玄齋詩歌日誌

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漢詩

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  看水芙蓉  玄齋  (上平聲二冬韻)
 
 日 升 無 看 閉 芙 蓉
 
 人 憶 舊 年 忘 老 容
 
 獨 愛 眞 情 謂 君 子
 
 專 心 自 傚 後 凋 松
 
 
 
書き下し文:
 
 
  題:「水芙蓉(すいふよう)を看(み)る」
 
 
 日は升りて 看ること無し 芙蓉の閉ずるを
 
 人は旧年を憶いて老容を忘るればなり
 
 独り真情を愛して君子と謂い
 
 専心なること自ら後凋の松に傚わん
 
 
 
現代語訳:
 
 
  題:「蓮(ハス)の花を見る」

 日が昇ってくると、誰も蓮(ハス)の花が閉じるのを看ることはないのです。
 
 人は前の年に思いをはせて、自分の老いた姿さえも忘れるからなのです。
 
 私は一人だけ、そのハスの花のありのままの姿を愛して、
 あなたを気品のある花にたとえて「君子(くんし)」と呼び、
 
 あなたのことばかり考え、寒くなってもなかなか枯れることのない
 松の姿を見習って、自分の思いを変えることがないのです。
 
 
 
語注:
 
 ※水芙蓉(すいふよう): 蓮(ハス)の花のことです。
 
 ※升(のぼる): 日が昇ることです。
 
 ※旧年(きゅうねん): 去年のことです。
 
 ※老容(ろうよう): 老いた姿のことです。
 
 ※真情(しんじょう): ありのままの姿のことです。
 
 ※君子(くんし): 蓮の別名の「君子花(くんしか)」を指します。
  (宋の周敦頤(しゅうとんい)の「愛蓮説(あんれんせつ)」より)
 
 ※専心(せんしん): 一つのことに集中する、そのことばかりを
   考えることです。
 
 ※後凋松(こうちょうのまつ): 寒くなってもなかなか枯れない松を、
   道理をきちんと守る人のたとえに使う言葉です。
    『論語』子罕第九の篇「子曰,歳寒。然後知松柏之後彫也。
    (子曰く、歳(とし)寒くして、然る後、松柏の後(のち)に
     彫(しぼ)むを知るなり)」
   (私訳: 寒い季節になってから後になって、松や柏がやっと枯れて
    しぼむように、人の真価は苦しい状況になって初めてわかるものだ)
 
 ※傚(ならう): 見習うことです。
 
 
解説:

 蓮の花について詠んだものです。ちょっと理屈っぽいですが。
 
 蓮の花は早朝に開いて、しばらくすると閉じてしまう、
 そんな性質があります。その閉じた花を眺める人は
 そういないものと思います。
 
 それと同じで、相手の良い所、自分にとって都合のよい状況ばかりを
 愛してはいないか、ということを考えていました。
 
 相手のありのままを愛する気持ちと、相手への変わらない気持ちと、
 両方ともきちんと持ち続けたいなと思いました。
 
 今は漢詩をいろんな形で作っていきたいなと思っています。
 
 
付録:
 
 「君子花(くんしか)」というのは、宋の周敦頤(しゅうとんい)の
 「愛蓮説(あんれんせつ)」から引用したものです。
 
 周敦頤(しゅうとんい)は朱子学の朱熹(しゅき)に影響を与えた
 兄弟の「二程(にてい)」の家庭教師をしていた人で、
 朱子学の源流をなしている人です。
 
 この文章は、蓮の泥から出た清らかな姿を愛でて、
 蓮を愛する人が少ないことから、蓮を君子(くんし: 修養が出来た立派な人)
 に、たとえて、君子を目指すことが少ないことを嘆じた、
 そんな内容のものです。
 
 以前にも紹介したもので、美しい名文ですので、
 ここで紹介しようと思います。
 以下に書き下し文と、僕なりの現代語訳をつけました。
 僕もこのような名文を作れる境地になってみたいなと思います。
 
 
   愛蓮説    北宋 周敦頤
 
  水陸艸木之花、可愛者甚蕃。晋陶淵明獨愛菊。自李唐來、
  世人甚愛牡丹。予獨愛蓮之出淤泥而不染、濯清漣而不妖、
  中通外直、不蔓不枝、香遠益清、亭亭浄植、可遠観而不可褻翫焉。
  予謂、菊花之隠逸者也、牡丹花之富貴者也、蓮花之君子者也。
  噫、菊之愛、陶後鮮有聞。蓮之愛、同予者何人、牡丹之愛、宜乎衆矣。
 
