奥羽*温故知新

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吉村貫一郎

 
        吉村貫一郎
 
・・・・そう、あの名セリフ・・・
 
 
「南部盛岡は日本一の美しい国でござんす。西に岩手山がそびえ、東には早池峰。北には姫神山。城下を流れる中津川は北上川に合わさって豊かな流れになり申す。春には花が咲き乱れ、夏は緑、秋には紅葉。冬ともなりゃあ、真綿のごとき雪こに、すっぽりとくるまれるのでござんす。」
    
  浅田次郎著『壬生義士伝』でお馴染みのあの「吉村貫一郎」です・・・
 
 
 
吉村貫一郎といえば映画では中井貴一、TVでは渡辺謙、共に「壬生義士伝」での姿が目に浮かび、
そのイメージは作家子母澤寛ら後世の創作とはいえ、いや〜、泣かせられましたねぇ…
 
特に、鳥羽伏見の戦いの後、盛岡藩邸の中で切腹して果て、部屋には、二分金十枚と紙切れが置いてあり、紙切れには家族への送金を願う文が記してあった、というくだり・・・・涙なくしては語れません・・・

 
 
 
しかし、『盛岡藩古武道史』においては、「切腹の仕損ない」として紹介されているんですね〜…

まさか、平成の世になってTV、映画で人気者になろうとは思っても見ないわけで.....

ちょっと紹介します・・・。
 
 
「切腹にも種々の例があるが、武士として珍しい死に様もある。これを称して、死に損ないと云はれる。
吉村貫一郎、極く軽輩の者で、妻子五人を養う事も出来ず、人一倍妻子思いの彼は、妻によく事情を話して、一分でも多く入る金を目当てに意を決し、遂に脱藩し、大阪辺りに行き、兎に角わづかばかりでも妻子に送金を続けて居った。
文久二年の頃である、新撰組の募集に応募した、学問もあり剣術も出来るので間もなく浪士調役兼監察となった。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、隊長も鉄砲に倒れ、隊士もちりぢりとなり敗北、船で江戸に逃れたが、吉村は味方にはぐれてしまい、逃げ場に困り、盛岡藩の仮屋敷に留守居役をして居る旧知の大野某を尋ねて身を寄せた。
彼の心では、幕府がどうなろうが、朝廷がどの様になろうとも、妻子にさえ送金出来ればよいと、まるで食を求めてうろつく野良犬にもひとしい様を感じた大野は遂に憤慨、『南部武士に君のような者が居たことは、我が藩末代の恥である、いづれ縄目の恥を受けねばならぬ君だ、潔く切腹したまえ』と諭した。
 
吉村と雖も何処にも逃げることも及ばず、進退極まり遂に決心して、ある夜切腹したが古来から云はれるが如き武士の作法もなく、其の死に様たるや誠に末代の恥と笑はれるに至ったことは返す返すも気の毒である。
 
彼の死に様は、最初の程は作法通りやったかも知れない、しかし、其の激痛に堪えられず部屋を這いずり廻り、さては転げ回り、苦しさの余り腸がはみ出した物を掴み、或いは目を突き、頬を切り、七転八倒の苦しみにのた打ち廻り、実に悲惨と云おうか、無惨と云おうか、言語に絶したものであった。
喉を突くとか、斬るとかの手もあったろうに、夜半に腹を切り乍ら、夜っぴいて唸り続け、翌朝あけ方に至りやうやく死に絶えた。
死に望んでも猶、妻子に送金するのだけは忘れず、小刀と若干の金が入った紙入れだけを、床の間に置き、『此二品拙者家へ』と大書きしてあったと云われる。
切腹の手本とも成る物は数々あるが、此も或る一面の手本ともなろう。」
 
           もののふの道は厳しく、…やるせないですね・・・
 
                                      【参考文献】 『盛岡藩古武道史』米内包方著

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壬生義士伝は幕末もので一番好きな作品です
とくに中井貴一の演技には涙ものです〜
この記事を読んで、また切なくなりました。。

2012/1/12(木) 午前 0:32 おしょう 返信する

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TV版で渡辺謙さんが演じた吉村貫一郎に
感動したのを覚えてます。
謙さんの盛岡弁がリアルで、すごくよかったです!
新潟県出身ですけど、
独眼龍正宗や炎立つなど、東北と縁のある役者さんですね^^

2012/1/12(木) 午前 0:40 [ 北のエミシ ] 返信する

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会長、こんにちは♪

なるほど・・・でがんすね♪んでも吉村貫一郎は武士だったんだよな〜!武士だったらなんぼ下級武士でも切腹の作法は父ちゃんがら教えでもらってるべねや♪もっと格好良ぐ切腹してもいがたったし、してほしがったねや♪

