玄齋詩歌日誌

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漢詩

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  十六字令(其の一「光」)  玄齋  (下平聲七陽韻)
 
 光
 
 遠 仰 銀 河 水 竹 莊
 
 流 螢 耿
 
 月 下 繞 胡 牀
 
 
 
書き下し文:
 
 
 
  十六字令(其の一「光」)  玄齋  (下平声七陽韻)
 
 光
 
 遠く銀河を仰ぐ水竹の荘
 
 流螢 耿として
 
 月下 胡牀を繞る
 
 
 
現代語訳:
 

 光。
 
 遠くの天の川を、水が流れて竹が生えている別荘から見上げていると、
 
 飛んでいるホタルがぽっと小さく輝き、
 
 月光のもと、折りたたみの腰掛けの周りを取り巻いていた。
 
語注:
 ※仰(あお ぐ): 高いところを見上げることです。
 
 ※銀河(ぎんが): 天の川のことです。「銀漢(ぎんかん)」とも言います。
 
 ※水竹(すいちく): 水の流れと竹のあるところを指して言います。
   清らかで静かな、俗世間を離れたような景色を表す言葉です。
 
 ※荘(そう): いなかにある仮住まい、
   つまり「別荘(べっそう)」のことです。
 
 ※流螢(りゅうけい): 飛んでいく蛍のことです。
 
 ※耿(こう): 小さくぽっと明るい様子です。
 
 ※月下(げっか): 月光のもとのことです。
 
 ※繞(めぐ る): 周りを取り巻くことです。
 
 ※胡牀(こしょう): 折りたたみ式の軽い腰掛けのことです。
   もともと中国北方の異民族から伝わったものとされています。
   「交牀(こうしょう)」とも言います。これは隋の煬帝が
   「胡」という字を嫌ったために改めたとされています。
 
 
解説:
 
 夏の七夕の夜にホタルを眺める、
 そんな光景を十六文字で詠んでみました。
 

 これは中国の宋の時代に流行った填詞(てんし)という歌曲の一つで、
 「十六字令(じゅうろくじれい)」と言います。
 
 簡単に説明しますと一文字の一句目がこの詩の主題を表していて、
 残りの三句でそれを説明します。その際に二句目と四句目で、
 一句目と同じ韻目(韻のグループ)の字で韻を踏むものです。
 興味のある方は、詳しくは下の付録をご覧下さい。
 
 
 合計十六文字の大変短いものですので、
 俳句のような気持ちで作ってみました。

 今回作っていましたところ同じ韻目で「光」と「涼」ができましたので、
 今回は二つ同時に更新しようと思いました。

 当初は「涼」を作る予定でしたが、
 川辺の別荘でホタルを眺めている状況は、
 同じ韻目の「陽」のグループの「光」の方が
 詩題として適切ではないかと思い、
 二つに分けることになりました。
 
 少し七夕の風景を思い浮かべながら作っていました。
 今日は雨なので天の川が見えないことは少し残念です。
 少しでも詩の中で光景を表現できていればいいなと思います。
 
 
 
 
 
付録:
 
 十六字令(じゅうろくじれい)の詳しい説明は、 Wikipedia の
 以下のページにあります。
 
 (日本語で説明をしている某サイトもありましたが、かみ砕いて
  説明するためにかなり脱線した解説になっていて
  正確さを欠いていました)
 

 十六字令 - 維基百科,自由的百科全書
 
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%85%AD%E5%AD%97%E4%BB%A4

 中国語のサイトですので中身を説明しますと、
 
 「十六字令(じゅうろくじれい)」は詞牌(しはい: 填詞の歌曲の節回し)
 の一つで、元の時代の詩人の周玉晨(しゅうぎょくしん)の
 同じ詞のタイトルから取ったものです。
 別名に「蒼梧謡(そうごよう)」、「帰字謡(きじよう)」などがあります。
 