 
 書き下し文:
 
  水陸草木の花、愛すべきもの甚だ蕃(しげ)し。
  晋の陶淵明(とうえんめい)独り菊を愛す、
  李唐よりこのかた、世人甚だ牡丹を愛す。
  予(われ)独り蓮の淤泥(おでい)を出でて染まらず、
  清漣(せいれん)に濯(あら)わるるも妖とならず、
  中は通じ外は直に、蔓せず枝せず、香り遠くして益々清く、
  亭亭として浄く植(た)ち、遠くに観るべきも
  褻翫(せつがん)すべからざるを愛す。
 
  予(われ)謂(おも)へらく、菊は花の隠逸なる者なり、
  牡丹は花の富貴なる者なり、蓮は花の君子なる者なり。
 
  噫(ああ)、
  菊をこれ愛するは、陶の後に聞く有ること鮮(すくな)し。
  蓮をこれ愛するは、予(われ)と同じき者は何人ぞや。
  牡丹をこれ愛するは、宜(うべ)なるかな衆(おお)きこと。
 
 
 私訳:
 
 
  水中や陸に生えている草木の花は、愛すべき者がとても多い。
  晋の陶淵明は一人で菊を愛し、李氏の治めた唐の時代以来では、
  世間の人は非常に牡丹を愛している。
 
  私はただ一人、蓮を愛している。
  蓮の泥から水の上に出てきて汚れに染まることなく、
  きれいな漣(さざなみ)に洗われても妖しくなまめかしいものにならず、
  茎の中にはきれいな水が通っており、茎はまっすぐに立っており、
  蔓(つる)や枝が伸びることもなく、香りは遠く離れると
  ますます清らかな香りになり、高くそびえ立ってけがれもなく生えており、
  遠くに観ることはできても、近くでもてあそぶことができない、
  そんな清らかな姿を愛しているのだ。
 
  私はこのように思っている。
  菊は花の隠遁者(世の中を逃れて隠れている人)であり、
  牡丹は花の富豪であり、
  蓮は花の君子(修養の出来た立派な人)であると。
 
  ああ、世の中が平穏になって隠遁者が少なくなったように、
  菊を愛する者は陶淵明以来、聞くことが少なくなった。
  人々が君子を求めるのはいつの世でもまれなものであるように、
  蓮を愛することが私と同じ者はいったいどれほどいるものだろうか。
 
  どんな世の中でも富を求めるものが多いように、
  牡丹を愛する者が多いのは、私もうなずけるのだが。 

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玄様。9*20 誰=オランウータン。 正解です。 エスペラント=Orangutango. 英= Orangutango. 独=der Orang-Utan. 仏=l'Orang-outan.西=el Orangután. 頭脳明晰。明日もよろしく。

2011/9/20(火) 午後 10:58 esp*7*8

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おはようございます。

玄さんの作られた漢詩に、深く感銘しています。
どんなに勉強をこれまでなさってきたのでしょう・・・
難しい意味を持つ言葉のひとつひとつをご自分の言葉とし、
心を映してこうしたすばらしい漢詩をお作りになる・・・
読ませて戴ける私は幸せです。
もう一度読み返して、言葉の持つ意味を楽しみたいと思います。
大ポチです♪

2011/9/21(水) 午前 7:24 風花

なつめさん、コメントありがとうございます。
お相手の方への思いを、自分の学問の中でも表現できるものを選んでみました。
こういう漢詩をいろんなパターンで作っていきたいなと思います。

2011/9/22(木) 午前 7:50 白川 玄齋

清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
いろんな漢詩を作っていきたいなと思います。またがんばります。

2011/9/22(木) 午前 7:51 白川 玄齋

ひろちんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
泥の中から出てくる姿、とても美しいものを感じます。
近くから見ても遠くから見ても清らかな感じなのが良いなと思います。
お相手の方を表現するのに蓮の花を選んでみました。
さざなみに揺れる姿・・・また確認してみたいなと思いました。

2011/9/22(木) 午前 8:03 白川 玄齋

ふっこさん、コメントありがとうございます。
愛蓮説の周敦頤が蓮の花を「君子」といった意味が、
お相手の方への気持ちを表現するのにぴったりだと思っていました。
僕自身の学問もあまりかたくなにならず、
自然に表現できるようになればいいなと思います。

