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御題「生」 玄齋 (上平聲七虞韻)
三 旬 餘 歳 病 痾 軀 三旬餘歳 病痾の躯
夭 折 絶 祠 何 奈 辜 夭折して絶祠するは何奈なる辜ぞ
不 告 婚 姻 當 不 孝 婚姻を告げざるは 当に不孝なるべし
幸 存 甥 子 沒 長 吁 幸いにして甥子存り 長吁すること没(な)し
現代語訳:
三十数歳で、長患いの体である私は、
このままでは若死にして家系が絶えてしまうということは、
どのような罪なのかと考えていた。
古代の帝王の舜のように、折り合いの悪い父母に告げることなく
結婚してしまうようなことが、まさしく親不孝者であるのだ。
しかし私には幸運にも甥がいるから、
(家系が絶えることを)長く嘆息していている必要はないのだ。
語注:
※三旬餘歳(さんじゅんよさい): 「三十数歳」を言い換えた表現です。
※病痾(びょうあ): 長患い、長く続く病気のことです。
※躯(く): からだのことです。
※夭折(ようせつ): 若くして死ぬことです。
※絶祠(ぜっし): 祖先の祭りを絶つ、家系が絶えてしまうことを意味します。
※何奈(いかん、いかなる): 「どのような」という意味です。
※辜(つみ): 「罪」と同じ意味です。
※長吁(ちょうう): 深く溜息をつく、深く嘆息する、という意味です。
※没(なし): 「無し」と同じ意味です。
解説:
ずいぶん遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。
新年始めに自宅で転倒して、捻挫をしてしまいました。
それで新年のご挨拶が遅れました。すみません。
今は何とか家の中を移動して、 PC の前に座ることができるようになりました。
新年一発目の漢詩は、歌会始の御題である「生」を詠みました。
各句で「生」を詠じて、「生」の字は使わないなど、
制約があって難しい「詠物詩」に、今年も挑戦しました。
この漢詩を作るにあたり、自分自身を見つめてみようと思いました。
僕自身の病気や、自分の将来を冷静に見つめると、
結婚して子供を持つというところへはたどり着くのは
非常に困難だと思っています。
そんな僕自身に突き刺さるような『孟子』の一言があります。
『孟子』離婁章句上 の一節です。
「孟子曰、不孝有三、無後爲大。舜不告娶、爲無後也。君子以猶告也」
(孟子曰く、不孝に三有り、後無きを大と為す。舜の告げずして娶るは、
後無きがためなり。君子以て猶告げるとするなり)
訳は、「孟子はこうおっしゃった。『親不孝の種類には三つあるが、
中でも妻を娶らずに跡継ぎが絶えてしまうことは、最も親不孝である。
だから古代の帝舜は父母に告げることなく帝堯の二人の娘と結婚したのは、
折り合いの悪い父母に結婚することを告げると、反対にあって跡継ぎが
絶えてしまうことを恐れていたからなのだ。よって後の君子は、
これは父母に告げたのも同様であるとしているのである 』 」
ということです。
「跡継ぎが絶えるのは最大の親不孝である」という言葉を、
僕はいつも深刻に考えていました。そんな中で出会ったのが、
吉田松陰の『講孟箚記(又は講孟餘話)』です。
これは吉田松陰が密かに米軍艦へ乗り込んで海外へ出ようという
計画が失敗し、自首した後に江戸に送られ、故郷の萩の野山獄へ
投じられた後、獄中の囚人たちと『孟子』の講義をしたものを、
のちに赦免を得て謹慎をしている間にまとめたものです。
その『講孟箚記』のなかでこの『孟子』離婁章句上 の一節について、
以下のようなことをいっています。(以下はそれをまとめたものです)
「跡継ぎが絶えることも不孝ではあるけれども、親の意向を無視することも
又た不孝である。父母を正しくないと思わないことこそ孝というべきなのである。
だからもし、孝行者の舜が本当に親に告げずして娶るようなことを
したのであれば、舜は大不孝者である。もし本当に父母が許さないのであれば、
父と(後妻の)母との間にできた義理の弟の象(しょう)の子供を
立派に教育すれば良いのではないか」
ということです。
この一節の松陰の見解に限って言えば、これは松陰の私見に相当しますが、
恐らく松陰は獄中にあって、このままでは結婚して子供をもうけることができない
という自身の状況を、『孟子』のこの一節をもとにした、
松陰の真剣な思索を示しているものとして尊重すべきものだと思います。
この一節を読んで、僕はたとえ結婚して子供をもうけることが出来ないとしても、
甥が立派に成長するのを見守ればそれで良いと思い、
少し気持ちが楽になりました。
そんな心配よりも僕は自分自身に出来ることを懸命にすれば良いと、
気持ちを新たにすることができました。
これからももっと自分の勉強を深めていこうと、改めて思いました。
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今年もよろしくお願い致します(*^_^*)
今年も素敵な作品ご紹介ください ぽち
2009/1/13(火) 午後 5:46
まいさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。
今年も漢詩を沢山詠んでいければいいなと思います。
またそちらのブログへ訪問いたします。
2009/1/13(火) 午後 5:52
いつも訪問しては、何時復帰されるかお待ちしていました。
甥ごさまや姪ごさまを可愛がる玄様のお気持ちがよく判りました。
ご両親に孝行なさる玄様をはせは大好きです。
お身体には十分気をつけてくださいね。
はせはお蔭さまで元気です。
ポチです。
2009/1/13(火) 午後 7:52
玄さん♪
お怪我は大事にしてくださいね。
玄さんの優しい心はお両親様は嬉しく思っていますよ。
これからもお好きなお勉強に励んでくださいね。ぽち
2009/1/14(水) 午前 11:16
はせさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
年初から捻挫をするのは情けないと、反省しています。
ご心配をかけましたが、何とか復帰できました。
