玄齋詩歌日誌

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漢詩

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  獨聽亂蛩  玄齋  (下平聲十一尤韻)
 
 薄 暮 懷 人 已 早 秋
 
 暗 蛩 坐 聽 只 啾 啾
 
 繁 辭 盡 處 詩 成 處
 
 胸 裡 殘 炎 向 汝 投
 
 
 
書き下し文:
 

  題「独り乱蛩(らんきょう)を聴く」
 

 薄暮に人を懐わば已に早秋
 
 暗蛩 坐に聴けば 只だ啾啾たり
 
 繁辞の尽くる処 詩の成る処
 
 胸裡の残炎 汝に向かって投ぜん
 
 

現代語訳:
 

  題「一人でコオロギの乱れ鳴くのを聴く」
 

 夕暮れ時にあなたのことを考えていると、
 すでに秋の初めの季節が感じ取れます。
 
 なんとなく、どこからかコオロギの鳴き声がするのを聴いていると、
 ただすすり泣くような声に聞こえるのです。
 
 手紙の文面の長々しい文章が尽きたときに、ちょうど詩が完成し、
 
 私の胸の内にまだ消えずに残っている炎を、
 あなたに向けて送ろうと思います。
 
 
語注:
 

 ※乱蛩(らんきょう): コオロギの乱れ鳴く様子を示す言葉です。
 
 ※薄暮(はくぼ): 夕暮れ時のことです。
 
 ※懐(おもう): 思い慕うことです。
 
 ※已(すでに): 「もう」という意味です。
 
 ※早秋(そうしゅう): 秋の初め頃のことです。
 
 ※暗蛩(あんきょう): どこからともなくコオロギの鳴き声が
   聞こえてくることです。
 
 ※坐(そぞろに): 何となく、という意味です。
 
 ※啾啾(しゅうしゅう): 虫などの鳴き声がすすり泣くように聞こえることです。
 
 ※繁辞(はんじ): 手紙のくどくどしい言葉のことです。
 
 ※胸裡(きょうり): 胸の内のことです。
 
 ※残炎(ざんえん): 燃え残りの炎のことです。
 
 

解説:

 
 コオロギの鳴く声を聴きながら手紙や詩を作る、そんな光景を詠んでみました。どの巻か忘れましたが、『源氏物語』にも、情が高まって自分の気持ちを散文で綴るのが難しいときに、韻文(源氏物語の中では短歌のことです)を作る、などという一節がありました。僕も普通の文章ではどうにも表現できないときに、漢詩を作るようになりました。漢詩は制約の多いものなのですが、そこにうまいことはまる言葉が見つかる、そうやって予想以上のものが出来上がると嬉しくなります。
 
 
 まだまだ暑い日が続いていますね。そんな中でまだまだ燃え残っている気持ちを、きちんと漢詩や文章に表したいなと思いました。僕自身の気持ちを表現する良い言葉を探していきたいなと思います。

閉じる コメント(23)

秋近きこの季節^^

耳澄ませば聞こえる声は虫の声♪
優しさを与えし静かな声に何を感じようか・・・

辿り着く先は自分の想い^^
なんて事感じました(笑)

2011/9/18(日) 午後 9:14 ミライサク

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残炎という単語に、ぞくっとしました。
私は残炎に油を注ぎたい。
ちろちろと残る炎も煩悩も消してはならないと直感するのです。
荒井由美もそういっているような気がします。

無関係ですが、おでんが美味しいのは残炎程度の炎が、おでんをいい温度に保っているからですが、新しいおでんのためには、新たな薪が必要です。
臥薪嘗胆としての薪ではなく、油です。
圧倒的な感情の嵐です。

なんのこっちゃ、わからんでごめんなさい。

2011/9/18(日) 午後 11:55 [ 屋根裏の秘密 ]

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残炎にほどよく薪をくべるのは至難の業です、だいたい一気に放り込みすぎる。
まあ、それでこそ男女の仲は面白いのでしょうけど^^
それにしても夏の残炎はいい加減にして欲しい…。傑作。

2011/9/19(月) 午前 1:02 ひろちん。

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ロマンチックな詩ですね。(^^)
素敵です。
ぽち。

2011/9/19(月) 午前 1:52 モル

清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
秋の漢詩をいろいろと作っていこうと思います。これからもがんばります。

