奥羽*温故知新

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遠野南部氏関係史料[6]

遠野南部氏関係史料[6]
 
 
          『八戸御家二十二代 弥六郎直栄様御代大概之覚書』  
 
                               遠野村替の顛末「Ⅵ」
 
 「八戸(遠野)南部家文書」の概要
 
 室町時代の「八戸(遠野)南部家文書」で貴重なものは、15世紀半ば〜後半の政経時代の文書24点である。(「八戸家十四代当主政経」....十三代当主守清の娘婿。新田家より養子に入る。実父は守清の実弟で新田家に入婿した新田清政。)
 
 この政経時代は、十三湊を本拠とする津軽安藤氏との抗争が激化し、やっとのことで安藤氏を津軽から追い出した時期である。
 その中で八戸家は「八戸殿」と称され、三戸家の下位に位置づけられながらも、依然として奥州探題大崎氏から直接命令を受ける地位だけは保持していた。
 
 
 さて、話は変わり近世文書『弥六郎直栄様御代大概之覚書』の続き。
 
 前回は、八戸直栄に遠野への村替えを命じた南部利直が遠野郷で起こった数々の殺人事件を直栄に話して聞かせます。今回は、それら殺人事件の最後の話ですが、実際は阿久道さんがコメントを寄せてくれましたように、このような殺人事件は数件なんてものではなく、この数倍、いや数十倍起きていたのではないでしょうか。

後ろから二行目...
一(ひとつ)、去年(さるとし)(寛永三年)8月、 鱒沢村に鮎の簗場があり、そこに奉行として長田次郎右ェ門が据え置かれていた。この次郎右ェ門、鮎を売払った代金を所持していたところ、簗場小屋にて切り殺されていました。
イメージ 1
...次ページ...
 
 このほか次郎右ェ門のもとで働いていた人足3人も切られていた。
 
 そのうちの一人、深手にて息絶えていたが、暫くして生き返っているのを見つけ介抱し翌朝家に連れて帰って養生させたらやがて元気になった。
 
 この事を遠野の役人たちに知らせたので、この助かった人足に事情聴取し次郎右ェ門が殺された時の状況を尋ねたら、顔を黒く塗った何者かが、不意に小屋の中に乱入してきて犯行に及んだ。犯人の顔は黒く塗っていたので、わからなかったといい、いろいろ糾明してみたが結局わからずじまいとなり次郎右ェ門は死に損となってしまった。
 
 この他にも内々の小さな騒動は無くなることはない土地だから、遠野を治めることは思うようにいかないことが多いし、他領への外聞もあれこれあり気の毒には思う。苦労の段察するけれども お手前(直栄)が遠野へ引っ越してなんとか遠野が穏やかになるように取り締まりを頼みたい。
 
 仙台領への通路の境番所、鱒沢村の遊井名田、小友村の新谷と鮎貝、佐比内村の赤羽根、これら4箇所いずれも此方(三戸南部)より番人を出していたが、これからは其方(八戸直栄方)より差し出して、遠野境目から.......次ページへ...
イメージ 2
 
 仙台領に行く者は御蔵領(南部藩領)、給所領(遠野南部領)共にすべて、南部藩領内の町人、百姓はいうに及ばず、他領の者も遠野を通り仙台へ行く者の通行証文は御手前方(直栄方)から発行するように利直自ら言い出した。
 
 直栄は次第に利直の御意向に添い承知しては ますます不器量な私が遠野に引っ越しして穏やかに治めるなど難しく、自信はありませんが、お頼みのご意向をを強いて断ることは無礼なことだから、御心に任せ引っ越しすることを前向きに考えると答えたならば、利直が言うことには私にはこれ以上の喜びはないと大いに喜び、それについて相談したいこともあるので、とにかく今晩は私の屋敷に泊まって明日八戸にお帰りくださいと慰留され、いろいろの御馳走でもてなしてくれた。
.....後ろから5行目まで.....
イメージ 3

 直栄がすんなり村替えを了承したわけではないことがわかる一文です。これを記した人物は寛永四年当時の八戸家家臣団が先祖代々住み慣れた八戸の地を追われる不安と三戸南部家の理不尽な村替えの命令に対する憤りを十分理解でき、言い回しが判読しにくい様に感じられます。
 
※さて利直が相談したいこととは...?......次回...

     参考文献 
      吉井功兒『中世南部氏の世界』『地方史研究』 ・『青森県史中世南部氏関係資料』』
       新版『漢語林』・新編『古文書「解読字典」』・福武『古語辞典』・角川『国語辞典』
                                            史料の無断転用厳禁

閉じる コメント(8)

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こんにちは(*^_^*)
趣味の分野ですよね!
勉強はしないで、ビヤナカ著者の
遠野南部氏関係史料を読ませていただきます(笑)
ナイス!

2013/12/29(日) 午後 3:16 [ リップ ] 返信する

江戸時代に入ってしばらくのことですよね。
まだまだ荒れた時代だったのでしょうか?
次回も注目ですね! ナイス。

2013/12/29(日) 午後 11:21 まんま 返信する

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そうそう、リップさん、趣味の分野ですヨ(^^)

でもリップさんだったら、仕事がら古文書を目にする機会も多いと思いますので覚えておいたら、いつの日か役に立つと思います♪
あんなにご立派なご朱印の揮毫をなさりますもの、「くずし字」読めたら意味を覚えるだけですよ♪

2013/12/30(月) 午前 7:09 ビナヤカ 返信する

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まんまさん、九戸政実の「九戸の乱」が戦国時代最後の合戦と言われるぐらい、奥州の地は中央に比べ全国統一とは程遠く、まだまだきな臭かったんでしょうね(^^)

2013/12/30(月) 午前 7:16 ビナヤカ 返信する

血なまぐさい事件の記述に続いての、国替えについての相談事・・何やらきな臭い感じがしてしまいます(^_^;)。

2013/12/30(月) 午後 8:02 ばばちゅ 返信する

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ばばちゅさん、おばんです(^^)
あれッ、今年は帰省なされなかったんですか...^^;、父上様、母上様がご心配なさっていらっしゃるのではないでしょうか。

さて、例の件ですが、今回の広報に載っていませんでしたネ^^;.....
年が明けたら確認してみます。

2013/12/30(月) 午後 10:22 ビナヤカ 返信する

帰省してますよ^^。モバイルルーターを持ってきているので、なんとかネットに繋がっています。
載っていませんでしたネ。館のホームページに入会方法が載っていましたので、年明けに申し込んでしまおうかと思ってました^^。

2013/12/31(火) 午前 9:28 ばばちゅ 返信する

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そうでしたか^^; 「モバイルルーター」なるものが何者かもわかりませぬビナヤカですが、良かったですね(^^、良いお年をお迎えください(^^)♪

2013/12/31(火) 午後 5:03 ビナヤカ 返信する

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