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●原文
聖夜偶成(二首) 玄齋
其一 (上聲二十二駕韻)
歳 暮 扶 桑 迎 聖 夜、 萬 民 齊 集 幽 燈 下。
雖 憂 災 禍 祈 安 全、 恥 我 一 身 求 慰 藉。
其二 (下平聲一先韻)
偏 養 沈 痾 困 苦 年、 値 君 厚 意 得 奇 縁。
尊 崇 三 聖 雖 相 異、 今 爲 佳 人 欲 敬 虔。
●書き下し文
題:「聖夜偶成(せいやぐうせい)」(二首)
其の一
歳暮(せいぼ)の扶桑(ふそう) 聖夜(せいや)を迎え、
万民(ばんみん) 斉(ひと)しく幽灯(ゆうとう)の下(もと)に集(つど)う。
災禍(さいか)を憂えて安全(あんぜん)を祈ると雖(いえど)も、
我が一身(いっしん)の慰藉(いしゃ)を求(もと)むるを恥(は)ず。
其の二
偏(ひとえ)に沈痾(ちんあ)を養(やしな)う困苦(こんく)の年、
君の厚意(こうい)に値(あ)いて奇縁(きえん)を得たり。
三聖(さんせい)を尊崇(そんすう)すること
相(あ)い異(こと)なると雖(いえど)も、
今は佳人(かじん)の為(ため)に敬虔(けいけん)ならんと欲(ほっ)す。
●現代語訳
題:「クリスマス・イブの日に偶然できた詩です」(二首作りました)
その一
年の暮れの日本は、今夜、聖夜の日を迎えて、
国中の人々が薄暗い灯りの近くにいっせいに集まっていました。
たとえ今年の思いがけない災害を憂い、安全を祈ってはいたとしても、
私は自分の身一つを慰めいたわっている現状を恥ずかしく思うのです。
その二
今年はひたすらに私の長い間の病気を療養する苦しい年でしたが、
当時のあなたの思いやりのある気持ちに出会って、
当時のあなたとの不思議な縁を得ることができました。
たとえ孔子(こうし)・釈迦(しゃか)・キリストの三人の聖人を
敬い尊ぶ度合いがそれぞれ違っていたとしても、
今は当時の美しい人のために敬い慎しむ気持ちになろうとしていた、
(そんな当時の気持ちを詠んでおりました。)
●語注
※聖夜(せいや): クリスマスの前夜、クリスマス・イブのことです。
※偶成(ぐうせい): 偶然に詩ができることです。
※歳暮(せいぼ): 年の暮れ、年末のことです。
※扶桑(ふそう): もともとは中国の東方の島にあるという神木の名前で、
それを産する場所という意味で、「日本(にほん)」を指す言葉です。
※万民(ばんみん) : 国中の人々のことです。
※斉集(せいしゅう、ひとしくつどう): 一箇所に集まることです。
※幽灯(ゆうとう): 薄暗い灯りのことです。
※雖(いえども): 「たとえ〜であっても」という意味です。
※災禍(さいか): 思いがけない災いのことです。
※一身(いっしん): 自分一人を指す言葉です。
※慰藉(いしゃ): なぐさめていたわることです。
※偏(ひとえに): 「ひたすらに」という意味です。
※沈痾(ちんあ): 長い間治らない病気のことです。
※困苦(こんく): 困って悩み苦しむことです。
※厚意(こうい): 親切で思いやりがあることです。
※値(あう): 直接に出会うことです。
※奇縁(きえん): 不思議な縁のことです。
※尊崇(そんすう): 尊びうやまうことです。
※三聖(さんせい): 孔子(こうし)と釈迦(しゃか)とキリストの
三人の聖人のことです。
※佳人(かじん): 美しい人のことです。
※敬虔(けいけん): 敬いつつしむ態度のことです。
●解説
クリスマスの漢詩を詠んでいました。
検索しても以前の僕の漢詩とあと何人かが詠んでいますが、
参考になるような昔のものではないので、
いろんな資料をあたっていました。
歳時記に載っている俳句と英語の歌詞を参考にしてみました。
俳句は新しい俳人のものを参考にしました。
著作権上載せて良いのかはわからないので、
ここには書かないようにします。
英語の歌詞は四曲を参考にしました。
(一)Mariah Carey(マライア・キャリー)の「All I want for Christmas is you」
(邦題は「恋人たちのクリスマス」)
これは明るくてストレートな曲ですね。
「あなたに逢いたい」という気持ちを表した歌詞です。
(二)John Henry Newton(ジョン・ヘンリー・ニュートン)の
「Amazing grace(アメージング・グレイス)」
訳すと、「驚くほどに偉大な神の恩恵」というところですね。
神への信仰のすばらしさを歌った曲ですね。
敬虔な気持ちになるような歌です。
