,ドイツ側国境駅に
到着したのは,バスに乗り換えてから約1時間半後であった。
『技術的な問題』 の具体の内容,『代替輸送』 となった具体の理由がわからない
まま,われわれの乗った国際列車は,到着予定時刻よりも1時間以上遅れて,
ドイツのミュンヘン中央駅に着いた。
予想だにしなかった国境越えの苦難の一日であったが,今にして想えば,面白い
経験ではあった。
( ドイツ・チェコ旅行記一覧 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1096319.html?m=l
|