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『韓非子(かんぴし)』を読んだ感想を七言絶句にしました。
偶然に二首できました。(其の二)の方に、僕の気持ちを詠んでいます。
一首目は仄声(そくせい)二首目は平声(へいせい)で韻を踏んでいます。
こちらは原文・書き下し文・現代語訳・語注の記事です。
解説については以下の記事を参照して下さい。
解説の記事
なお、コメント欄は解説の記事の方に設けています。
この点についてもご了承下さい。よろしくお願いいたします。
●原文
偶成(讀韓非子) 玄齋
○ 其の一(上聲十九皓韻)
易 識 名 言 難 得 道, 韓 非 非 止 修 辭 好。
精 論 七 術 賞 明 君, 天 下 良 材 離 苦 悩。
○其の二(上平聲五微韻)
歳 窮 專 一 學 韓 非, 暫 且 諸 儒 忘 謗 譏。
萬 事 難 知 眞 實 處, 察 君 憂 慮 愛 君 希。
●書き下し文
題「偶成(ぐうせい)(『韓非子(かんぴし)』を読む)」
○ その一
名言(めいげん)を識(し)ることは易(やす)くして
道(みち)を得(え)るは難(かた)く、
韓非(かんぴ)はただ修辞(しゅうじ)の好(よ)きのみに非(あら)ず。
七術(ななじゅつ)を精論(せいろん)して明君(めいくん)を賞(しょう)し、
天下(てんか)の良材(りょうざい) 苦悩(くのう)を離(はな)る。
○ その二
歳(とし)窮(きわ)まりて 専一(せんいつ)に韓非(かんぴ)を学べば、
暫且(しばらく) 諸儒(しょじゅ)の謗譏(ぼうき)するを忘る。
万事(ばんじ) 真実(しんじつ)の処(ところ)を知ることは難(かた)く、
君の憂慮(ゆうりょ)を察して 君を愛(あい)することを希(ねが)う。
●現代語訳
題:「『韓非子(かんぴし)』を読んでいたときに偶然できた詩です」
○ その一
『韓非子』の有名な言葉を知るのはたやすいけれども、
その言葉の道理をきちんとつかむことは難しい。
韓非子は単に言葉の表現が巧みなだけではないのです。
『韓非子』の内儲説(ないちょぜい)上の篇で述べられている、
君主が行うべき七つのことを詳しく論じて、
賢明で立派な君主を賞讃しているところを読むと、
天下のすぐれた才能を持った人たちが、
苦しみや悩みから離れていくのが分かるのです。
○ その二
年末の頃に、私はひたすらに『韓非子』を学んでいると、
しばらくの間、いろんな学者が『韓非子』の本の悪口を言って
そしっていることを忘れるのです。
あらゆる事は、真実のありかを知るのが難しいということを学びながら、
あなたが心配してあれこれと考えてくれる気持ちを察して、
あなたを愛していくことを望んでいるところです。
●語注
※名言(めいげん): 有名な言葉のことです。
※韓非(かんぴ): 韓非子(かんぴし)の事です。秦の始皇帝(しこうてい)
が中国を統一する以前の、戦国時代(せんごく)の弱小国である
韓(かん)の国の王族でした。厳格な法律と信賞必罰の適用によって
国を統治していくという考えの法家(ほうか)の代表者です。
※修辞(しゅうじ): 言葉をたくみに使って表現することです。
※非止(ただ〜のみならず): 「単に〜だけではない」という意味です。
※七術(ななじゅつ): 『韓非子』の内儲説(ないちょぜい)上の篇で
述べられている、七つの君主が行うべきことです。
※精論(せいろん): 詳しく論じることです。
※明君(めいくん): 賢明で立派な君主のことです。
※良材(りょうざい): 優れた才能を持った人のことです。
※苦悩(くのう): 苦しみ悩むことです。
※歳窮(としきわまる): 年末になることです。
※専一(せんいつ): 一つのことだけをひたすらにすることです。
※暫且(ざんしょ、しばらく): しばらくの間のことです。
※諸儒(しょじゅ): いろんな学者のことです。
※謗譏(ぼうき): 悪口を言ってそしることです。
※憂慮(ゆうりょ): 心配してあれこれと考えることです。
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