(三)John Lennon(ジョン・レノン)とOno Yoko(オノ・ヨーコ)の
「Happy Christmas(War is over)」
反戦の歌で、遠くの人を思いやるような歌詞ですね。
これはかなり参考になりました。
(四)The Beatles(ザ・ビートルズ)の「Let it be」
訳してみてわかったのですが、とてもキリスト教的な曲ですね。
聖母マリアが語る言葉も感動的ですね。
こういう曲で雰囲気を味わいながら、漢詩を作っていきました。
一首目は聖夜の「夜」で韻を踏もうと思いました。
「夜」は普通の絶句では韻を踏まない仄声(そくせい)の韻です。
(仄声で韻を踏むことを側体(そくたい)と言います)
いろんな言葉を探っていく中で、「なぐさめていたわる」という意味の、
「慰藉(いしゃ)」という言葉が見つかりました。
この言葉を元に、震災を憂い、人々の安全を祈る一方で、
自分の身の上のことばかりを考えている自分自身を反省していました。
とはいえ、自分自身のことがきちんとできていないのに、
世の中のことなど語ってもよいのか、そんな葛藤の中で、
何とか詩句を作っていた、そんな一年に思います。
自分を反省しながらも、きちんとした詩句を作っていきます。
一首目がお堅い漢詩になってしまったので、
二首目はクリスマス・イブにふさわしいものを詠もうと思っていました。
奇縁(きえん)、つまり今年に出会った当時のお相手の方との
不思議な縁をもとに、詩句を考えておりました。
その上で、クリスマスに関する言葉を探しておりました。
「聖」という字をもとに考えていました。
「聖」とつくと、天子(てんし: 皇帝のこと)の名詞がほとんどなので、
天皇陛下や皇室の方々について詠むときに、
「皇」と平仄(ひょうそく)で使い分けるために使っています。
そんな中で見つけたのが、三聖(さんせい)ということばです。
これは「三人の聖人」を表す言葉で、
その三人はいろんなパターンがある中で、
孔子(こうし)・釈迦(しゃか)・キリストの三人のパターンもありました。
この言葉を元に漢詩を考えていくことにしました。
僕は信仰の上ではお釈迦さんですが、
勉強の上ではさらに孔子と老子と、
それに関係する人々を尊敬しています。
あとの宗教の聖人や神様などはまだあまり学んでいません。
そんな状況ですが、たとえ信仰の対象は違っても、
この日に祈る気持ちは同じ、そんな気持ちを考えていました。
僕自身のため、僕の当時のお相手の方や周囲の方々のため、
震災で犠牲になった方々、今なお苦しい生活を送っている
方々のために、今日一日は祈りを捧げていきたいなと思います。
来年は明るい一年になればいいなと願っています。
僕自身もきちんとがんばっていこうと思います。 皆さんも楽しいクリスマスをお過ごし下さいね。
来年は日本にとって、もっともっと明るい年でありますように。
(という、当時の気持ちを詠んでおりました。)
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漢詩
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Kapok さん、コメントありがとうございます。
長い入院生活の年始から今日のクリスマスの日まで、
今から思えばあっという間のように思います。
来年は災害と可のない明るい一年になってほしいなと思います。
Kapok さんも楽しいクリスマスをお過ごし下さいね。
2011/12/25(日) 午前 7:54
gery さんにizmi さん、コメントありがとうございます。
おはようございます。本当に寒い気温のクリスマスですね。
僕も風邪には特に気をつけたいです。
gery さんも izmi さんも楽しいクリスマスをお過ごし下さいね。
2011/12/25(日) 午前 7:56
玄斎さん。
お久しぶりです。
毎年、来年こそはよい年にと思って来ておりますが
来年も少しでも良い年になればと思っています。
お身体ご自愛くださいね。
2011/12/25(日) 午前 8:03
ぜんちゃんさん、コメントありがとうございます。お久しぶりです。
いろんな事があった一年ですが、
来年はよりよい一年であればいいなと僕も願っています。
楽しいクリスマスをお過ごし下さいね。
僕も自分の体調に気をつけていきます。
2011/12/25(日) 午前 8:19
聖夜は玄さんの漢詩で心が洗われました。来年も頑張ります。玄さんもお体に気を配り、これからも素晴らしい漢詩を創作なさってください。ポチ☆!