2011/9/22(木) 午前 8:03 白川 玄齋

えすちゃんさん、コメントありがとうございます。
「オランウータン」の別名を知っていれば分かる問題でしたね。
また時々挑戦していきます。

2011/9/22(木) 午前 8:04 白川 玄齋

y5812y さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
宋の時代の学問はかなり勉強しています。
漢詩に使えるものが結構あるので、それを何とかひねり出していきたいなと思います。
お相手の方の気持ちを表現するための言葉をいろいろと探っています。
自分の日々の行動も、学問と同様にきちんと行動できればいいなと思います。

2011/9/22(木) 午前 8:05 白川 玄齋

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漢詩を読みハスの花の写真を見るとまさにピッタリです。

2011/9/22(木) 午前 10:11 [ 栗の木童子 ]

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このごろ、コメント出来なくてすいません。
今回もまたいい詩ですね。
絵と詩が合っていて想いがたくさんこもっていて、
とても勉強になります。
これからも、いい詩待ってます。
また、コメントも増やしていきたいと思います。
ブログのほうも時間があるときに更新したいと思うので来てくださいね。
※まだ、更新できそうにないですけど、頑張って時間見つけます。

それでは、次の詩楽しみにしています。

2011/9/22(木) 午後 8:36 [ korikori1997 ]

栗の木童子さん、コメントありがとうございます。
お相手の方への想いを、清らかな蓮の花にたとえました。
こういう漢詩を作っていければいいなと思います。またがんばります。

2011/9/23(金) 午前 7:17 白川 玄齋

korikori1997 さん、コメントありがとうございます。
お相手の方への想いを込めた詩です。その人が好きなのです。
今回は教養と真情の重なった漢詩を作っています。
またいろんな方のブログを回る中で、時折ブログを訪問します。

2011/9/23(金) 午前 7:21 白川 玄齋

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玄様、はせはしんどいです。
でも、懐かしくて立ち寄りました。
コメントください。

2011/9/23(金) 午前 9:13 はせばあ

はせさん、コメントありがとうございます。
しんどいのでしたら、無理をなさらなくて良いですよ。
先ほどコメントしました。またよろしくお願いいたします。

2011/9/23(金) 午後 1:20 白川 玄齋

蓮の花は好きです。
どこかはかなげでそれでいて清く美しい
その様な印象がありました。
玄さんの現代語訳と愛蓮説をしっかり読ませていただきました。
どちらも切なく伝わるものがあり、想いの深さを感じられます。
それでいてくどくなく気持ちの良い美しい漢詩ですね✿

菊も牡丹も素敵だけれど…
*私はただ一人、蓮を愛している*
この部分がなぜかジーンときました。
多くの方に想われるよりも、ただ一人の方にこれほどまでに想われる
蓮の花はだからこそ美しいのかもしれません✿
傑作ポチッ♫☆✽。+*✽ +*✽ +*✽ '・:☆*゜・+♬*゜・+✿

2011/9/23(金) 午後 7:38 ゆーみん♪

ゆーみんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
直接表現するだけよりも、なにかに託して言う方がきちんと伝わるのではないか、
そう思って必死に言葉を探していました。
自分の勉強している範囲で見つかって、本当に嬉しくなりました。
僕だけが愛する君子花、そんな風にあなたを考えています。
ただ一人の人が想う存在、そんな風にして大切にしていきたいなと思いました。
これからもいろんな漢詩を作っていきます。
日々の生活もきちんとがんばっていきます。

2011/9/24(土) 午前 6:41 白川 玄齋

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蓮の花で、いろいろな事が考えられますね。

私は朝弱いせいか、蓮の花の記憶があまりありません。
ですが、きれいなものですね。

2011/9/25(日) 午後 8:05 [ Kapok ]

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蓮の花の丸くおおらかな花びらが好きです。
田舎の裏に蓮池があり数年前に誰かが一輪投げたそうです、
いまは一面に咲いています。
一つ々言葉に勉強している玄さんが感じます。蓮の花のような方かしら☆☆

2011/9/25(日) 午後 8:55  HOSI 

Kapok さん、コメントありがとうございます。
健康なときは、早朝に起きて見に行ったことがあります。
早起きして見る価値はあるなと思いました。
今となっては、そういうものをきちんと詩句の中におさめたいなと思います。

2011/9/26(月) 午後 2:24 白川 玄齋

ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
一面の蓮池ですか。壮大な眺めですね。
お相手の方への気持ちを表現するために、
詩句一つ一つにきちんと意味を込められるようにしようと思っています。
その方をきちんと眺めていたいなと思います。

2011/9/26(月) 午後 2:30 白川 玄齋


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