玄齋詩歌日誌

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漢詩

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赤い羽根ペン
 
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●原文:
 
(注)この詩は推敲しました。
 この記事の最後に推敲したものを示します。
 
 
 冬夜偶成 玄齋 (下平聲十二侵韻)
 
獨 坐 松 爐 下、   寄 詞 頻 苦 吟。
 
挑 燈 忘 冷 暖、   發 憤 惜 光 陰。
 
白 雪 懷 青 女、   紅 梅 啓 素 心。
 
清 朝 一 詩 就、   春 意 入 胸 襟。
 
 
※七句目の平仄(ひょうそく: 発音の規則)は、
 平声を「○」仄声を「●」とすると、「○○●○●」となっており、
 四文字目を「挟み平(はさみひょう)」という形にしています。
 
 
 
●書き下し文:
 
 
 題:「冬夜偶成(とうやぐうせい)」
 
独(ひと)り松炉(しょうろ)の下(もと)に坐(ざ)し、
詞(ことば)を寄(よ)せんと頻(しき)りに苦吟(くぎん)す。
 
灯(ひ)を挑(かか)げて冷暖(れいだん)を忘れ、
憤(ふん)を発(はっ)して光陰(こういん)を惜(お)しむ。
 
白雪(はくせつ)に青女(せいじょ)を懐(おも)い、
紅梅(こうばい)に素心(そしん)を啓(ひら)く。
 
清朝(せいちょう)一詩(いっし)就(な)り、
春意(しゅんい) 胸襟(きょうきん)に入(い)る。
 
 
 
●現代語訳:
 
 
 題:「冬の夜に偶然できた詩です」
 
一人で松の木を燃やす囲炉裏(いろり)のあたりに座って、
手紙を送ろうと思って、しきりに苦心して漢詩を作っていました。
 
ランプの芯をかき立てて明るくした中で、暑さ寒さも
すっかり忘れるほどに取り組んで、
気力をふるいおこし、時間を惜しんで漢詩を作っていきました。
 
白い雪の中に美しい青女(せいじょ)という霜と雪を降らせる
天女を想像し、赤い梅の花を思い浮かべて、
かねてからの自分の気持ちを打ち明けるように詠んでいきました。
 
晴れ渡った爽やかな早朝を迎える頃には、一つの詩が出来上がって、
あなたへの春の恋心が、自分の心の中に入ってくるのがわかるのです。
 
 
 
●語注:
 
 
※松炉(しょうろ): 松の木を薪(たきぎ)に燃やす
   囲炉裏(いろり)のことです。
 
※寄詞(ことばをよせる): 手紙を送ることです。
 
※苦吟(くぎん): 苦心して詩を作ることです。
 
※挑灯(ひをかかげる): ランプの芯をかき立てて明るくすることです。
 
※冷暖(れいだん): 暑さと寒さのことです。
 
※発憤(ふんをはっする): 心を奮い起こして励むことです。
  出典は『論語』の述而(じゅつじ)篇です。
 
※惜光陰(こういんをおしむ): 時間を大切にして努力することです。
 
※青女(せいじょ): 霜や雪を降らせる天女のことです。
  出典は『淮南子(えなんじ)』の「天文訓(てんもんくん)」です。
 
※素心(そしん): 以前からの自分の気持ちのことです。
 
※清朝(せいちょう): 晴れ渡った爽やかな早朝のことです。
 
※春意(しゅんい): 春の恋心のことです。
 
※胸襟(きょうきん): 心の中のことです。
 
 
 
●解説:
 
 
冬の夜の僕の気持ちを、再び五言律詩で詠んでみました。
 
五言律詩は、平仄(ひょうそく)という発音のルールを守って作ることと
同時に、三句目&四句目、五句目&六句目を対句(ついく)という
語呂合わせの句にしないといけないという、制約の多いものです。
 
五言は二句で七言の一句ほどの情報の量ですので、
対句のところは二句を対になるようにしながら、
二句を合わせて一つの意味を持たせる必要があります。
 
対句をうまく作ることと、二句を合わせた意味、
この二つがしだいに両立してくるようになると、
律詩は作るのが楽しくなってきます。
 
 
制約された形式というのは、一見窮屈のように思えるのですが、
韻を踏むために韻字のつく熟語を調べたり、
対句のパターンを追究していく中で、偶然に
今までと全く違う言葉や表現に出会うようになり、
常に勉強になっています。
 
