玄齋詩歌日誌

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漢詩

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帯と扇子
Photo by : clef

 
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●原文:
 
 
 讀老子 玄齋
 
  其一  (上聲十九皓韻)
 
欲 學 三 玄 臻 大 道、  非 拘 隻 句 徒 窮 討。
 
今 當 平 素 盡 工 夫、  看 汝 笑 眉 離 苦 悩。
 
 
  其二  (上聲六語韻)
 
自 倣 先 賢 親 古 語、 多 羞 不 足 工 夫 處。
 
纔 知 老 子 五 千 言、 偏 想 一 人 論 幾 許。
 
 
 
●書き下し文:
 
 
題:「老子を読む」
 
 其の一
 
三玄(さんげん)を学びて大道(だいどう)に
臻(いた)らんと欲(ほっ)するも、
 
隻句(せきく)に拘(こだわ)りて徒(いたずら)に
窮討(きゅうとう)するに非(あら)ず。
 
今は当(まさ)に平素(へいそ)に工夫(くふう)を尽くして、
 
汝(なんじ)が笑眉(しょうび)を看(み)て苦悩(くのう)を離(はな)るべし。
 
 
 其の二
 
自(みずか)ら先賢(せんけん)に倣(なら)いて古語(こご)に親しむも、
 
足(た)らざる工夫(くふう)の処(ところ)を羞(は)ずること多し。
 
纔(わずか)に知る老子(ろうし)の五千言(ごせんげん)、
 
偏(ひとえ)に一人(いちにん)を想(おも)えば
幾許(いくばく)をか論(ろん)ぜん。
 
 
 
●現代語訳:
 
 
題:「『老子(ろうし)』を読んだ感想を詩に詠みました」
 
 
 その一
老荘や易などの書物を学んで自然の道理である道に
たどり着こうと思っていますが、
 
それは漢文の文章のちょっとした言葉にこだわって、
むやみに奥深くまで調べる事ではないのです。
 
今は(当時は)普段の努力を懸命にすることにつとめて、
そうしてあなたの笑った眉を見て、

私の苦しみや悩みを離れるようにしようと思っておりました。
 

その二
 
私は昔の立派な人たちを見習って、昔の言葉に親しんできましたが、

日々の努力の足らないところを恥ずかしく思うことも多いのです。
 
『老子』の五千文字の言葉をわずかに理解しているだけですが、

ひたすらにただ一人、あなたのことを想うと、
とても多くのことを論じることができる、そんな気持ちを詠んでいました。
 
 
 
●語注:
 

※三玄(さんげん): 『老子』と『荘子』、そして儒学の経典でもある
周の時代から伝わった易である『周易(しゅうえき)』の
三冊を指して言います。
 
※大道(だいどう): 天地の道理である道のことです。
 
※臻(いたる): 「至(いた)る」と同じ意味です。
 
※隻句(せきく): ほんのちょっとした言葉、という意味です。
 
※徒(いたずらに): 「むやみに」という意味です。
 
※窮討(きゅうとう): 物事の道理を、奥深くまで調べることです。
 
※平素(へいそ): 普段のことです。
 
※工夫(くふう): 力を尽くして行うことです。「努力」と同じような意味です。
 
※笑眉(しょうび): 笑ったときの美しい眉のことです。
 
※苦悩(くのう): 悩み苦しむことです。
 
※先賢(せんけん): 昔の立派な人たちのことです。
 
※纔(わずか): 「僅(わず)か」と同じ意味です。
 
※五千言(ごせんげん): 五千文字にわたる『老子』の文章のことです。
 
※幾許(いくばく): とても多くの、という意味です。
 
 

●解説:
 

『老子』を読んだ感想を二首、七言絶句に詠みました。
これも仄声(そくせい)で韻を踏んだもので、
側体(そくたい)と呼ばれています。
 
同じようなところを詠んでいるので、連作とは言い難いのですが、
思ったところを詠んだ二首をこうして並べてみました。
 
 
プラトンの『パイドン』などを読んでいると、
元来ギリシャの哲学は、肉体や五感と切り離して、
純粋に理性だけで考えていくことを
理想としていたのがわかります。
 
その一方で、老荘も儒学も、日常の体験の中で言葉の意味を
考えていく必要があり、その日々の体験を大切にしながら、
常にきちんと自分を向上させていこう、そういう気持ちを詠んでいました。
 
 
お相手の方を思い、日々きちんと行動しながら漢詩を作る、
それも学問の重要な一部であるということをきちんと肝に銘じていこう、
そのように考えて、これからも学んでいこうという心境を
詠んでいました。

閉じる コメント(20)

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今日はいつも特に嬉しいコメントありがとうございます。良く色々な素晴らしい漢詩が出来ますね!ひとりの人を知りたいですね、きっと素晴らしい人なんでしょうね!応援の☆ポチですよ!

2012/1/13(金) 午後 1:19 [ 清水太郎の部屋 ]

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<笑眉>や<偏想一人>というのは、諸刃の剣になることもあります、そのような心を避けるには、やはり『道』でしょうか?
私なんて週刊誌のグラビア程度で惑わされっぱなしです。傑作。

2012/1/13(金) 午後 1:45 ひろちん。

清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
日々の生活の中で思うことをきちんと漢詩にしていきたいなと思います。
これからもきちんと学んでいきます。

2012/1/13(金) 午後 1:56 白川 玄齋

ひろちんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
何が本当にお相手の方や周囲の方々のためになるのかを、
きちんと考えながら過ごしていければいいなと改めて思いました。
健康にも気をつけて過ごしていこうと思います。

2012/1/13(金) 午後 2:00 白川 玄齋

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玄さん、先ずはいつもながら、拙いタイヨウBLOGに、懇切な、しかも誠意のあるケメントをいただき、感謝です
玄さん 日本の方だということは、なぜにここまで漢詩に堪能なのですか
大学の先生とかでしょうか??

