玄齋詩歌日誌

アメーバブログを退会しました。ヤフーブログだけ続けます。よろしくお願いいたします。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1
成都(せいと)の楼閣(ろうかく)
Photo by : clef
http://street34.mond.jp/clef
 
イメージ 2
イメージ 3
 
「竹林の七賢(ちくりんのしちけん)」の一人、嵇康(けいこう)の詩である
『幽憤詩(ゆうふんし)』の翻訳の三回目です。
 
老荘を学ぶ嵇康(けいこう)自身の人生を詠みながら、
「幽憤(ゆうふん)」、つまり当時の世の中への人知れぬ
憤りの気持ちを込めた詩です。
 
 
 このページは原文・書き下し文・現代語訳・語注の記事です。
 
 解説については以下の記事を見て下さい。
 
 解説の記事
 
 
 コメント欄は解説の記事に設けてあります。
 この点について、ご了承願います。よろしくお願いいたします。
 
 
 
●原文:
 
 
 幽憤詩 其の三 (晋)嵇康
 
諮 予 不 淑, 嬰 累 多 虞。 匪 降 自 天, 寔 由 頑 疏。
 
理 弊 患 結, 卒 致 囹 圄。 対 答 鄙 訊, 縶 此 幽 阻。
 
実 恥 訟 免, 時 不 我 与。 雖 曰 義 直, 神 辱 志 沮。
 
澡 身 滄 浪, 豈 雲 能 補。 嗈 嗈 鳴 鴈, 奮 翼 北 遊。
 
順 時 而 動, 得 意 忘 憂。 嗟 我 憤 歎, 曾 莫 能 儔。
 
事 与 願 違, 遘 茲 淹 留。 窮 達 有 命, 亦 又 何 求。
 
 
 
●書き下し文:
 
 
予(われ)に諮(はか)りて淑(よ)からず、
嬰累(えいるい)して虞(おそ)れること多(おお)し。
 
降(くだ)すに天よりするに匪(あら)ず、
寔(まこと)に頑疏(がんそ)なるに由る。
 
理は弊(やぶ)れて患(うれ)いは結び、
卒(つい)に囹圄(れいぎょ)を致す。
 
対(むか)いて鄙(いや)しきの訊(たず)ねるに答え、
此の幽阻(ゆうそ)に縶(つな)がる。
 
実に訟(しょう)の免(まぬが)るるを恥じ、
時は我と与(とも)にせず。
 
義直(ぎちょく)と曰(い)わるると雖(いえど)も、
神(しん)辱(はずかし)められて志(こころざし)は沮(はば)まれる。
 
身を滄浪(そうろう)に澡(あら)い、
豈(あ)に雲(くも)の能(よ)く補(おぎな)わんや。
 
嗈嗈(ようよう)と鴈(かり)鳴(な)き、
翼(つばさ)を奮(ふる)いて北遊(ほくゆう)す。
 
時に順(したが)いて動き、
意を得て憂いを忘る。
 
嗟(ああ)我(われ)憤歎(ふんたん)し、
曾(かつ)て能(よ)く儔(ともづれ)とする莫(な)し。
 
事と願いとが違(たが)い、
茲(ここ)に淹留(えんりゅう)に遘(あ)う。
 
窮達(きゅうたつ)は 命(めい)有(あ)りて、
亦(ま)た又(ま)た何(いず)くにか求(もと)めん。
 
 
 
●現代語訳:
 
 
人々が私に相談してきて、その結果いい人だと思って慕われることはなく、
過ちを犯して困難に遭うことで心配する事が多いのです
 
悪い状況に遭うのは天が決めた運命によるものではなくて、
本当に私の愚かさや、だらしなさによるものなのです。
 
私の中の道理はすたれてしまって心配事が次々に起こってきて、
ついには私は牢屋に入るまでになってしまいました。
 
身分のいやしい取り締まりの役人と向かい合って、
その者の訊問に答えているような現状で、
 
私はこの世の中の計り知れない困難な状況の中に
つながれているのです。
 
私は本当に、この訴訟を免れるのが精一杯な状況を恥ずかしく思います。
世の中の流れは、私とは一緒になってくれないのです。
 
世の中の道理に従って素直でまっすぐだと言われるけれども、
私の心は恥ずかしくなって、自分の思い通りにはならずに
邪魔が入るのです。
 
自分の身を青く澄んだ水で洗うのに、
どうして雲が私の助けになることがありましょうか。
(環境に合わせて運命に従い、その時の成り行きに身を任せるだけです)
 
群れた雁(かり)がいっせいに鳴き、
翼を大きく広げて北の方へ飛んでいきます。
 
彼らはその時その時の状況に順応して動くだけで、
そういう状況に満足して、心配事がないのです。
(そういう存在に私(嵇康(けいこう))もなりたいものです)
 
ああ、わたしは現状に怒って嘆くばかりで、
以前からも私とよく友人となるものはいませんでした。
 
私の願望と実際の状況が食い違い、
今の、物事が行き詰まって前に進まない状況に出会ってしまいました。
 
世の中での成功や失敗というものは天からの運命による
部分があるので、どうしてこれを無理に求めようとするでしょうか。
(世の中の成功と失敗に一喜一憂することなく、
ただ、自然の道理に従うだけです)
 
 
 
●語注:
 
 
※嬰累(えいるい): 過ちを犯して辛い目に遭うことです。
 
※頑疏(がんそ): 愚かで頭が鈍く、ものぐさでだらしがないことです。
 
※囹圄(れいぎょ): 牢屋(ろうや)のことです。
 
※幽阻(ゆうそ): 世の中の奥深くて計り知れない困難な状況のことです。
 
※義直(ぎちょく): 世の中の道理に従って素直でまっすぐであることです。
 
※滄浪(そうろう): 青々と澄んだ水のことです。
 
※嗈嗈(ようよう): 鳥が一緒になって鳴く様子を表す言葉です。
 
※北遊(ほくゆう): 北の方へと旅してまわることです。
 
※得意(とくい、いをえる): 自分の思いのままに行動することです。
 
※忘憂(ぼうゆう、うれいをわする): 哀しみや心配をしないように
  することです。東晋(とうしん)の詩人の陶淵明(とうえんめい)の詩
  にも出てきますが、もともとは『論語(ろんご)』述而(じゅつじ)篇に
  出てくる言葉です。
 
※憤歎(ふんたん): 怒って嘆くことです。
 
※淹留(えんりゅう): 滞って前に進まないことです。
 
※窮達(きゅうたつ): 「窮通(きゅうつう)」、つまり、
  困窮(こんきゅう: 生活に苦しむ)と
  栄達(えいたつ: 一家が栄えて、高い地位に進むこと)のことです。
 

.

ブログバナー

白川 玄齋
白川 玄齋
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索

詩歌関連

写真・画像関連

文学・語学・その他

殿堂入り

自由律俳句

登録されていません

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事