玄齋詩歌日誌

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曹操

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Illustrated by : 月とサカナ
 
 
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 この記事は、曹操の詠んだ漢詩、「気出唱(三首)其一」の現代語訳と
 解説になります。コメント欄はこちらに設けています。
 
 
 ちなみに、原文と書き下し文と語注については、
 以下のページの記事を参照して下さい。
 
 
 曹操の詠んだ漢詩、「気出唱(三首)其一」の
 原文と書き下し文と語注です。
 
 
 
 
●現代語訳:
 
 
 題:「自分の気を吐き出して詠みました・三首のうちのその一」
 
太陽が載っている六匹の龍の引く車に乗り、風に乗って行きました。
四つの海に囲まれた天下を行き、
道を下って、八方にある全世界の国々に行きました。
次々に高い山を登っていって、高い所から谷を眺めて、
雲に乗って行きました。
 
四つの海に囲まれた天下の外へ行き、
東の方にある、古来より天子(皇帝)が即位のために天地を祀(まつ)る
封禅(ほうぜん)の儀式を行う泰山(たいざん)にやって来ました。
仙人と仙女(せんにょ)が空から降りてきて忙しく往来していました。
太陽の神が乗っている六匹の龍の引く車に同乗して、
飲むと不老不死になるという水を飲みました。
川の水は尽きて、東に流れることはなくなりました。
心の中の憂いの気持ちを解きほぐして、
不老不死になるという水を飲みました。
 
さらに旅を続けて、東の海の島にある、仙人が住むという
蓬莱山(ほうらいさん)にやって来ました。
そしてさらに空を昇って、天の神の宮殿の門の所までやって来ました。
玉(ぎょく)のような美しい石で飾り付けられた美しい門の辺りに来る頃に、
宮殿の中の徳の高い仙人に呼ばれて、入ることができました。
そうして、伝説の仙人である赤松子(せきしょうし)と
向かい合うことができました。
彼は古代の帝王の、農業と医薬を教えた神農(しんのう)の治世の頃に
雨乞いの儀式などを司るシャーマンであった人で、
のちに西にある崑崙山(こんろんさん)という山で西王母(せいおうぼ)
という仙女のもとで仙人になったという人物です。
 
その赤松子(せきしょうし)と向かい合う時に、
四方を見渡して(身分が高い人への礼儀として)周囲に気を配り、
そして向かい合ってみると、まさしくきらびやかで輝ききらめいている
姿が見えました。
その時に玉のような自分の良い素質が押し開かれて、
今まさに心の中に喜びが満ちあふれてきて、
自分の生命の活力である気が、多くの道を通っていきました。
そして、その行き着く先をきわめつくすことの出来ない永遠のもの、
つまり道を伝えられて、自分の気が出て行く出入り口を閉じました。
そしてただひたすらに気が出て行くのを惜しんで
気が出て行くような行いをのを慎むようにして、
長寿を祝うようにすればよいのです。
 
東の果ての海にやってきて、
そこは天にまで続いている所でした。
 
仙人への道は、
薄暗くてかすかにしか見えない所を出て、
奥深くて外からは計り知れない所に入っていき、
常にひたすらにこの道を極めようとするべきなのです。
心は無欲であっさりとしたものになって、
欲望を貪ることもなくなります。
自分の気の出入り口を閉じて気が外に出ないようにして、
余計なことをせずに自然の道理に従う姿勢を常に守ろうとすることで、
その気は天と出会うことができるのです
 
行いを謹んでいって道を体得した人に会うことができて、
仙人が乗るという雲の車に乗り、
その道を体得した人の護衛としてめでたい白い鹿に乗り、
天に昇っていって天の神の宮殿の門までやって来れば、
神秘的で価値のある、飲むと不老不死になるという薬を
賜(たまわ)ります。
ひざまづいてこの薬を謹んで受けて、
神(かみ)を敬って自分の身を整えるように、
自分の心を引き締めて自然の道理と過不足なく
調和するようにしていくのです。
このようにしていくことで、
道は自然にやってくるようになるのです。
 
 
●解説:
 
 
 また僕とお相手の方の共通の好みである三国志ネタに挑戦してみました。今回は、三国志で有名な曹操(そうそう)の作った漢詩を訳してみました。

 この詩は三部作の一首目で、壮大な仙人の世界を描きながら、どのようにして道を体得するかということを詠んでいる詩です。合計四十五句のとても長い詩です。老子や荘子や仙人の世界をふんだんに詠んでいて、漢和辞典を引くだけでは全くわからない部分も多かったです。そういう部分は仙人たちの伝記を載せた書の『列仙伝(れっせんでん)』などの原典に当たったり、中国語の漢語辞典のサイトで調べたりして訳していきました。
 
 気が外に出て行かないようにして自分の気を養う、つまり五感の働きを抑え、欲望にとらわれることなく静かに過ごして自分の身を養っていき、
そして神様を敬うように自分の心身を引き締めて自然の道理と調和していくと、道を修めていくことにつながっていく、そういうことを壮大な仙人の世界にたとえて言おうとしている、そんな詩だと思いました。
 
