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オランダに来たからには、「風車」 も見なければならない。
ガイドブックには、アムステルダムの街の外れに 「リーカーの風車」 があると、小さな
囲み記事に書いてあったので、アムステルダムに着いて間もない頃、一度、訪ねたのだが、
たどり着くことが出来なかった。
記事には、「"Rai" という最寄駅で降りて、左手に公園を見ながら歩けば、公園の終わった
ところにある」 と簡単に書いてあるだけだったので、そのとおりに歩いたが、どこまで
行っても 「公園」 が続くばかりで、風車が見えて来ない。この日は、陽が沈みかけて
きたので、やむなく駅に戻った。
それから一週間ほどして、もう一度トライすることにした。
今度は、"Rai" 駅で下車した後、徒歩によらず、バスに乗って、公園がどこまで続くのか
確認しながら、公園の終わりが近付いてきたら、降りようと思った。
バスに15分ほど乗ったところで、「この辺に違いない」 と思って降りてみたが、「風車」
の気配はない。最寄駅からここまで、とても歩いて来られる距離ではない。
バスを降りてはみたものの、通りを歩く人はなく、誰かに尋ねることもできず、困り切って
いると、カバンを持った一人の老齢の紳士が、向こうから歩いて来た。
「風車はどこでしょうか」 と尋ねると、「わからない」 という。
しかし、彼は、そうは言ったものの気になったのであろう、カバンの中から、ヨレヨレの
地図を取り出し、天眼鏡を使って、調べ始めた。
そして、「あった。あった。ここに "Windmill" と書いてある」 と言って、風車の位置を
指差して、教えてくれた。有難いことだった。
彼にお礼を言って別れ、5分ほど歩くと、森の向こうに 「リーカーの風車」 が見えてきた。
それにしても、あの老紳士が、何のために、あんなヨレヨレの地図を持ち歩いていたのだ
ろうか。不思議に思ったが、余計な詮索は無用である。
緑の森が開けると、広い草っ原に大きな風車が一基だけ建っている。遠くから眺めた時には、
そんなに大きく見えなかったが、風車の下から見上げると、その大きさに驚く。悠然と回り
続ける4枚の羽 (「羽」で良いのか、「プロペラ」 と言うべきか) には圧倒され、吹っ飛ばされて
しまうような恐怖感さえ覚える。
風車から、ちょっと離れたところに、17世紀の画家レンブラントの像が建っている。
彼は、この辺りをよくスケッチしていたという。
近くを流れるアムステルダム川には、ボートから風車を見物している観光客がいた。
川辺のサイクリングロードを、走り抜ける若者がいた。
野原で、草花を摘みながら、幼い子に優しく語り掛ける若い母親がいた。
風車の敷地に隣接する 「学校農園」 では、小学生が作物の手入れをしていた。
「リーカーの風車」 の周りには、「オランダの田舎」 を想わせる、ゆったりとした
時間が流れていた。
( オランダ旅行記 一覧 )
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1142583.html?m=l
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