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新年おめでとうございます
今年は夏目漱石没後100年の節目の年だとか
この機会に『吾輩は猫である』や『道草』『明暗』など未読の長篇小説を手掛けていきたいですね
新年最初の記事はペルー作家マリオ・バルガス・リョサが2013年に発表した最新長篇『つつましい英雄』(河出書房新社)で先月21日に邦訳刊行しました リゴベルトやリトゥーマ軍曹などおなじみの人物が脇を固める本書は交互に語られる2つのストーリーがダブルAサイドシングル級の充実度でした
恐喝誘拐に相続問題などスリリングでエキサイトな展開が続くなか謎めいた悪魔らしき男も見え隠れします 終盤にもう一波乱を期待したのは欲張り過ぎでしたね
もっとも印象的なのは中盤の主人公フェリシトの父親のエピソードです
安い賃金の仕事をいとわず息子の将来のために身を粉にして人生の大半を裸足で歩き働きづめます
フェリシトが「けっして誰にも踏みつけにされてはならない」という父の遺言を固く守り続けるのも容易に理解できましたね
登場人物のなかでは女占い師のアデライダがいかにもラテン的ムードでいい味出てました
ところで本書はリゴベルト3部作の側面もあるので『継母礼賛』と続篇『ドン・リゴベルトの手帖』をあらかじめ読めば一層楽しめるでしょう
とまれ本書のおかげで有意義な正月を過ごせましたね
★★★★
(娯楽性が強すぎる分星ひとつ減) ◆マリオ・バルガス・リョサ 既読リスト
緑の家(岩波文庫)1966
フリアとシナリオライター(国書刊行会)1977
密林の語り部(岩波文庫)1987
チボの狂宴(作品社)2000
悪い娘の悪戯(作品社)2006
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今年も宜しくお願いします。ずっと注目してこられて、たぶんほとんどの作品を読まれていて、感心しています。
受賞は充分その価値を認められたものでしょうが、スケールの大きさ、娯楽性が適度にまぶされていても、そこに安座しないよさがありますね。そういうのは才能というしかないのかもしれない。それから、ペルーをとりまいている極端さというのか、独特の過激さ、ラテンの奇妙な明るさといったものが、ないまぜになって表れてくる作品世界ではないでしょうか。
[ hiroaki_noji ]
2016/1/6(水) 午前 10:25
nojiさん こちらこそよろしくお願いします
この最新長篇は『悪い娘の悪戯』や『チボの狂宴』
の出来には及びませんが晩年の作としては肩の力
を抜いた佳作といえるでしょう
今後リゴベルトシリーズの第4作も期待大ですね
[ 海外の長篇小説 ]
2016/1/6(水) 午後 1:56