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≪ ベルリンからプラハへ,国際列車に乗る ≫
国際列車に乗るのは初めての経験である。行き先はチェコのプラハ。
国境でのパスポートチェックや荷物検査は厳しいのではないか。ガイドブックには
『最高に美しい町・プラハ』 などと謳っているが,かつて 『東欧』 と言われた地域
に対する,ある種の先入観から抜け出せないでいる老夫婦にとっては,一抹の
不安と緊張が交差する。
出発の日の朝,ベルリン中央駅。
少し早目に行って,ファーストクラス専用のラウンジで軽い朝食を食べようと思い,
受付のデスクにチケットを提示した。すると,『ノー』 と突き返された。
『なぜ?』 と聞き返すと,『ユーレイル・パスの乗客はお断り!』 という。
『ベルリンに電車で来るとき,乗車駅のフランクフルト駅ではファーストクラス
ラウンジが利用できたのに・・・』 と説明したが,頑として 『ノー』 を譲らない。
ここでも,『これがドイツか !!』 を実感した。
確かに,ユーレイル・パスを購入した際,チケットと一緒に入っていた小冊子には
ファーストクラス・ラウンジの対応は駅によって異なるので注意せよ,と書いては
あったが…。
帰国後,ドイツ国鉄に質問のメールを送ろうと思いながら,面倒くさくなり,未だに
送っていない。
8時46分,電車は定刻通りにベルリン中央駅を離れた。これから,約5時間の
旅である。座席3人づつ向かい合って座るコンパートメント式である。窓側の席を
期待していたが,ドイツに入ってから指定券をとったので,通路側の席となって
しまった。
しかし,これが幸いして,エルベ川流域の絶景を堪能することが出来た。
エルベ川は,ポーランドとチェコの国境山間地に源を発し,チェコ北部,ドイツ東部
を北に流れ,やがて北海に注ぐのだという。チェコ側に入ると,エルベ川の対岸に
奇岩が続けて見えてくる。車窓を過ぎ去る,自然の織り成す風景に見入ってしまう。
(写真上段の中,右)
この路線 ― ベルリンからプラハに向かう時は進行方向左手の座席を,逆にプラハ
からベルリンに向かう時は右手の座席を取るのが良さそうだ。
11時過ぎにドレスデンの駅 (写真左上) に到着すると,相当数の乗客が降りて
行った。われわれのコンパートメントにいた若いカップルも降りてしまい,米国
カルフォルニア州から来たという中年夫婦と4人だけになった。彼らもプラハに
行くのだという。われわれは,プラハの後はミュンヘンに行くと話すと,彼らは,
プラハの後は,オランダに向かう予定だという。
間もなく,国境の駅に着く。何の変化もない。列車は間もなく静かに動き出した。
10分ほど走ると,チェコに入って最初の駅に停まる。ここで,パスポートチェックが
あるのだろうと思い,チケットと旅券をカバンから出して待っていたが,誰も検査に
来ない。そして,この駅を発車してしまった。
『な〜んだ,フリーパスなのか!』 と拍子抜けしたが,間もなくチェコ国鉄の乗務員が
車内検札に来て,ユーロバスと指定券にハサミを入れた。『パスポートを見せろ』 とは
言わない。結局,ベルリンからプラハに向かう国際列車では,国境の駅での入国の
ための手続きは何もなかったことになる。
一安心したところで,食堂車に行って,昼食をとることにした。
食堂車は満席で,パソコンに向かって黙々と仕事をしている人もいるし,ビールを
ゆっくりと飲んでいるようにも見えるなど,皆んな,何か粘っているように感じられた。
間もなく,2人席の客が席を離れたので,われわれは長く待つことなく,着席できた。
メニューの写真を見て,美味しそうなものを指差してオーダーしたのが,上の写真で
ある。スープも唐揚げ風の肉も,日本人の口に合う味付けである。ただ,いつもの
ことながら,塩味が強めで,喉がカラカラしてくる。一緒にパンを食べるか,ビールを
飲めば良いのだろうが,そんなにお腹が空いていたわけでもないので,ボトルの水
を頼んだ。(写真下段の左,中)
食堂車を出て,席に戻ると,間もなくして,列車はプラハ中央駅に着いた。(写真右下)
駅からホテルまで10分ほど歩くのだが,季節外れの強烈な暑さに閉口する。
途中行き交う人々を見ていると,皆んな洗練された服装をしている。しかし,公園を
通り抜ける間,紙コップなどをもって,物乞いをしている人たちが沢山いる。この国
では政治・経済体制の変化に伴い,人々は 『自由』 を手にしたものの,貧富の格差
が拡大しているのであろうか。
( ドイツ・チェコ旅行記一覧 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1096319.html?m=l
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