2011/9/19(月) 午前 8:11 白川 玄齋

ピンパパさん、コメントありがとうございます。
秋の漢詩の中で、お相手の方への気持ちを詠んでみようと思いました。
結句はやや冒険的な表現ですが、こういう表現をもっと深めていきたいなと思います。
漢詩をきちんと勉強しながら、人の心というものをきちんと理解して、
お相手の方との不思議な縁を大切にしていきたいなと思います。

2011/9/19(月) 午前 8:15 白川 玄齋

ミライサクさん、コメントありがとうございます。
虫の声を聴いて、いろんな気持ちになる心情を詠んでみました。
お相手の方への気持ちにどうつなげるかを考えていました。
この点ではもっともっと良い表現をしていきたいなと思いました。

2011/9/19(月) 午前 8:18 白川 玄齋

九太郎さん、コメントありがとうございます。
煩悩を消してはならない・・菩薩の生き方ですね。
人のために働くには煩悩を消すことはできないということですね。
残炎を保つには油、つまり大量の感情が必要ということですね。
僕もきちんと感情を表に出していって、お相手の方へのこの気持ちを
きちんと維持していきたいなと思います。

2011/9/19(月) 午前 8:24 白川 玄齋

ひろちんさん、コメントありがとうございます。
調整して燃やしていくことは困難だとしても、
常に火の番をして燃え具合を確かめたいなと思いました。
夏の残炎を僕のお相手の方への気持ちに置き換えて詠んでみました。
夏の暑い気候は、もうそろそろで穏やかになっていきそうですね。
秋の季節を味わっていきたいなと思います。

2011/9/19(月) 午前 8:34 白川 玄齋

モルさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
お相手の方との不思議な縁から、このような漢詩を作ることが増えてきました。
いろんな漢詩を作っていきたいなと思います。

2011/9/19(月) 午前 8:37 白川 玄齋

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恋人への思いの漢詩、いいですね。
歌心のない小生には絶対無理です。

2011/9/19(月) 午後 8:53 [ 栗の木童子 ]

こんばんは✿
優しいけれど、情熱的な漢詩だと
思いました。
玄さんは次々に色々な漢詩を作られて
凄いですね*゜✽。+*✽
傑作ポチッ♫✿ *゜・+♪*゜・+ ♫☆:;;;:☆ ♫:;;;: ♫

2011/9/19(月) 午後 10:08 ゆーみん♪

栗の木童子さん、コメントありがとうございます。
結句の「残炎」などは、もう少し検討する余地があるなと思いました。
きちんとこういう思いを表現できる漢詩を作りたいなと思います。

2011/9/20(火) 午前 7:48 白川 玄齋

ゆーみんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
表現方法についてはもっともっと工夫していきたいなと思いました。
漢詩できちんと想いをあなたに届けられるようにがんばります。
漢詩以外でもいろんな場面できちんとしていかなければと思います。

2011/9/20(火) 午前 7:52 白川 玄齋

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季節と時の流れと、穏やかな中にもあふれる愛が感じられ
ます。
「残炎」はちょっと ドキッとする単語ですね。
訳をよんでからは 穏やかな響きにかわりました。

2011/9/20(火) 午後 0:54 ある おかん

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秋の情景の中で
想いを綴られる・・・
なんて素敵なんでしょう♪
漢詩にも柔らかさ、優しさを感じましたよ。
玄さん、ポチ〜です。

2011/9/21(水) 午前 7:36 風花

ある おかんさん、コメントありがとうございます。
「残炎」、こういう使い方は漢詩では普通はないかもしれません。
少し冒険的な表現なのです。お相手の方への思いを単語に込めました。
もっと情感を表現する言葉に熟練したいなと思いました。

2011/9/22(木) 午前 7:31 白川 玄齋

y5812y さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
秋の漢詩のいろんなパターンを考えていきたいなと思いました。
お相手の方への気持ちを、単調にならないように詠んでいきたいなと思います。
いろんな形で工夫していきたいなと思います。

2011/9/22(木) 午前 7:35 白川 玄齋

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玄さん読んでいて引き込まれる漢詩です。
何ごとも経験で書く事は生きている漢詩と思います。
源氏の世界と錯覚起こします。嬉しい漢詩に☆☆

2011/9/25(日) 午後 8:40  HOSI 

ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
今回は少し冒険的ですが、お相手の方への気持ちを表現する言葉を探っています。
読んできているいろんな本のことも、きちんと漢詩に反映させていきたいです。

2011/9/27(火) 午前 8:21 白川 玄齋


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