 
この制約された詩の形式の中で、自分の気持ちをうまく詠んでいくこと、
これからもきちんと挑戦していこうと思います。
 
 
 
●付録:
 
 
言葉の由来について書きます。
 
 
○「青女(せいじょ)」は、僕が少しずつ訳している
 『淮南子(えなんじ)』の中の「天文訓(てんもんくん)」
 という巻の一節に出て来ます。
 
 至秋三月,地気不蔵,乃収其殺,百虫蟄伏,静居閉戸,
 
 青女乃出,以降霜雪。
 
 (書き下し文)
 
 秋の三月に至り、地の気は蔵(ぞう)せず、
 乃(すなわ)ち其(そ)の殺(さつ)を収(おさ)め、
 
 百虫(ひゃくちゅう)は蟄伏(ちっぷく)し、
 居(きょ)を静かにして戸を閉じ、
 
 青女(せいじょ)乃(すなわ)ち出(いで)て、
 以(もっ)て霜雪(そうせつ)を降らす。
 
 
 (私訳)
 
 秋の三ヶ月間には、大地の気は隠れることがなく、
 殺気(さっき)、つまり草木を枯らせる寒冷の気が集まってきて、
 
 多くの虫たちは冬ごもりのために地中に籠もり、
 人々は家の中で静かに居て戸を閉じて、
 
 その後に青女(せいじょ)という天女がやって来て、
 霜と雪を降らせるのです。
 
 
秋に青女が霜を降らせると紅葉になる、そういう表現としても使われます。
秋から出てくるわけですが、当然冬にも出てきます。
霜や雪の言葉を示す表現は、色々と覚えていこうと思います。
 
 
○「発憤」という言葉は、次の『論語』の述而(じゅつじ)篇の一節です。
 
 
 (原文)
 
 葉公問孔子於子路、子路不對、
 
 子曰、汝奚不曰。其爲人也、発憤忘食、樂以忘憂、不知老之將至云爾。
 

 (書き下し文)
 
 葉公(しょうこう)は孔子を子路(しろ)に問う。子路は対(こた)えず。
 
 子(し)の曰(のたま)わく、汝(なんじ)は奚(なん)ぞ曰(い)わざる。
 其の人となりや、発憤(はっぷん)して食を忘れ、
 楽しみて以て憂いを忘る。
 
 老(お)いの将(まさ)に到(いた)らんとするを知らざるのみと。


 (私訳)
 
 南にある楚(そ)の国の葉県(しょうけん)の長官が
 孔子のことを弟子の子路(しろ)に尋ねました。

 子路は官職にいる立派な人に対して、師の孔子が
 恥をかかないような答えが見つからず、
 返答することができませんでした。
 
 孔子はそんな子路に言いました。
 
 「どうしてお前は次のように答えなかったのですか。
  『孔子の人柄は、心を奮い起こして学問に励んで食事をするのも忘れ、
  学問を楽しむことで現状への心配事を忘れることができ、
  自分が日々老いていくことさえも気にとめることもない、
  そんな人なのです』
 
 と。そんな風に素直に答えればよかったのですよ。」 と。
(ここまでが『論語』の訳です)
 

上の『論語』の一節は、僕が自分の現状を恥ずかしいと思ったときに
思い出す一節です。とにかく今はきちんと努力していこう、
そういう気持ちにさせてくれる一節です。
 
これからも、こういう言葉をどんどん覚えていって、
僕自身の心も養っていこうと思います。
 
 
●推敲:
 
途中で思い付いたので推敲します。
 
六句目の
 
「紅梅啓素心」
「紅梅(こうばい)に素心(そしん)を啓(ひら)く」
 
では、まだ少し何を言っているのかわかりづらいので、
五句目と六句目を次のようにします。
 
白 雪 開 紅 蕾、  青 娥 啓 素 心。
 
(書き下し)
 
白雪(はくせつ)に紅蕾(こうらい)を開(ひら)き、
青娥(せいが)に素心(そしん)を啓(ひら)く。
 
(現代語訳)
 
白い雪の中で紅い梅のつぼみが開いて、
青娥(せいが)、つまり霜と雪を降らせる天女によって、
私のかねてからの自分の気持ちを打ち明けるように、詠んでいきました。
 
※青娥(せいが)は前述の青女(せいじょ)と同じ意味です。
  平仄の関係で使い分けています。
 
こうすればもう少し詩句としてきちんとしてくるのではと思います。
思い付いたときにはすぐに推敲するようにしています。
 

閉じる コメント(30)

