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昨年12月に『高慢と偏見』(中公文庫)の新訳本が刊行されたのを機に今回で4度目の再読になりました
本書はわが国が誇る文豪夏目漱石が激賞した英国女流作家ジェイン・オースティンの代表作です
前回の新潮文庫の訳文の完成度があまりにハイレベルだったのであれ以上は望めないだろうと認識しつつお気に入りの海外長篇の新訳なのでつい手に取った次第
大島一彦先生の翻訳はやや古めかしい語句が散見されましたが格調がありかなり好感もてました
ただ本書ではヒロインのエリザベスがこれまで以上に歯に衣着せぬずけずけとした物言いと容赦なく相手を軽蔑する思考回路がかなり徹底的すぎる違和感がありました
もしエリザベスの気性がそのとおりならダーシーがそんな彼女に決して惹かれることがないはずだしまして愛の告白をたちまち拒絶されたわけだしそこまで勝気な女性
を普通敬遠するでしょうに ただ本書の翻訳ではエリザベスだけでなく母上のベネット夫人や妹のメアリーに対してもかなり辛らつに描写されています
つまりこれは今回の新訳の大きな特徴なのかもしれませんね
結論をいえば本書は新潮文庫に次いでよく出来た翻訳本でした
そういう意味では再読して再びあの名作の堪能することができて大正解でした
あの憎まれ役のコリンズや彼をけなすよりも嘲笑して楽しむベネット氏にも再会できたことだし
それにしても真に優れた小説というのは何度読み返しても不思議と新鮮な感動を与えてくれるものだと実感しました
★★★★★ 高慢と偏見
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