|
春窓微雨 玄齋 (上平聲四支韻)
簾 窓 寂 寂 雨 絲 絲 簾窓寂々として雨絲々たり
待 霽 幽 慵 孤 坐 時 霽るるを待つ幽慵孤坐の時
門 巷 無 朋 吟 思 淡 門巷朋無く吟思淡く
何 情 春 涙 濕 殘 棋 何れの情か春涙 残棋を湿さん
現代語訳:
簾のかかった窓のあたりは静かでひっそりとして、雨は細かく降っており、
空が晴れるのを待って、かすかに物憂い気持ちになりながら独り座っていた。
家の門の前の道にはやってくる友もなく、詩歌を作る気持ちも薄くなり、
一体何の情なのだろうか、涙のような春の雨は、
指したままの碁盤を湿らせていた。
語注:
※簾窓(れんそう): 簾(すだれ)のかかった窓のことです。
※寂寂(せきせき、じゃくじゃく): 静かでひっそりとした様子のことです。
※絲絲(しし): 春の雨の細かい様子のことです。
※霽(せい、はれる): 「晴れる」と同じ意味です。
※幽慵(ゆうしょう): かすかに感じる物憂い気持ちです。
※孤坐(こざ): 独りで静かに座っていることです。
※門巷(もんこう): 家の門の前の道です。
※朋(とも): 「友」と同じ意味です。
※吟思(ぎんし): 詩歌を作る気持ちのことです。ここでは「思」は仄声です。
※春涙(しゅんるい): 春の雨をたとえていう表現です。
※残棋(ざんき): 指しかけたままの碁盤(ごばん)のことです。
解説:
春の雨の中、部屋にひとりで座っている当時の情景を詠んでいました。
雨の音だけがしているひっそりとした部屋の中で、
やや物憂い気持ちになっている、そんな日常を詠んでいます。
「残棋(ざんき)」は指しかけの囲碁の盤のことを指しておりまして、
陸游(りくゆう)の詩などでは思うままにならない
政局の比喩としても使われています。
天気が晴れると同様に、世の中もからりと晴れてくれれば
いいなと思う気持ちを詠んでおりました
|
梅足さん、コメントありがとうございます。
雨の寂しい感じを詠めていたらいいかなと思います。
僕の心情に近いものを詠んだとご理解下さい。
2009/3/10(火) 午後 3:02
ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
雨の中で他の音が消えている中、静かに座っている、
そんな風景を考えて詠んでみました。
穏やかでちょっと寂しい雰囲気を出せていればいいなと思います。
僕も世の中が晴れて欲しいなと祈っています。
2009/3/10(火) 午後 3:07
今日の漢詩はわかりやすかったので、何だかいい作品のように思いました。最後の「春涙」は春を愁うる涙かと思ったのですが、起句との関係で「雨」と解釈できるわけですね?
2009/3/10(火) 午後 3:33
akiko さん、コメントありがとうございます。
わかりやすかったですか。良かったです。
「春涙」は単独でも春の雨を意味する言葉ですね。
春を愁う場合はむしろ「春恨」や「春愁」を使うことが多いです。
「春涙」などの比喩的であいまいな言葉は
むしろ対句などで使われる場面が多いと思います。
2009/3/10(火) 午後 4:03
健筆何よりです。頑張って下さい。
2009/3/11(水) 午前 0:59 [ f u k o ]
不孤さん、コメントありがとうございます。
健康に気をつけつつ、これからもがんばります。
2009/3/11(水) 午後 2:19
春の雨が降ることでこれだけの詩が作れるのですから凄いと思います。
私も春の雨で一首作れたらいいのですが・・・。
勿論ポチ!
2009/3/11(水) 午後 7:44
おはようございます。
玄さん、心うついい漢詩ですね。
何も言う言葉さえ見つからないほど 詩の情景の中に入ってしまいました。
春涙・・・春雨でしょうか・・・・傑作です^^^
2009/3/12(木) 午前 10:45
はせさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
春の雨の風景を何とか切り取って漢詩にしてみました。
時には故事を使わずに詠んでみることも大切だと思いました。
これからもいろいろな表現を工夫してみようと思います。
春の雨の短歌も見てみたいです。
2009/3/12(木) 午後 3:20
y5812y さん、こんにちは。コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
詩の情景に入り込まれたのですね。とても嬉しいです。
わかりやすい詩の中にも工夫を凝らすような、そんな詩を作れたらと思います。
何度も作って上達していきたいです。
「春涙」という春の雨の表現はとても好きになりました。
2009/3/12(木) 午後 3:24
お久しぶりです〜
いいな〜こちらは今日また雪が降りましたね〜
2009/3/14(土) 午前 0:06 [ 桃花 ]
和の心を広げて、直江兼続と漢詩(●^o^●)
2009/3/14(土) 午前 11:30
そうですね。天気も雨がおおかったり、世情も暗かったりしてますからね。幸い、今日はいい天気ですが。
2009/3/15(日) 午前 10:53
桃花さん、コメントありがとうございます。
お久しぶりです。お元気ですか。
そちらはまだ雪が降っているのですね。
春が近づく速さは、土地によって様々ですね。
こちらは今週になって、春がより近づきました。
またそちらのブログに訪問いたします。
2009/3/16(月) 午後 3:05
あゆみ歴史さん、コメントありがとうございます。
後日ブログに訪問いたします。
2009/3/16(月) 午後 3:55
ウィルさん、コメントありがとうございます。
先週は雨が多かったですが、今週になって晴れて、暖かくなってきましたね。
世の中も同様に晴れてくれればいいなと思います。
2009/3/16(月) 午後 3:58
すごいです!玄様の漢詩は深いですね!
「残棋(ざんき): 指しかけたままの碁盤(ごばん)」
が そのような意味を持つとは今の今まで知りませんでした!
それも「湿って」いるのですから…日本の政治家さまがたは
もう少し 国全体を見て頂きたいですね ;−;
「陸遊」さんの名は
(母の命で離縁させられた)かつての妻との
相聞詞しか 知らなかったです…お恥ずかしい ><;
すばらしい作に ^-^b”ぽちっ
2009/3/22(日) 午後 8:58
ことりんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
陸游が生きている南宋のころには、北方を金に侵略されて、
それを歯がゆく思っていたので、「残棋」という表現などで、
暗に当時の政府を批判していたのだと思います。
「悲秋」という詩の中で、
灯前一局欲殘棋 灯前 一局 残らんと欲する棋
などと表現して、有効な策が出せない政局を例えています。
今の日本の政局も、もっと明るくなって欲しいなと思います。
陸游が元妻を思って作った詩もいろいろとありますね。
検索してみると、次の詩が見つかりました。
釵頭鳳 陸游 - 碇豊長の詩詞
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/y07.htm
僕も今は陸游の詩を読んでいる最中です。これからも勉強していきます。
2009/3/23(月) 午後 3:05
泣かないでください。明日、晴れますように。
2009/4/9(木) 午後 5:29 [ pure taiwan ]
pure さん、コメントありがとうございます。
天気と世界や日本の困難には、春の涙が似合う現状ですね。
今日の晴れた天気のように、世界や国内の情勢も晴れて欲しいなと思います。
2009/4/10(金) 午後 7:04