 
 基本的には一句目の一文字にこの詞の主題となる文字にして、
 それを後ろの三句で説明するものです。
 その上で平仄のパターンが決まっています。
 
 この十六字令の平仄(ひょうそく: 古代中国の発音のルール)の
 パターンは次のようになります。
 
 一句目: ◎
 二句目: ▲ ● ○ ○ ▲ ● ◎
 三句目: ○ ○ ●
 四句目: △ ● ● ○ ◎
 
 ◎: 平声で韻を踏むところです。
 ○: 平声
 ●: 仄声
 △: 基本は平声ですが、仄声でも許されます。
 ▲: 基本は仄声ですが、平声でも許されます。
 

 十六文字で何かを言うというのは大変な制約ですが、
 俳句や川柳のように頭をひねって考えるのは楽しいなと思いました。
 
 この Wikipedia のページに載っている毛沢東の十六字令の「山」などは、
 雄壮な感じのする作品だなと思いました。
 いろんな詠み方がありそうだと思いました。
 

 次の記事は十六字令のもう一つの「涼」です。
 
 
 
 
 ホタルと七夕のイラストは、以下のページのフリー素材を利用しました。
 
 素材屋 Art.Kaede 無料イラスト
 

閉じる コメント(30)

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こちらも雨の七夕です。

涼やかなひと時を感じました。

2011/7/7(木) 午後 11:45 [ 風の翼 ]

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蛍は何年も見ていません、天の川はもう何十年も見ていない。
静かで優しい光りのある宵闇の雰囲気がよく伝わってきます。傑作。

2011/7/7(木) 午後 11:54 ひろちん。

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おはようございます。

夏の七夕の蛍・・・ 幻想的で素敵です。
そんな風景が みれたらいいですよね。
夢をふくらませるのは ・・・ ワクワクいたしますね。
画像も素敵です。 傑作ポチ♪

2011/7/8(金) 午前 8:24 [ ひつじ ]

yukari42 さん、コメントありがとうございます。
昨夜は曇天の中で天の川が見えなかったのはとても残念です。
天の川を見ているとホタルが、そんな光景に憧れています。
ホタルの群れているところに折りたたみ椅子を持っていきたいな、
そんなことを思いながら漢詩を作っていました。
七夕の夜に涼しい雰囲気になっていれば嬉しいです。
短い句で俳句のように詠むのもいいなと思いました。
こういう詩を詠んでみるのも楽しいなと改めて思いました。

2011/7/8(金) 午前 8:30 白川 玄齋

都会の蟷螂さん、コメントありがとうございます。
多くの記事にきちんとコメントをしていただいて、感謝しています。
竹が生えているのですね。良い飾りができそうですね。
毎年何とか笹を用意して短冊を書いています。
今年はささやかながら健康をお願いしました。
大阪でも晴れていてもあまり星空は見えないですね。
空気のきれいなところで見てみるときれいだろうなと思います。
ホタルは小学校の頃のキャンプとか、
高校の天文部の頃の合宿で見たことがあります。
川べりにびっしりといる姿はとてもすごかったです。
こういう記憶もうまく漢詩につなげたいなと思いました。

2011/7/8(金) 午前 8:43 白川 玄齋

風の翼さん、コメントありがとうございます。
全国的に雨の七夕なのですね。星空を確認したいなと思いました。
涼しい感じを出そうと考えていると、お題まで変わっていきました。
こちらの詩でも夏の涼しい雰囲気が伝えられて嬉しいです。

2011/7/8(金) 午前 8:46 白川 玄齋

ひろちんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
夜の静かな中で蛍の光を愛でてみたいな、そんな風に思いました。
実際の景色ではカエルの鳴き声も聞こえてきそうですね。
僕もホタルや天の川は、小さい頃の記憶になってきました。
Web ページを検索していろいろと見てみようと改めて思いました。

2011/7/8(金) 午前 8:52 白川 玄齋

ひつじさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
おはようございます。今日は朝から暑いですね。
七夕にホタル、こういう光景が全国のどこかあればいいなと思いました。
実際の体験を思い出しながら、いろんな事を想像していければいいなと思います。
七夕の夜のイラストをいろいろと探してきました。
イラストは幻想的な感じになっていていいなと思いました。

2011/7/8(金) 午前 8:57 白川 玄齋

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七夕。ほたる。。。 幻想的な光の絵ですね〜

韻の踏み方が・・・難易度たかいですね。
ステキですね!!

