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なにかと論議をかもし出していた『ガメラ』シリーズの最新作が公開されました。
個人的には満足でしたw。良かったです!感想は以下のようにカテゴリーに別けて紹介します。
全体の感想
序盤はトトの育てるのですが、『のび太の恐竜』を思い出しました。トトが家に来るまで主人公・透くんは影を持った少年でした。それがトトとの出逢いで透くんの性格が少しずつ変化していきます。その描写は細かく、もし怪獣バトルがなければ、もっとゆっくりと丁寧に描いたのでしょうね。
ちょうど多感な時期である透くんは母親を交通事故で亡くしました。トトを育てることで、今まで母から受けていた、ポッカリ空いた愛情の部分を埋めることができたんですね。それは“愛される”ことではなく、“愛する”母性のようなものです。
ドラマ部分では龍居由佳里さんという『星の金貨』『砂の器』などの好評価を受けてきた、怪獣映画とは無縁の方の脚本が効をそうしたと感じました。父と子、少年と友人、そして少年とガメラ。ドラマで最も大事なのは“関係性”です。その関係性を手に取るように分かりやすい台詞は少ないので、感じとることが、観る側には必要でした。「なんで?」というような詮索心はタブー。ありままの透たちの、会話や心の動きを見る事が1番だと思いました。
出演者も、子役がほとんどですが、なかなか味のある演技をしてくれて非常に良かったです。田崎監督の力量もあったのでしょう(あの人…たまに極端なんですよねw)。
一方の特撮面は…。昔からある技法を極力使って、高レベルの映像を生み出そうとしています。
オープニングのアバンガメラとギャオスの戦いはなかなか迫力があって良かったです。ガメラの重量感、ギャオスの敏捷性など、怪獣らしい動きを堪能しました。
問題のトトガメラですが、思ってたほどの嫌悪感は感じませんでした。ただ、ジーダスと共にぬいぐるみ感が出まくりですね。それがイイと思うシーンと、微妙と思うシーンがありましたね。
高評価なのはジーダスの初上陸ですね。町を壊し、人を喰らう!映画でこんな怪獣久々に見ました。それこそ、『ガメラ 大怪獣空中決戦』以来かもしれません。でも、あんな目の前で人が食われたら克也くんはトラウマになるだろうな…w。トトガメラもそうですが大きさが8〜30〜50メートル程度で、人と建物との関係が非常に上手くおさまり、リアリティを増しています。調度『フランケンシュタイン対地底怪獣』のようですね。
ラスト、ガメラを救うためにバトンのように赤い石を運ぶ子供たちは感動的で、なにかを感じたかのように、ただ走る。少しウルトラマン的なものを感じました。
ガメラ
今回のガメラは、まさに子供の味方。しかし、昭和のようなヒーローではなく、少年たちとお互いに頑張る親友のような存在に描かれています。もちろん成長しきった状態ではないので可愛らしい表情がそうさせるのかと思います。そこが賛否両論なんでしょうがね。
今までのガメラ像を大きく壊し、最低限な部分だけを残した結果で、平成3部作のような意欲的な試行錯誤と別の意味でとても意欲的なリデザインだと思います。
ジーダス
今回の相手役。劇中では詳細をいっさい与えられないまま、出てきて、暴れて、死んでいく…この先、実に影の薄い存在になりそうな奴です。ここでは大まかなプロフィールを載せておきます。
海魔獣ジーダス
体高:50メートル
体長:150メートル
体重:2千トン
出身地:南の孤島
血液:紫色
武器:溶解性のある毒液を発するカギ爪、モリのように貫くハープ−ン舌、尻尾ムチ、喧嘩キック
特徴:その大きさのわりに身軽で、高い場所によじ上ったり、飛び乗ることができる。
73年にアバンガメラに倒されたギャオスの肉片が、孤島に流れ着き、その肉を喰らった爬虫生物
が異常怪獣化した。ギャオスの遺伝子からか、人を襲い、ガメラを憎む気持ちがとても強い。
そのため、日本を目指したらしい。非常に好戦的な性格で、弱者をいたぶることで無類の喜びを
