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新訳『動く標的』(創元推理文庫)はミステリ小説の巨匠ロス・マクドナルドが創出した私立探偵リュー・アーチャーシリーズの記念すべき初登場作品で今年3月に刊行
されました
ロスマクの初期の長篇なので文体がかなり生真面目で硬質な印象が残りました たとえばアクションの場面もふんだんに用意されていました
ただユーモアセンスあふれる会話の妙はこのころから早くも頭角を現していてかなり楽しめましたよ
これは田口先生のセンスある翻訳の功績が大でしょうね
肝心要のミステリ度についてはストーリー自体中盤から複雑になって再読してやっと事の次第をつかめました
アーチャーが最後の場面でつぶやく『犯罪は往々にして拡散するもの』の言葉が事件全体の真相をよく表していました
結局トータールでみれば本書はまずまずの出来だといえるでしょう
ところで私が探偵ものではメグレ警視に次いで大好きなアーチャーシリーズ
その新訳はこれで終わりではないでしょうね?
本書を機にどんどん刊行してほしいです
★★★
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