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海外の長篇小説
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『ブッチャーズ・クロッシング』(作品社)は米国の寡作作家ジョン・ウィリアムズの第2長篇で今年2月に初訳刊行されました

3年前に読んでたいへん感銘を受けた『ストーナー』に続く邦訳ですがさすがにそれをしのぐまでの傑作とははなから期待していませんでした

ところがこれがなかなかどうして冒頭の主人公の登場から意外な展開が待ち受けるラストまで片時も飽きることなく読み進められる恐るべき魅力に満ち溢れていました

ストーリーといい構成といいほぼ完ぺきの仕上がりで知られざる作家ジョン・ウィリアムズの稀有な才能にまたしても強い衝撃を受けました

3部構成で主人公の青年ウィル・アンドリューズが故郷を離れて自分探しの旅をする部分が柱となっています

ただ本書はそんな若者が旅の道中でさまざまな人間と出会い幾多の経験をするありふれた成長物語というくくりにとどまりません

実は本書の深遠なテーマといえる<虚無>がストーリーの底辺にしっかりと根付いていて(といっても仏教の虚無感とは少し違うイメージですが)それが読後の深い余
韻と感動に結び付いていました

その<虚無>とはなにか それは読んでのお楽しみです(^▽^)/

60年も昔の作品でありかつ西部開拓期を舞台にしているにもかかわらず不思議とみじんも古めかしさを感じないのは布施先生の高度な翻訳技術のたまものといえるか
もしれません

最後に登場人物は少ないですがいずれも存在感があってすばらしかったです
とくにアンドリューズと相思相愛の紅一点の娼婦フランシーンのストーリー上での役割はとても大きくて彼女の出番こそ本書の画竜点睛といえるでしょう

★★★★★

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