2011/7/8(金) 午後 1:09 ある おかん

ある おかんさん、コメントありがとうございます。
七夕の涼しい光景はどんな感じかと思い浮かべながら作っていました。
短い文字数なので、どんな字で韻を踏むかでかなり印象が違ってきますので、
韻のつく言葉を集めた本とにらめっこしていろんな言葉をノートに書いていきました。
いろんな韻で漢詩を作るといろんな言葉を覚えることを実感しています。
時にはもっと難しい韻でも作っていくのも良いなと思いました。
いろんな漢詩を作りながら学んでいこうと思いました。

2011/7/8(金) 午後 3:01 白川 玄齋

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玄さん、目を閉じて天の川に蛍の結びが良いですね。
静けさに光が遠ざかる光景が浮びます。
このような俳句の感覚も良いです。ポチ

2011/7/8(金) 午後 9:16  HOSI 

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風流ですね・・季節感が滲みでています。
今はその、日本古来の慣習さえも、忘れ去られていて、寂しいです。
私の、職場では皆さんに願い事を書いてもらいました。
皆さんの短冊に綴る真剣な顔が、笑顔に変わった時は、慣習であった、七夕まつりを開催して良かったとおもいました。

短い文字数でも伝わっています。。。ポチ☆

2011/7/8(金) 午後 9:44 [ さんぼうやま ]

こんばんは✿(^-^*)
*流螢 耿として
月下 胡牀を繞る*
を読ませていただき、自分でも思い浮かべていたところ
飛んでいく蛍が目に浮かび、
現代語訳の
*飛んでいるホタルがぽっと小さく輝き、
月光のもと、折りたたみの腰掛けの周りを取り巻いていた*
を読ませていただき
少しでも思いが重なることができたようで嬉しかったです✿
銀河は天の川のことなのですねっ

傑作ポチッ♫☆。.:*:・'°★°'・:☆*゜・+♬*゜・+✿

2011/7/8(金) 午後 10:12 ゆーみん♪

ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
七夕の夜に蛍の舞う光景を想像していただいて嬉しいです。
自然の風景もうまく詠んでいくことができればいいなと思います。
また少しずつがんばっていきます。

2011/7/9(土) 午前 9:43 白川 玄齋

さんぼうやまさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
僕の家でも何とか笹飾りを作りました。
季節のイベントを続けていくのも結構大変だなと思います。
短冊への願いは、今年はとても切実なものになると思います。
少しでも多くの人が笑顔になれる、そんな機会が作れたのは素晴らしいなと僕も思います。
短い文字数と長い文字数、いろんな形に慣れていきたいです。
退院後にはしっかりと学びながら作っていこうと思います。

2011/7/9(土) 午前 9:47 白川 玄齋

ゆーみんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
詩のイメージが書き下し文からも想像できたのですね。安心しました。
読者と詩のイメージを共有できる分かりやすい表現を使いながら、
詩が短調にならないように配慮する、
この丁度良い具合を修得したいなと常に思います。
またゆっくりと漢詩を作っていこうと思います。

2011/7/9(土) 午前 9:56 白川 玄齋

へえ〜!〜!?こんな形の詩があるんですね―ビックリ!しました。中国版俳句ですねえ!

2011/7/9(土) 午後 0:16 [ guutaratei ]

guutaratei さん、コメントありがとうございます。
僕の師匠の不孤さんも同じく十六字令を作っていました。
その時のお題は「穹(そら)」ですね。
よろしければトラックバック先の不孤さんの記事も見てきて頂ければと思います。
それを見て僕も今回挑戦してみました。
文末の「付録」の内容は改めて僕が中国語のサイトを調べてみたものです。
短い詩というのも楽しいなと思いました。
またいろんな漢詩を作ってみようと思いました。

2011/7/9(土) 午後 2:21 白川 玄齋

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日中があまりに暑くて、涼を求めてまた来てしまいました。
ほたるの情景に懐かしさもあり、ゆっくりしました。

2011/7/10(日) 午前 0:39 [ 風の翼 ]

風の翼さん、コメントありがとうございます。
今日も暑くなりそうですね。体調には気をつけようと思います。
夜の川縁で蛍を眺める光景で、気分だけでも涼しくなっていただけると嬉しいです。
僕も小さい頃を思い出しながら漢詩を作っていました。
自然の光景も良いなと思います。

2011/7/10(日) 午前 8:43 白川 玄齋


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