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著者:河合香織
出版:新潮社
発行:2004年6月30日
有名な著書なので、タイトルぐらいは皆さんご存知かと。発売された当初は、購入してまで読もうとは
思えなかったんです。障害者にも、性欲はありますからね、当然なんですけど。
ただ、それを日本ではオープンに当然のこととして話すことはタブー視されてますし、優生保護法じゃ
ないですけど、いろいろと障害者に対する問題はあるわけなので・・・。
障害者に対する問題とか、性の介助の問題なんていうのは、これは日本に限った話ではないのは当然で、
ただ、日本はそういうことへの理解や知識として論ずるにも、実際にも、遅れてるってことです。
久々に立ち寄った古本屋にあって、目について購入しました。
内容は・・・まぁまぁでした。もっと深いかなって思ったのですが、期待にはほど遠かったです。
最初から、ハードカバーではなく、新書でも十分な内容の本かと。
何ていうんでしょうね・・・著者の、人間とか、障害者とか、恋愛感情や性的なものへの考えや
知識としての理解度が浅いというか薄いんですね・・・。人生経験と考え方の差・・・かな?
内容は、日本の障害者の性・性教育・性の介助(ボランティア)の現状と、障害者や支援者の心、
海外での事例や状況についての、検証レポートとドキュメントが一緒になった感じでした。
障害者・・・身体的な障害、知能の障害・・・その程度によってセックスが可能か否か、可能な場合
障害者がどう考え、どう思っているのか、欲求は普通にあるけどそれをどのようにとらえているのか、
また、その周囲で性的な側面を支援する人たちの考え方などが見えて、健常者の常識や無理解の結果と
しての障害者の性の現状というものを知る入門書として、今後のあり方などを考えるきっかけになる本
だと感じました。
ただ・・・感じたことがあります。
著者は、障害者を、障害者である前に人であるという視点に、幾分、欠けているのではないか・・・?
視点を持ちえていないわけではないのです・・・ただ、ちょっと違う気がして。
じつは、障害者の中には、どんな障害であれ、障害者であることを盾にとる人が時にいます。
甘えや嘆きではなく・・・自分は障害者だから他人が優しくするのは当然・・・という様に。
そういう人に出会った健常者は、それを同情に置き換えることが多く、障害者は、同じような立場の人間の
甘えと世間知らずで恥知らずな行動と受け止め、苦渋の表情を浮かべることが多いです。
「 障害者 = 純粋、本当は正しい人、悪気のない人 」
という構図で受け取る人が多いからなのですが、障害者も人です。純粋無垢な天使ばかりではありませんから・・・。
それと同様に、恋愛感情や性的欲求も、当然のことながら持ち合わせているんです・・・障害者だって。
そんなの、人を人として見ていれば、当然のことなんじゃないでしょうか・・・?
残念ながら、私は知的障害を持つ人たちに性的な嫌がらせを受けたことが何度かあります。
ボランティアなりヘルパーや看護婦、養護学校の教諭をしている友人・知人の中にも、セクハラどころか
それ以上の未遂被害にあっている人はいます。それを、「仕方がない」で割り切ることは簡単です。
でも、相手(障害者)は、本当に何の他意も欲求もなく、そういう行為に及ぶのでしょうか?
性や恋愛への欲求も感情もない存在であるなら、許される?じゃぁ、障害者にはそんな感情なんですよね?
と逆説的に、障害を盾にとっている障害者やその支援者には問いかけてしまいたくなる。
そのことを、再度、彷彿させてくれた1冊でした。。。
そしてもう1つ・・・私は、やはり「障害者だった(過去形)」という事実を突きつけられました。
明確な障害として残らなかったけれど、この本にある障害者の女性と同じ・・・先天性の股関節脱臼でした。
そして、その検査での体験の悲惨さ・・・私はこの記憶が欠落しています。
ここに書かれた彼女は、もしかしたら、私だったのかもしれません。
いまになって、知り合った整形外科医たちが私に検査をすすめるわけですね。
なんらかの障害は残っているわけですから・・・やはり。
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