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仁和寺の観音堂
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http://www.yunphoto.net 讀觀音經・其一 玄齋 (下平聲十二侵韻)
三 十 三 身 本 義 深,
人 間 一 切 是 觀 音。
有 情 偏 欲 心 清 淨,
懐 汝 戚 然 知 苦 箴。
讀觀音經・其二 玄齋 (上平聲十三元韻)
忍 土 如 看 浄 土 存,
養 痾 毎 憶 汝 芳 恩。
困 知 勉 行 纔 窺 道,
心 發 蓮 華 憩 小 園。
書き下し文:
題「観音経(かんのんきょう)を読む・その一」
三十三身の本義は深し,
人間の一切は是れ観音なりと。
有情 偏に心の清浄ならんと欲すれば,
汝を懐うて戚然たるも 苦箴と知れり。
題「観音経(かんのんきょう)を読む・その二」
忍土に浄土の存するを看るが如くに、 痾を養えば毎に汝が芳恩を憶う。
困知勉行 纔に道を窺えば,
心に蓮華を発きて小園に憩わん。
現代語訳:
題「観音経(かんのんきょう)を読んだときの感想を詠みます・その一」 観音(かんのん)さんが尊い地位を離れて汚れた現世まで
降りてきて、三十三種類の姿に変わって仏の教えを説いて 救ってくれるという部分の本当の意味は、深いところにあるのです。 それは、世の中のあらゆることは観音さんであるということです。
まだ悟りに達していない私も、ひたすらに心を清らかに
することを求めていれば、 あなたのことを想って憂いて悲しむこの状況も、
私にとっては懇切丁寧(こんせつていねい)な戒めであると分かるのです。 題「観音経(かんのんきょう)を読んだときの感想を詠みます・その二」
この観音経(かんのんきょう)の道理が示しているように、
人間が苦しみに耐えるこの世に極楽浄土を見るように、 病気の療養しているときには、常にあなたの恩を感じています。
苦心して物事の道理を知って、努力してその道理に従って行動する、
そうしてわずかに道理をうかがい知ろうとするときにも、 心の中に蓮の花を開かせて、小さな庭園に安らぐような
気持ちになります。
語注:
※観音経(かんのんきょう): お経の中でも特に有名な、 『法華経(ほけきょう)』の中の章の一つで、実際の名前は 「観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん)」 と言います。観音さん、つまり観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が 尊い地位を離れて汚れた現世に降りてきて、 どのように人々を救うかということをテーマにした部分です。 ※三十三身(さんじゅうさんしん): 『観音経』の主要部分で、
観音(かんのん)さんが尊い地位を離れて汚れた現世まで 降りてきて、三十三種類の姿に変わって仏の教えを説いて 救ってくれるという部分を示しています。 ※本義(ほんぎ): 物事の本来の意味のことです。
※人間(じんかん): 世間のことです。
※有情(うじょう): 仏教の言葉で、喜怒哀楽の感情を持つ者を指します。
まだ悟りに達していない人間とか、その他のすべての生き物を 指します。
※戚然(せきぜん): 憂いて悲しむことです。
※苦箴(くしん): 懇切丁寧(こんせつていねい)な戒めのことです。
ここでの「苦」は苦しいという意味ではなくて、 「ねんごろに」、つまり「丁寧に」という意味を表しています。 ※忍土(にんど): 「娑婆(しゃば)」の漢訳(かんやく)です。
人間が煩悩の苦しみに耐えるこの世を指して言います。 ※浄土(じょうど): 汚れや迷いのない土地のことで、極楽を指します。
※養痾(ようあ、あをやしなう): 病気の療養をすることです。
※芳恩(ほうおん): 相手から受けた恩を尊敬していう言葉です。御恩のことです。
※困知勉行(こんちべんこう): 儒教の経典である『中庸(ちゅうよう)』の
中の言葉で、苦心して物事の道理を知って、努力してそれを 実行することです。「行」は「おこない」で仄声です。
(仏典の漢詩に儒学の言葉を入れるのはどうなのかとも思いましたが、 自分の気持ちに近いものを感じてこの言葉を入れました)
※纔(わずか): 「僅か(わずか)」と同じです。
※発(ひらく): 花が開くことです。
※小園(しょうえん): 小さな庭園のことです。
解説: 『観音経(かんのんきょう)』を読んだ感想です。 読み直して、お相手の方との日々を思い浮かべていました。 僕の宗派とは関係がないのですが、漢詩の教養の一環として お経の勉強をしています。
『観音経(かんのんきょう)』は最も有名なお経である
『法華経(ほけきょう)』の中の章の一つで、実際の名前は 「観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん)」 と言います。観音さん、つまり観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が 尊い地位を離れて汚れた現世に降りてきて、 どのように人々を救うかということをテーマにした部分です。 三十三身(さんじゅうさんしん)とは、『観音経』の主要部分で、
観音(かんのん)さんが尊い地位を離れて汚れた現世まで 降りてきて、三十三種類の姿に変わって仏の教えを説いて 救ってくれるという部分を示しています。 これは別に三十三種類と数が決まっているわけではなくて、
いろんな姿で表れて、教えを説く、もっと具体的に言うと 自分にいろんな事を気づかせてくれる、ということを述べているのです。 今はやりの、新大関が使った四字熟語、「万里一空(ばんりいっくう)」、 宮本武蔵(みやもとむさし)の『五輪書(ごりんのしょ)』に出てくる言葉で、 武蔵は自分が得た境地に似通ったものを、この観音経に 見いだしたのではと思います。