しかし、この吉村貫一郎が切腹した時の状況をいつ古武道史に書いだがわがんねげっと時代背景が大きく影響してんでね〜すかや。あんまり吉村貫一郎の切腹をかっこよぐ書ぐど幕府崩壊したどぎまずいぞ!どが・・・優しい人間は最後はかっこいいど思うんでがす〜♪(笑)

2012/1/12(木) 午前 11:35 mamazo 返信する

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「一天万乗の天皇様に弓引く気はござらねども、拙者は義のために戦をせねばなり申さぬ!」
後世の者が何を云おうとも 吉村貫一郎に共感しますね。
浅田次郎の洞察による 生きる優しさを 見ました。
今様の東北魂です

2012/1/12(木) 午後 0:47 幽禮茶屋暮六つ 返信する

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太郎さん、こんばんは^^。
なるほど、太郎さんも家族思いなんですね♪
いい詩が出来たときには連絡くださいね…^^♪

2012/1/12(木) 午後 5:48 ビナヤカ 返信する

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まんまさん、こんばんは^^。

切腹って介錯人がいないと、簡単には死なず、それこそ激痛で、のたうち回るんでしょうね…(^^;) 。・・・。

2012/1/12(木) 午後 5:56 ビナヤカ 返信する

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レッドさん、こんばんは^^。

確かに、『壬生義士伝』で知るまでは吉村貫一郎なんて知りませんでした〜…。

2012/1/12(木) 午後 6:00 ビナヤカ 返信する

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リップさん、こんばんは^^。

南部藩は確かに貧しかったんですもの、私の御先祖さんも大変だったと思いますよ・・・。

2012/1/12(木) 午後 6:02 ビナヤカ 返信する

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おしょうさん、こんばんは^^。

本当に涙を誘いましたよね^^; あれで市民権を得たようなもので、それまでは恥とされてきた人物だったようですからね…^^;

2012/1/12(木) 午後 6:05 ビナヤカ 返信する

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北のエミシさん、こんばんは^^。

いや〜、熱演でしたね・・・中井貴一、渡辺謙、共に甲乙つけられませんね…♪
あ〜、新潟出身なんですか、東北弁、うまかったですよね…♪

2012/1/12(木) 午後 6:10 ビナヤカ 返信する

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ままぞーさん、おばんでがんす^^。

いや〜、想像してみで・・・・いでんだよ〜^^;)(笑)

南部藩は貧しがったがらねぇ〜・・^^;・、やませの影響で、凶作はつづぐしで百姓一揆、全国一だずしたら…^^♪

2012/1/12(木) 午後 6:16 ビナヤカ 返信する

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幽霊茶屋さん、こんばんは^^。

いや〜、セリフも暗記して居るんですね♪
東北魂…幽霊茶屋さんの表題通りですね・・・^^♪

2012/1/12(木) 午後 6:20 ビナヤカ 返信する

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こんばんわ。初めてブログ拝見させていただきました。すごいブログで勉強になりました。
また、時々、お邪魔させていただきます。
ポチ・・・。

2012/1/12(木) 午後 10:23 [ JINJIN ] 返信する

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JINJINさん、おはようございます^^。

興味が重なり合うのようなブログなんですね^^。

こちらこそよろしくお願いしますね…^^♪

2012/1/13(金) 午前 7:13 ビナヤカ 返信する

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ビナヤカさんおはようございます
死に損ない・・ですか それにしても
死にぞこないの場面は 言語に絶してますね
『此二品拙者家へ』妻子に送金するのだけは忘れない
何とも哀れで あとを引きますネ〜
小説だということを忘れて すっかり引き込まれてしまいました。

2012/1/13(金) 午前 10:42 someko 返信する

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somekoさん、こんにちは^^。

死に損ないと云われ、武士にあるまじきと軽蔑されながらも、時代が変われば家族思いの武士として脚光を浴びる....この時代、探せばまだまだこの様な人物っているんでしょうね…^^♪

2012/1/13(金) 午後 2:13 ビナヤカ 返信する

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中井貴一の名演には泣かされました。
その印象が強かったので、そういう記録があったという事に驚きました。

2012/1/15(日) 午後 11:10 hiro 返信する

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ホント、泣かされましたねぇ〜…♪

昔は、こんな人物評価だったなんて....やるせなかったぁ〜…^^♪

2012/1/16(月) 午前 6:40 ビナヤカ 返信する

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いい人だったのですね

介錯してくれるひともいない。。。

つらかったでしょうね

2012/5/29(火) 午後 3:21 藤本志津子 返信する

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しっ、しずこさんもそう思いますか…でも貧しかったんですよ〜盛岡藩は…^^; なにせ全国で一番百姓一揆の多い藩でしたから…^^;
今、私は、その百姓一揆について興味があり調べています…^^;…

ブログでの紹介は7月ごろになると思います…^^♪

2012/5/29(火) 午後 9:11 ビナヤカ 返信する

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