感じる。
ジーダスは火を吐いたり、光線を撃ったりしません。それがリアルというのか、弱っちいと感じるのかは人しだいですが、もしこれ以上の武器を持っていたらトトでは勝てなかったかと思います。
また往年の怪獣プロレスを優先した結果、そこまですばしっこいというイメージがありませんでした。(メイキングではしゃかしゃか動いてたのに)そこが、体型と反比例してアンバランスでしょうが、逆に面白いなぁと感じています。
アバンガメラとオリジナルギャオス
73年に大量発生したギャオスと(おそらく長い月日をかけてか…?)戦い、死んでいった初代ガメラ。その登場シーンは短いですが、僕的には絶大なインパクトがありました。特に、ギャオスがガメラにかじり付くシーンは、妙にリアリティと恐怖を感じました。
1973年といえば…ガメラの昭和シリーズとしての最後の戦いは71年のジグラ戦…もしかしたら、翌年から大量に出現したギャオスと戦い、それが73年の最終決戦まで続いてたりしてw。つまり『小さき勇者たち』は昭和シリーズの続編という妄想解釈もできるわけですw。突拍子もないことかもしれませんが、ドラマ重視で、怪獣たちにあまり触れられていない本作を理解するにはそれくらいのバックボーンは必要ということです。
疑問
なにも、僕だって手放しで喜んだ訳では無く、気になった点があります。
怪獣たちの声。ガメラを始め、ほとんどのキャラの鳴き声が違ったのです。ギャオスも“悲鳴”のようなかん高い声になってましたが、1番オリジナルに近いのは彼。
なんで?せっかくガメラにも特徴的な鳴き声があるのに、あえてそこを封印するとは…。SEマニアであり、ガメラの鳴き声の好きな僕としてはちょっぴり残念。トトガメラは子供だから、オリジナルボイスに多少のアレンジを効かすくらいがいいと思いました。そう、言うならば、『GMK大怪獣総攻撃』でバラゴンだけオリジナルの声と程遠かったようなものです。
ファンサービス
<ケロロ軍曹>
子供に人気絶大な『ケロロ軍曹』。いたる所に出てきましたね。何か所だろう?
<ダイモン>
透くんの部屋の棚には『妖怪大戦争』の吸血妖怪ダイモンもフィギュアが!大映怪獣から以外な応援ですね。しかし、エンドロールではトトが下敷きにw
<仮面ライダーリュウガ>
これも、部屋の棚に飾ってある一品。田崎監督の劇場版『仮面ライダー龍騎 エピソード・ファイナル』に登場する悪のライダー。クリア龍騎とセット販売された、ガードベント装備の限定装備でしたw。
<包丁>
トトが厨房は探険。すると、上から包丁が落ちてきて、火炎放射を初披露!…さてはトトめ、包丁がギロンに見えたなw。
これから観る方へ
ガメラがカッコ悪い。子供が嫌い。先入観だけの食わず嫌いは損をします。よっぽど、頭がガチガチじゃなければ、それなりに良い作品に観れると思います。
ゴジラや、それこそガメラ等が生まれて以来、様々な種類の特撮映画が作られて来ましたが、この映画はある意味、 今後の可能性を求めた意欲作と言えます。もちろん見ためから、欠如させた部分もありますが、この映画で何を見せたいのか?と考えればスッキリして見やすい形に収まったと思います。
田崎監督は「子供のための映画」と言ってましたが、子供たちには気恥ずかしさを感じさせ、正面から受け止めるには少し無理かもしれません。「楽しかった!」と言える子供は、 とても素直に感じられる子ではないでしょうか?でも、口ではいわないだけで、たくさんの子供たちの中で感じられるものがあったはずです。それは、ガメラの顔がどーのこーの以前の話です。
この映画は難しいポジションに置かれているのかもいれません。具体的には解らないけど「なんかいいね」と思えるこの感覚。小難しい理屈を求め過ぎて、感じることを忘れている特撮に大事なものを与えてくれたと思います。
この作品は特撮界の意欲作であり、異色作であり、良作なのです。
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