どういう境地かと言うことを一応「説明」するとすれば、
自分の心を、自分の心の中に観音さんを見いだせるほどに 清らかにして、そして回りの世界に目を向けてみると、
世の中のあらゆることがある一つのものとして見えてくる、
それは観音経の中では観音さんなのです。
あらゆるものを観音さんとして見る、そのような境地を宮本武蔵は
万里一空と呼んでいたのだと思います。
ただこんな言葉は単なる説明であって、それをきちんと身につけるには
武蔵のように長年の鍛錬の結果に得られるものではないかと思います。 自分の心が観音さんで、回りの世界はすべて観音さんだなどという 気持ちで、丸一日もまともに生活できないのが僕たちの
日常なのだと思います。
こんな境地を極めようとしている新大関はすごいなと思います。 明の時代の儒学者である王陽明(おうようめい)の言行録である
『伝習録(でんしゅうろく)』の中では、彼の門人が、 「先生、道を行く人々が全員、聖人(せいじん)であることが初めて 分かりました」
観音経では観音さんである部分が、王陽明の教えでは聖人に なっているのです。
この門人はどこかでこういう知識を聞き知って得意になったのでしょう。 このあと陽明にたしなめられています。 僕もこういうことにならないように気をつけたいなと思います。 そのような気持ちで自分の身の回りを見てみると、日々の思い悩みや 病気の中にも自分を戒めるものや自分を助けてくれるものを 見いだせるようになってきました。お相手の方への感謝の気持ちを より強く感じてきました。
観音経の中に、一人の商人が多くの商人を引き連れて、
宝物を運んで険しい道を進んでいるときに、その中の一人でも 観音さんの名前を唱えると、恐れの気持ちがなくなるという 一節があります。重要なのはこの「一人」なのです。
ある一人の出会いによって先の展開が
がらりと変わる、そんなことを人生の中で何度か体験をしています。 僕はそれを僕の漢詩の師匠やお相手の方に日々感じています。
日々常に感謝の気持ちを感じていて、恩返しと同時に、 僕はお相手の方にとっての「一人」であるかどうか、 日々きちんと努力をしながら。
常に問いかけながら生きていきたいなと思います。 これからもどんどんがんばっていこうと思います。
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漢詩
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おはようございます。此の素晴らしい漢詩に応援の☆ポチですよ!Facebook清水太郎でお友達になっていただきありがとうございます、大活躍なのですね!これからも宜しくお願いします。
2011/10/18(火) 午前 9:39 [ 清水太郎の部屋 ]
清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
これからも少しずつがんばっていきます。
2011/10/18(火) 午前 10:54
暖かな観音様の胸に抱かれて幸せを感じる。
玄様に帰って来た幸せの日々を共に喜びます。
ポチです。
2011/10/18(火) 午前 11:28
はせさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
師匠やお相手の方を初め、いろんな人に感謝の気持ちを持ちたいなと改めて思いました。
これからもきちんと勉強して漢詩を作って、
日々がんばっていきたいなと思います。
2011/10/18(火) 午前 11:43
人間のなかには菩薩も悪魔もいる。
菩薩の声を聞き悪魔を遠ざけることは凡人には難しいことです、でもそれに近づこうとすることは出来ると考えています。傑作。
2011/10/18(火) 午後 0:06
ひろちんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
いろんな人が居る中でも、何とかうまく世の中を渡っていければいいなと思います。
そのためにもいろんな事を学んでいければいいなと思います。
2011/10/18(火) 午後 1:25
自分の為より人様の為にと思い日々おりますが、やはり私は凡人で
いつの間にか私が・・私は・・・と言っている自分がいます。
玄さんの謙虚な生き方を私も学ばなければと思っています。
ありがとうございます。ぽちです。
2011/10/18(火) 午後 9:46
y5812y さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
病気の中で、今置かれている環境の幸せやいろんな事に、
改めて気づかされました。とりわけお相手の方のことを思いました。
これに対してきちんと努力をした上で応えたい、そう思っています。
2011/10/19(水) 午前 9:56
こんばんは✿
玄さんは、とても勉強熱心ですよね。
学ぶことが好きで、漢詩をどんなに大切に思っているか
いつも伝わってきます。
そして、どんなことに対しても真摯に受け止める姿勢は
とても素敵だと思います。
これからも玄さんのつくられる漢詩を楽しみにしております✿
傑作ポチッ✿+:;;:+♫+:;;:+✿+:;;:+♫+:;;:+✿+:;;:+♫+:;;:+✿
2011/10/20(木) 午後 11:42
ゆーみんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
常にいろんな本を読んで、漢詩の材料となるものを探っています。
そうして次第に僕自身の気持ちに近い漢詩が作れるようになってきました。
あなたという、僕にとっての「一人」の存在によって、
僕の漢詩も人生も、とてもよい方向に変わってきたと思っています。
僕がきちんとあなたにとっての「一人」になりうるように、
日々努力してきたいなと思います。
またこれからもがんばっていきます。
2011/10/21(金) 午前 8:00