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溽暑不眠 玄齋 (上平聲一東韻)
夏 宵 枕 上 暑 如 ?扶 夏宵の枕上 暑 ?扶くが如し
珠 汗 淋 漓 半 睡 中 珠汗淋漓たる 半睡の中
時 揮 霜 ?嗟 仰 圓 月 時に霜?嗟を揮いて円月を仰ぎ
欲 涼 未 至 廣 寒 宮 涼を欲して未だ広寒宮に至らず
現代語訳:
夏の夜の枕元では、焼けるほどの暑さを感じていた。
半ば眠っている折にも、玉のような汗がしたたり流れていた。
時折、白い薄絹の扇をあおいで丸い月を仰ぎ見ながら、
涼しさを求めていても、まだ月の宮殿の広寒宮のような
涼しさには至っていないことを感じた。
語注:
※溽暑(じょくしょ): 陰暦六月の蒸し暑い時期のことです。
※夏宵(かしょう): 夏の夜のことです。
※枕上(ちんじょう): 枕元のことです。
※?扶(やく): 「焼く」と同じ意味です。
※珠汗(しゅかん): 玉のような汗のことです。
※淋漓(りんり): 水や汗がしたたり落ちる表現です。
※半睡(はんすい): 半ば眠っている状態のことです。
※揮(ふるう): ここでは扇をあおぐ動作のことです。
※霜?嗟(そうがん): 白い薄絹でできた扇のことです。
※広寒宮(こうかんきゅう): 月にあるとされる宮殿のことです。
蘇軾(蘇東坡)の『水調歌頭』という詩では、
寒いところとされています。
解説:
漢詩の会の八月の課題詩です。
この時期の、夜も暑くて寝苦しい様子を、
前回の「夏夜偶吟」から、さらにもう一つ詠んでいました。
最近は寝ているだけでも汗がしたたり落ちる、そんな暑さを感じています。
漢詩を作りながら、そんな暑さを少しでも吹き飛ばせればいいなと思っています。
広寒宮(こうかんきゅう)は月にあるとされる宮殿の名前で、
蘇東坡の『水調歌頭』の詩では、あまりに高いところにあるので、
寒さに堪えられないだろうというように詠まれています。
明るく輝く月を見て、月の宮殿のように寒いところを
頭の上だけでも考えてみようと思っていました。
しかし、今年の夏は水害がひどくて、ぐずついた天気が多いですね。
せめて晴天になって水害がおさまって、夜空に浮かぶ月を眺めることのできる
天気になってほしいという気持ちを詠んでいました。
蘇軾(蘇東坡)の『水調歌頭』は、以下の Web ページの解説が詳しいです。
蘇軾・蘇東坡 水調歌頭 詩詞世界 碇豊長の詩詞
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/p36.htm
夏の月の画像は以下のサイトのフリー素材を利用いたしました。
フォトライブラリー
http://www.photolibrary.jp/
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はじめまして
よかったら遊びに来て下さい^^
2009/8/11(火) 午後 7:44 [ SηαRυβι・_・)」 ]
今年の夏は蒸し暑いですね

寝ている時の状況は、正に漢詩に上手く表現されていますね
確かにこの夏はお月様を見ていない事を、漢詩を読みながら気付きました
2009/8/11(火) 午後 10:17
Haityuu さん、初めまして。コメントありがとうございます。
そちらのブログに訪問いたしますので、よろしくお願いいたします。
2009/8/12(水) 午後 2:54
みゆっぴさん、コメントありがとうございます。
今年の夏はからっと晴れる日が少なくて、蒸し暑い日が多いですね。
寝苦しくて汗がじっとり、そんな光景を前半に詠みました。
夜も雲が多くて、月がなかなか見られませんね。
例年ならば、まぶしいほどの月が見られるのですが、少々残念です。
2009/8/12(水) 午後 2:57
玄さま こんにちは
8月の課題ですね。私も今 作成中です!
なかなか 思ったようにならず四苦八苦中です。
この作品 すごく素敵です。
暑さを詠んでいながら 字の感じで涼しくなってくるようです。
広い寒い宮殿…いかにも 月の宮殿らしい美しい言葉ですね!
^-^b 傑作ぽち!