 
 曹操は兵法書である『孫子(そんし)』の文章の解説を書くほどに兵法に精通している人として知られていますが、老荘や仙人の世界にも精通していたということがわかります。さらに詩句の中の「顧望(こぼう)」という言葉は、儒学の経典の五経(ごきょう)の一つである、作法や制度についてまとめた『礼記(らいき)』の曲礼(きょくらい)の下の篇に出てくる言葉で、
 「徳の高い人と会う時には、相手と向かい合う前に周囲に配慮をする」
ということを示した言葉です。このことからすると、曹操は儒学の礼法にも精通していたのではないかと考えられます。
 
 
 この漢詩は、曹操はいろんな教養を積んでいる人だということがよくわかる一首でした。
 
 
 日々の、僕のお相手の方を想って作る漢詩や、『淮南子(えなんじ)』の翻訳にも活かせそうなので、これからも曹操の漢詩を少しずつ訳していこうと思います。これからもがんばります。

閉じる コメント(9)

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おはようございます。いつも嬉しいコメントありがとうございます。ご苦労様です、この訳に応援の☆ポチですよ、Facebookにのせるにもまた新たに書き込むのですか!知りたいです!

2011/11/4(金) 午前 10:47 [ 清水太郎の部屋 ]

清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
昔の詩人の漢詩の解説も、時折していこうと思います。
Facebook にはリンク先の URL を入力欄に貼り付けるだけでできますよ。

2011/11/4(金) 午前 11:04 白川 玄齋

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これはスケールの大きな漢詩ですね。
太陽を六匹の龍が引いているというのは初めて聞きました。
ちょっとでいいので、くだらない欲望は捨てたいのですが、なかなか簡単ではありません。傑作。

2011/11/4(金) 午後 0:44 ひろちん。

ひろちんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
中国語のサイトにある漢語辞典の中で、
「六龍(ろくりゅう)」を引くと、太陽のことだとありました。
太陽の神様が六匹の龍が引いた馬車に乗る、僕も凄いイメージだなと思いました。
僕も日々穏やかに和やかに生きていけるように努力していきたいなと思います。
お相手の方のためにも、日々向上していきたいなと思います。

2011/11/4(金) 午後 1:25 白川 玄齋

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曹操、流石ですね。ポチ! >゜))))彡

2011/11/4(金) 午後 2:53 水無瀬より

みなせさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
曹操の漢詩は教養に満ちあふれていてすごい詩だと思いました。
お相手の方のためにも、僕ももっとがんばっていこうと思いました。

2011/11/4(金) 午後 3:14 白川 玄齋

こんばんは✿
曹操の詠んだ漢詩
凄いですね。。
*どのようにして道を体得するか*
壮大な詩なのに
最後は*道は自然にやってくるようになるのです*とあります。

*自分の心を引き締めて自然の道理と過不足なく
調和する*
このことがどれ程に大切なことなのか
それを無理なく自然に行うことができるということはどういうことか

難しいことですが考えさせられました。
自分の考えも及ばなかったことををこうして文面で見てみると
気持ちのいいぐらい伝わってくるものがありますね。

曹操がこの詩を詠んだのだと思うと
曹操に対しての印象がまた大きく変わるような気がしました。

長い漢詩を訳してくださって、ありがとうございます✿
傑作ポチッ*゜+ *✿ *゜・+♠*゜・+ ♦ *゜・+✿*゜・+ ♦

2011/11/16(水) 午前 1:38 ゆーみん♪

ゆーみんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。

自分の気持ちを常に努力して高めていった時に、
ふと気づいたら目の前に道が広がっていた、
そういう境地を示しているのかなと思います。
儒学でも老荘でも仏教でも、道は自分の近いところにあるという考えですので、
道がやってくるとは自分の身近なところに道を発見する、
そういうことを指しているものと考えています。
僕にとってはあなたとの出逢いも、僕の「道」につながっていると思っています。

「自分の心を引き締める」、いろんな事を日々学んでいきながら、
「自然の道理と過不足なく調和する」、自分の身の回りの世界と調和して生きていく、
どちらも難しいことですが、僕も日々実践していこうと思います。

(つづく)

2011/11/16(水) 午前 9:09 白川 玄齋

(つづき)

僕も老荘や儒学や仏教を学びながらも、今まで言葉にもしていなかったものが
こうして曹操の詩句として出てくるのを不思議に思っていました。
曹操は実践の中に生きながらも、広く学問を学んでいたことが印象に残りました。
曹操の評価も儒学全盛の頃とは異なり、現在の中国では改革者の面を
評価しているものもありました。曹操に対するいろんな見方があるのを感じました。
僕たちも見ていないような、いろんな曹操がいることを感じました。
そういう部分もきちんと学びながら、あなたを想う漢詩の参考にするためにも
きちんと学んでいきます。これからも日々がんばっていきます。

2011/11/16(水) 午前 9:10 白川 玄齋


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