2011/12/25(日) 午後 3:17
sakurajinyapoo さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
少し清らかな気分でクリスマスを考えながら漢詩を作っていました。
僕も自分の体調にも気を配りながら、一日一日をきちんと過ごしていこうと思います。
sakurajinyapoo さんもご家族の方々も、楽しいクリスマスをお過ごし下さい。
2011/12/25(日) 午後 3:21
漢詩でクリスマスを詠めるとはビックリしました。
でも違和感は全然ありません。
2011/12/25(日) 午後 4:45 [ 栗の木童子 ]
栗の木童子さん、コメントありがとうございます。
できる限りきちんと漢詩の言葉を使って、クリスマスを詠んでみようと思いました。
何とか詠むことができてひと安心です。
栗の木童子さんも楽しいクリスマスをお過ごし下さいね。
2011/12/25(日) 午後 4:54
人生をどう生きるかのエッセンスが詰まっているような漢詩ですね
ポチ
忙しくてなかなか本が読めませんがぼちぼち参ります
2011/12/25(日) 午後 5:33 [ 夢想miraishouta ]
写真もVery Nice!!!
2011/12/25(日) 午後 5:35 [ 夢想miraishouta ]
夢想miraishouta さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
この一年で考えてきたことを漢詩にしてみようと思いました。
来年も同じように読んでいければいいなと思っています。
お忙しい中でもじっくりと読んでいただいて嬉しいです。
2011/12/25(日) 午後 5:49
夢想miraishouta さん、コメントありがとうございます。
いろんな写真素材のサイトから毎回写真を探しています。
漢詩に合うようなものをこれからも工夫していこうと思います。
夢想miraishouta さんも楽しいクリスマスをお過ごし下さいね。
2011/12/25(日) 午後 5:52
(*・ェ・*)ノ~☆コンバンワ♪玄さん・・
クリスマスを漢詩にしながら、玄さんの心を詠んで玄さんらしい
漢詩で嬉しくなりました。
祈り・・・鎮魂・・・全ては人の心から流れ出るものですね。
愛を知ることの最高の年になりましたね。
いつも応援しています。
来年は良い年で有ります様に。。。ポチ☆
2011/12/25(日) 午後 10:31 [ さんぼうやま ]
まさかクリスマスが漢詩になるとは。。。玄さま自由自在ですね。
一首めの転・結、はじめはよくわかりませんでしたが、地震など災害つづきの年ということを踏まえての表現ですね。印象的ですね。
我が身ひとつの慰みに奔走しているのは、ボクも同じ。反省の機を得ました。
2011/12/26(月) 午前 0:23
さんぼうやまさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
クリスマスを漢詩に詠みながら、いろんな人の気持ちについて考える
一年を思い返していました。
入院中に出会った奇縁によって、いろんな事が改めてわかってきました。
来年もこの気持ちをきちんと大切にしながら学んで努力していこうと思います。
2011/12/26(月) 午前 8:55
ピンパパさん、コメントありがとうございます。
これからは毎年クリスマスを漢詩に詠んでいきたいなと思います。
いろんな勉強をしながら題材を集めていこうと思います。
震災やいろんな方々への祈り、そういうクリスマスも考えていました。
僕自身も自分の一身を心配するだけで終わらないように、
きちんと日々向上していこうと思いました。
2011/12/26(月) 午前 9:06
漢詩とクリスマスのコラボすてきです。
入院生活の多かった今年も 玄さんにとって
心温まる大きな出会いがあり
ここを訪れるあたしも 大きな喜びをもらいました。
有難うございます。
2011/12/27(火) 午前 10:09
ある おかんさん、コメントありがとうございます。
何年か前にもクリスマスの漢詩を詠んでいました。
そこからきちんと進歩していればいいなと思っています。
今年の入院中に出会った不思議な縁に感謝していきながら、
いろんな出会いがあったことにもきちんと感謝していきたいなと思います。
これからももっともっと向上していきたいなと思います。
2011/12/27(火) 午前 10:23
玄さん!!!
ご丁寧なコメントありがとうございました。
いよいよ年末でSね
よきお年を
「日本のふるき睦月のたのしさを人に語らば
うたがはむかも 釈ちょう空」
漢詩の達人、玄さんには上記の和歌もゴ理解くださるでしょ
2011/12/30(金) 午後 1:09 [ taiyo ]
taiyo さん、コメントありがとうございます。
今年はお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
その釈迢空(しゃくちょうくう)の一首は、
日本の古来の旧暦一月のお正月の楽しみを詠んだ一首ですね。
日本の古典もきちんと学んでいって、
漢詩の助けになればいいなと思っています。
もう一つの漢詩を UP して、僕も年越しにしていこうと思います。
taiyo さんもよいお年をお迎えください。
2011/12/30(金) 午後 3:53