2009/8/12(水) 午後 3:45
ことりんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
僕ももう一つの課題の「池塘觀蓮」を仕上げようと四苦八苦しています。
この詩は後半の涼しさを求める部分で苦しんでいました。
たまたま見つけた「広寒宮」という言葉の「宮」が東韻だったので、
何とか仕上げることができました。
「広寒宮」という文字からでも涼しくなりそうな宮殿ですね。
どれほどの寒さかななどと想像するのも楽しいです。
2009/8/12(水) 午後 4:40
玄様の凄い所は、もう自分で自由に言葉を操れるようになったことです。その上伝説の場所などを上手にとりこんで詩に華やぎを与えるテクニックはもうプロなみ。
勿論ポチです。
2009/8/14(金) 午前 9:36
玄様いつも有難う。
熱帯夜の臥所で絹の白扇を使って月を仰ぐ詩人の様子が鮮やかに詠われて、月の宮殿が幻想的でステキですね。ポチ
2009/8/15(土) 午前 11:34 [ チョコ ]
はせさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
実際のところ、転結をどうしようかと考えあぐねているときに、
昔の漢詩の中に「広寒」という言葉を見つけて、
そこからこの詩の韻に合うように「広寒宮」としたものです。
漢詩は涼しげですが、作っている現場は四苦八苦して頭が熱くなっています。
常に新しいことを吸収していかないと苦吟が続きそうだと思いました。
2009/8/15(土) 午後 5:46
choco3784 さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
当初は丸い月に合わせて「団扇(うちわ)」にしようと思いましたが、
漢詩の平仄(発音のルール)を合わせるために白い絹の扇になりました。
こちらの方がより月の宮殿の雰囲気に合っているのではないかなと思っています。
2009/8/15(土) 午後 5:51
珠汗淋漓たる 半睡の中
そうそう、暑いし、眠いし、みたいな感じ、ありますよね。
はせさんのコメントの通り、達意の域、じゃないかと。
2009/8/17(月) 午前 11:08
ピンパパさん、コメントありがとうございます。
眠くはなっているけれども暑苦しくて寝られない、
そんな大阪の夏を感じています。ここ数日はやや涼しいですね。
僕は達意どころか、さらに煩悩が渦巻いているように感じるこの頃です。
最近感じることは、自分の身に近いことの方が作りやすいということです。
花や自然の風景を詠ずる詩の方が、作るときには苦しんでいます。
そんな詩を四苦八苦して作っている状況です。
苦吟している蓮の漢詩も完成したらブログに載せようと思います。
これからもがんばっていきます。
2009/8/17(月) 午後 5:02
田舎でPC出来ないです。
少しの時間訊ねました。
*白い薄絹の扇をあおいで丸い月を仰ぎ見ながら、
涼しくなりました。お上手ですね。ポチ
2009/8/18(火) 午前 6:20
今回の作品は漢字からほぼ理解できました。「広寒宮」だけは初めて知りました。中国にも、月に対してさまざまな幻想があるんですよね。ポチ!
2009/8/18(火) 午前 9:41
ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
地方に出かけておられるのですね。自然の多いところでしょうか。
扇をあおいで月を見る、そんな気候に近づけばいいなと思います。
大阪は日中は気温は高いですが、夜は少し涼しくなってきたようです。
漢詩も少しずつ更新していきます。これからもゆっくりとがんばります。
2009/8/19(水) 午前 0:39
akiko さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
今回はあまり難しい言葉を入れないようにと作ってみました。
「広寒宮」は僕も初めて知りました。いろんな話があって驚いています。
中国の神話についてももっと勉強していこうと思いました。
これからも少しずつでも漢詩を作っていきます。
2009/8/19(水) 午前 0:50
しばらく来ておりませんでした・・・。
この月を見上げるくだりがいいですね。
私はベッドから月が見えます。横になりながら眠りにつくまで月とお話です。ポチ!!
2009/8/20(木) 午後 3:15
Ruri さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
僕もご無沙汰しておりました。なんとか PC を新しくできてほっとしています。
月を見上げながら涼む光景を何とかひねり出して詠みました。
かつて見た、枕元でまぶしく輝く月を思い出していました。
空の上の涼しい世界を思いながら、眠りにつけたらいいなと思いました。
2009/8/20(木) 午後 3:35