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『説苑(ぜいえん)』という漢文の翻訳の二回目です。
これは前漢の学者である劉向(りゅうきょう)によって書かれた、始皇帝の
秦より前の時代から前漢までの間の故事や伝説をまとめたものです。
当時のいろんな思想が具体的な出来事の中で述べられています。
今回は『説苑』の第一巻の「君道(くんどう)」の第二回目です。
君主(くんしゅ)、つまり国を統治する人の身につけるべき
道理や心得について書いてあるところです。
こちらは解説の記事になります。ここにコメント欄があります。
原文・書き下し文・現代語訳・語注については、
以下の記事を見て下さい。
原文・書き下し文・現代語訳・語注の記事
この文章中で引用されている『書経(しょきょう)』と『詩経(しきょう)』の
一節については、以下の資料の記事を見て下さい。
資料の記事
以上のこと、ご了承下さい。よろしくお願いいたします。 ●解説:
『説苑(ぜいえん)』という漢文の翻訳の二回目です。
これは前漢の学者である劉向(りゅうきょう)によって書かれた、始皇帝の
秦より前の時代から前漢までの間の故事や伝説をまとめたものです。
当時のいろんな思想が具体的な出来事の中で述べられています。
今回は『説苑』の第一巻の「君道(くんどう)」の第二回目です。
君主(くんしゅ)、つまり国を統治する人の身につけるべき
道理や心得について書いてあるところです。
今回は斉(せい)の宣王(せんおう)が、尹文(いんぶん)という学者に
君主として行うべきことを尋ねる場面です。
斉の宣王は、秦の始皇帝が中国を統一する前の、
戦国(せんごく)時代の、山東省一帯にあった国の
斉の国の君主です。
宣王は各地の賢人や学者を稷下(しょっか)という土地に招いて、
彼らから助言をもらっていました。この土地では学問が栄えて、
「稷下の学(しょっかのがく)」と呼ばれています。
この招かれた人たちの中には、孟子(もうし)も含まれていたそうです。
そんな稷下のなかで、中心人物となっていたのは
尹文(いんぶん)という学者でした。
彼は道家(どうか: 老荘の学派)を基本として、儒家(儒学の学派)や
法律で統制する法家(ほうか)などの思想の折衷を試みていた人です。
尹文が今回、斉の宣王のために説いた「君主として行うこと」は、
一言で言えば、「無為而自治」、つまり
「無為(むい)にして自(みずか)ら治(おさ)まる」です。
このまま読んでしまうと、まるで何もしないでも国が自然に治まって
いくのかなと誤解してしまいそうですが、決してそんなことではないのです。
尹文が説いているのは、「自然の道理に従って行動する」という老荘の
考えを人間社会に置き換えて、国を動かす政治の道理に従って
すべきことをきちんと行った上で、他の余計なことを無くしていくことで、
君主が行うべきことを少なくしてじっくりと多くの臣下の意見に耳を傾け、
それぞれの意見を検討していくことでその時々の世の中の状況を
見通していくことで、無理のない政治を行っていく、ということです。
大雑把に言えば、「大切なことのために時間を捻出できるようにすること」、
つまり、「要点をとらえることですべきこと自体を減らしていき、
本当に大切なこと、つまり臣下の意見をじっくりと聞くことに
きちんとした時間を割けるようにすること」です。
経営学者のドラッカーは、時間の管理が大切だと言っています。
これは、人事などの大切な意思決定のためにまとまった時間を
割けるようにして、意思決定の誤りを起こさないようにするためです。
マックス・ウェーバーは『職業としての学問』の中で、
大学の教員の採用をめぐる人事は、不正などの余分な要素が
入り込まない限り、常に正しい判断である、と言っていますが、
これも、人事採用の意思決定のためのきちんとした時間を取ることで、
正しい判断が導かれているということだと思います。
やるべきことを少なくして、本当にすべきことに長い時間を使う、
こういう状況が理想ですね。今の社会のいろんなところで、
これができていないのではと改めて思います。
さらに述べなければならないことは、
尹文が説く、政治の道理とはどのようなものかと言うことです。
こちらは尹文の著した書の『尹文子(いんぶんし)』の一節を
訳して説明しようと思います。
さらに長い記事になりますので、年内(できれば明日)に UP いたします。
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今日はいつも嬉しいコメントありがとうございます。素晴らしい仕事に応援の☆ポチですよ!来年もよい年でありますように!
2011/12/28(水) 午後 5:35 [ 清水太郎の部屋 ]
清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
来年以降も、きちんと学んでいこうと思います。
来年もよろしくお願いいたします。
2011/12/28(水) 午後 8:32
国を治めるひとには本当に必要なことの『判断・決定』のために時間を有効に使って欲しいところです。
でも数を味方に付けるということと本当の国益を思うということは常に同一とは限らないのかもしれません。ニュースとか見ているとそう感じることがあります。傑作。
2011/12/29(木) 午前 0:57
ひろちんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
政治や大組織のリーダーの方々には、きちんとした結論を出すために
時間を捻出して欲しいなと僕も思います。
僕自身にも言えることですが自分が少数派であることを認識したとき、
民主主義というものへの問題点を考えることがよくあるように思います。
少数意見も含めていろんな意見を集約する環境になっていければ
いいなと僕も思っています。
2011/12/29(木) 午前 7:55