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新訳『水滸伝』(講談社学術文庫)もいよいよ最終巻です
本巻では梁山泊の悪漢たちの立場が大きく変わり朝廷お墨付きの官軍として侵略を虎視眈々と狙う周辺国と全編にわたって大合戦を繰り広げていくことになります
その死闘のすさまじさときたら!
この最終巻のためにこれまで長々と延々と幾多のエピソードを積み重ねてきたのだと感無量でした
つまり水滸伝という大長篇小説は英雄たち108名が梁山泊に結集して幕が引かれる70回本では片手落ちでやはりこの100回本こそ決定版であり真の醍醐味を味わ
えることがよくわかったのです
本書の最大の読みどころはやはり方臘一族が支配する揚州征伐での大激戦でしょう
その前の遼国との戦いでは数名大怪我を負ったものの梁山泊の英雄108名は一人も欠けることなく大勝利するのですがこのクライマックスの戦争では比較的簡単に次
々と仲間が命を落としていきます
つまり天下無敵の梁山泊の悪党たちの落陽凋落がついに訪れることになるわけです
悲惨な討ち死にもあれば早くに戦線離脱するもの
そして達磨太師のように昇天したりはたまた病死したりと千差万別の退場が雪崩のように続いていきます
敵陣の猛者たちの様子が丁寧細密に描かれているのもストーリーに一層の深みを醸し出されてとても効果的でしたね
翻訳の井波先生も最後まで臨場感あふれる勢いのある訳文ですばらしかったです
おそらくこれほどの出来栄えの『水滸伝』の新訳は今後望める可能性は低く私の年齢からしても再読は今回が最後になりそうです
ともあれこの新訳全5巻でたいへん有意義な読書時間を過ごすことができて深謝の一語に尽きますね
★★★★★
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