2012/1/14(土) 午前 2:51 [ taiyo ]

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難しい漢詩を学ばれ日々勉強なされ驚かれます。
学びは人の為ならず己を磨くものですから素晴らしいことです・・・・・ぼち☆〜〜〜

2012/1/14(土) 午前 7:11 [ - ]

taiyo さん、コメントありがとうございます。
いつも taiyo さんの活動的なブログ記事を楽しみにしています。
漢文は基本的に独学です。大学の学部も工学部です。
それからもずっと個人的に漢文の研究を続けていまして、
漢詩の師匠のfukoさんに出会ってから漢詩作りを始めました。
儒学者の安岡正篤先生の著作を読んで漢文の理解法と説明法を
自分なりに会得してからはさらに理解が進みました。
漢文を学び始めて二十年近くになって、ようやくわかり始めてきました。
これからもきちんと学んでいきたいなと思います。

2012/1/14(土) 午前 8:19 白川 玄齋

みなよさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
毎日きちんと勉強していきたいなと思います。
「学びは人の為ならず」、まさしく、人に見せびらかすような学問ではなく、
自分自身を磨くためにきちんと学んでいければと思っています。
日々の生活でも、周囲の方々も安心してもらえるように
元気に過ごしていければいいなと思います。

2012/1/14(土) 午前 8:30 白川 玄齋

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七言絶句っていいものですね。

これぐらいの短さですと、漢文に詳しくなくても、どうにか読んでいけますし、じっくりと読みかえしてみる事もできますので、私は好きです。

2012/1/14(土) 午後 7:07 [ Kapok ]

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「プラトンの『パイドン』などを読んでいると」


わぁ、古典中の古典、懐かしい本です(^^)v

魂は不死であるという証明は完了した・・・ソクラテスさんかっこいいですね(^^)。

魂は人間が死んだその日に滅びてなくなってしまうと思い、人は死ぬことを恐れます。
ところが肉体に生命が宿るのは魂が入るからで、生命そのものである魂に死の入り込む余地はない、むしろ肉体によってあざむかれ真実にふれることがきない状態から解放されることば喜ばしい・・・若いころに読んで混乱してしまいました(^^ゞ

2012/1/14(土) 午後 7:33 [ 56rinyahoo ]

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「老荘も儒学も、日常の体験の中で言葉の意味を考えていく必要があり、」


新約聖書を読むと、キリストは相手に分かるように教えを説いているように思います。
ルカによる福音書19章11〜27

十人の僕を呼び十ミナを渡して言った『わたしが帰ってくるまで、これで商売をしなさい』

2012/1/14(土) 午後 7:53 [ 56rinyahoo ]

Kapok さん、コメントありがとうございます。
ルールの制限の緩い長い詩(古詩)は、
実は七言絶句とそれほど作る時間は変わらないのですが、
読む側の負担はものすごく増大するということに気づいてきました。
時々作る際にも、その負担の部分には留意しながらブログ記事の書き方を
考えていこうと改めて思いました。
七言絶句の連作ということにも挑戦していこうと思います。

2012/1/14(土) 午後 9:16 白川 玄齋

56rinyahoo さん、コメントありがとうございます。

『パイドン』では死を悲しく思わないという、
結構罰当たりな議論がされていますが、
魂と肉体とを切り離すのが理想、というところが
ギリシャの哲学の本質に近いのではと思いました。
今は冷静に読み返していました。

(つづく)

2012/1/14(土) 午後 10:14 白川 玄齋

(つづき)

僕の親友は日曜に家族を連れて教会に行くそうです。
その教会の神父さんは子どもにもわかりやすい形で
神父さんの体験を通して教えを説いているので、
とても納得がいくと言っていました。
この部分はキリスト教も同じなのだなと思っていました。

こういうところも誤解なく説明していかなければと改めて思いました。
明日もがんばって続きを訳していきます。

2012/1/14(土) 午後 10:14 白川 玄齋

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玄様。 1*14 [氏より育ち]={家柄や身分より育った環境やしつけが人間形成ににつ強い影響を与える} 謎 C1=ガラガラヘビ。 C2=スリッパ<リスを逆にしてスリ。二つ正解です。回答コメント有難うございました。

2012/1/15(日) 午前 0:30 esp*7*8

えすちゃんさん、コメントありがとうございます。
今回は普通のなぞなぞでしたね。これからも挑戦していきます。

2012/1/15(日) 午前 7:56 白川 玄齋

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7言になると読むのも大分難しくなりますね・・
ポチ

2012/1/18(水) 午後 0:52 [ 夢想miraishouta ]

夢想miraishouta さん、コメント + 傑作ポチありがとうございます。
作る側からすれば、七言絶句は「入門」であり、「基本」です。
五言絶句は天才の領域です。僕はたぶん一生作らないと思います。
五言絶句は見てくれだけは本当に簡単にできるのですが、
本当に良いものなど決して作れないのです。
絶句を作るとすれば七言絶句ですね。
僕もきちんと詠んでいこうと思います。

2012/1/18(水) 午後 1:12 白川 玄齋

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『ひとえに一人を想えば
幾許をか論ぜん』
に心惹かれました^^^(o^-^o)

ポチ☆♪

2012/1/26(木) 午後 6:34 [ 赤い すずめ ]

赤いすずめさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
韻を踏むための文字を色々と調べていくうちに、
いい表現に出会うことがあります。
そういうものをこれからも学んでいこうと思います。

2012/1/26(木) 午後 8:05 白川 玄齋


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