孝行ということを、いつも自分自身の生活をもとに考えています。
今は自分に出来ることを努力していこうと思います。
本当に健康に気をつけなければと、年の初めから反省させられました。
暖かいコメントをありがとうございます。
はせさんもお体には気をつけてくださいね。
2009/1/14(水) 午前 11:40
ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
何とか怪我は治ってきました。年初からの怪我は反省しなければと思います。
少しでも両親のためになることが出来ればと日々思っています。
せめて真剣に勉強をしていこうと、改めて思いました。
暖かいコメントありがとうございます。
改めてそちらのブログに訪問いたします。
2009/1/14(水) 午前 11:52
今晩は、元気になったのですね、よかった。漢詩上手くなってきましたね。傑作です。
2009/1/14(水) 午後 10:58 [ f u k o ]
玄さん、おはようございます。
おめでとうございます。また 今年もよろしくお願いいたします。
年初の捻挫はどんなにか痛くて お身体が思うようでなくて気を揉まれていたことでしょうね。
痛みは治まりましたでしょうか? どうかお大事にしてくださいね。
ご両親さまを思うお気持ちが とても伝わってまいります。
いつまでもお元気で明るく いらっしゃることが親孝行と思います。
ご無理をなさらずにお過ごしになってくださいね。
今年も漢詩を楽しみにさせて戴きます。素晴らしい詩、傑作ですよ☆
2009/1/15(木) 午前 6:27
不孤さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
ようやく回復してきて、ブログに復帰できました。ご心配をかけました。
僕の気持ちを漢詩にすることにどんどん挑戦していきたいです。
僕自身の考えをもっと深くして、漢詩に反映できるようにがんばります。
2009/1/15(木) 午後 3:58
y5812y さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
年初から捻挫をしましたが、今は何とか家の中は移動できるようになりました。
二日目と三日目は痛みはひどかったですが、いまはかなりおさまってきました。
いつも明るくいることも、親孝行のために大事なのですね。
僕も無理をせずに、明るく日々を過ごしていくようにしていきます。
今年もどんどん漢詩を作っていければいいなと思います。
暖かいコメントをありがとうございます。
2009/1/15(木) 午後 4:02
今年もよろしくお願いします。
まずは、ご自身を大切になさってくださいね。
怪我がよくなられたようでよかったです。
2009/1/15(木) 午後 11:02
ウィルさん、コメントありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
家の中で静かに療養していますので、大分よくなりました。
怪我が癒えた後には、じっくりと勉強等をしていこうと思います。
暖かいコメントをありがとうございます。
2009/1/17(土) 午後 3:04
午後 0:47 の鍵さん、コメントありがとうございます。
家系が絶えるということについて、人によって
いろいろな悩みがあるなと思います。
せめて周囲の方の記憶に少しでも留めてもらえるような、
そんな生き方をしていこうと僕も思っています。
僕も少しずつでもがんばっています。
またブログに訪問いたします。
2009/1/18(日) 午後 4:43
玄様へ
堂々とここへ・・・あはは。
漢詩を楽しみにしております。私も最近幕末の資料を集めています。万葉集にも興味が出てきました。
また、私も訪問します。
休止中ですが、細々と続けていきます。
感謝です。傑作です。
2009/1/18(日) 午後 6:04
Ruri さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
今年は春頃にかけてどんどん漢詩を作っていければいいなと思います。
幕末の人物については、僕も少しずつですが勉強を続けています。
もっと理解していこうと思います。
僕もマイペース更新です。細々とでも続けていければと思います。
これからもブログを訪問していきます。いつもありがとうございます。
2009/1/19(月) 午後 5:27
午後 6:04 の鍵さん、コメントありがとうございます。
そちらはお忙しくなるのですね。
また更新した後にもブログを訪問しますね。
いつもありがとうございます。
2009/1/19(月) 午後 5:30
お身体の方は大丈夫ですか? 私の娘は一人っ子で、ご存じのように障害があり、結婚は難しいので、夫の姓は娘の代で絶えることになってしまいますが、私自身はあまりそのことで悩みません。義父母の思いも聞いたことはありませんが、しかたのないことを悩んでもそれこそしかたがないので、割り切って考えています。玄さんもご自分を責める必要は全くないと思います。堂々と生きていってください。
2009/1/20(火) 午後 3:28
akiko さん、コメントありがとうございます。
捻挫は次第に治ってきて、家の中は普通に歩けるようになりました。
今月中に完治できればと思います。ご心配をおかけしました。
各家庭ごとにいろいろな事情を抱えていることが、
皆さんのコメントでわかってきました。
このことでは僕も悩まずに、堂々と生きていくのが一番ですね。
暖かいコメントをありがとうございます。
2009/1/20(火) 午後 4:37
玄さん、こんばんは。コメント読んでだいぶ良くなりましたか、
寒いから治りが遅いですよ〜〜それでも人生長いのよ。。慌てずに・・
又来ます。。。
2009/1/20(火) 午後 6:34
ほしさん、コメントありがとうございます。
皆さんのコメントに励まされています。捻挫の足も大分よくなりました。
来月までには外出できるように、療養しています。
人生をゆっくり慌てずに行きたいと思います。
暖かいコメントいつもありがとうございます。
2009/1/21(水) 午後 3:14