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海外の長篇小説
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木のぼり男爵(2回目)

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今年1月に新装改版が刊行されたのを機に8年ぶりにイタリアの国民作家イタロ・カルヴィーノの名作『木のぼり男爵』(白水社uブックス)を手に取りました
新訳でないのが残念ですが読みやすいよう訳文が一部手直しされているせいか古めかしさはまったく感じませんでした

それにしてもストーリーは序盤の若き主人公の一大決意のあたりと終盤のナポレオンとのエピソードを除けばまったく忘却の彼方でとても再読とは思えず自分の記憶の
力量を改めて思い知ることになりました
反面 前回と同様新鮮な気持ちでストーリーを楽しめましたがこのあたりはちょっと複雑ですね

18世紀後半のイタリア北西部のオンブローザ(ジェノバ共和国)が舞台で語り手は主人公コジモの4歳年下の弟です
かたくなに樹上生活をつづけた貴族であり読書家で哲学者の兄の生涯がオーソドックスな構成で描かれていきます

恋あり冒険ありのその人生は波乱万丈ですがとりたてて特筆すべき感銘を受けたところはさほど多くありませんでした
というよりも本書は理屈をこねず作者のうっとりするくらいの縦横無尽でたぐいまれな語り口に身を任せて読書の時間をとことん楽しめばいいのかもしれません

ところで本書は我々の祖先三部作の第2作にあたります
第1作の『まっぷたつの子爵』(1952)は昨年文庫化されたのを機に読みましたが第3作の『不在の騎士』(1959)は未読です
いつか読む機会がみつかればいいのですが

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