澤木淳枝さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
今回はわかりやすい言葉で詠んでいますので、
情景が思い浮かべやすいのではと思います。
挟み平はその通りです。このときに注意するのは、
その直前の二文字は「○○」にしないと、この二文字目が
孤平になってしまうことです。この点に気を配れば、
挟み平は普通に使っても差し支えないと思います。
これからもきちんと学びながら詠んでいこうと思います。

2012/1/28(土) 午後 8:18 白川 玄齋

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こんばんは。
「白雪に紅蕾を開き」という句は景色が浮かび上がって
くるようですね。
「紅梅に素心を啓く」は、寒さを耐えた紅梅が開花するように
自分の心も開放するというように捉えました。

2012/1/28(土) 午後 8:35 [ 栗の木童子 ]

栗の木童子さん、コメントありがとうございます。
やはり「白雪に紅蕾を開き」のほうが良いなと思いました。
情景が浮かんできたのですね。嬉しいです。

「紅梅に素心を啓く」というのは、漢詩のまずい句で良くある、
「何か言っている風でありながら、実は意味がわからない」
というものではないかと思いましたので、推敲しております。
この部分は今後もしっかりと学びながら作っていこうと思います。

2012/1/28(土) 午後 9:01 白川 玄齋

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今晩はいつも嬉しいコメントありがとうございます。この漢詩に応援の☆ポチですよ!いつ寝ておられるのでしょうね、素晴らしいです。村をせずに養生しながらお書きくださいね!

2012/1/28(土) 午後 9:40 [ 清水太郎の部屋 ]

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追伸、村を→無理です、ごめんなさい!

2012/1/28(土) 午後 9:43 [ 清水太郎の部屋 ]

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快調でんな^^ポチ^^

2012/1/28(土) 午後 10:57 [ f u k o ]

お早うございます
お出で下さいますので訪問させて頂きましたが、
貴方様の真から学ぶ姿には感動致しました・・・・
ぼち☆〜〜〜

2012/1/29(日) 午前 6:47 [ - ]

清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
早寝早起きを心掛けていますので、案外、時間に余裕を持って過ごしています。
これからも体調に気をつけながら過ごしていきます。
今日もきちんと勉強していきます。

2012/1/29(日) 午前 8:46 白川 玄齋

清水さん、訂正のコメントもありがとうございます。
お気になさらないで下さいね。いつもコメント嬉しいです。

2012/1/29(日) 午前 8:47 白川 玄齋

不孤さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
体調も比較的に良いので、毎日きちんと勉強していこうと思います。
今日も元気にがんばっていきます。

2012/1/29(日) 午前 8:48 白川 玄齋

みなよさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
漢詩で必要なときに故事もきちんと使えるように、
日々きちんと学んでいこうと思います。
今日もしっかりと過ごしていきます。

2012/1/29(日) 午前 8:50 白川 玄齋

こんにちは。
どの位のお時間で読むのですか、

>白い雪の中で紅い梅のつぼみが開いて、
雪の朝小鳥が赤い実を落としていきました。
イイコトあるよな赤い実でした。

頑張り屋さんの玄さんにポチ

2012/1/29(日) 午後 2:56  HOSI 

ほしさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
七言絶句、つまり一句七文字で四つの句の漢詩は、
思い付いたときは三十分、苦心するときは三時間です。
五言律詩と七言律詩は、共に八つの句で一句がそれそれ
五文字と七文字のものでは、
思い付いたときで二時間、苦心すると三時間です。
どちらが早いというものではないようです。
どの漢詩も、そこから延々と推敲を繰り返していますので、
完成した後も何度も変更することも多いです。
赤い実に紅い花、どちらも春の訪れを示す色のように思いました。
梅の花の咲く時期が待ち遠しいです。
これからも毎日学んでいって、きちんと詠んでいこうと思います。

2012/1/29(日) 午後 3:59 白川 玄齋

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玄様、はせはもう苦しくて・・・。

2012/1/29(日) 午後 4:50 はせばあ

はせばあさん、コメントありがとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
どうされましたか。またブログにうかがいます。

2012/1/29(日) 午後 5:06 白川 玄齋

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すごいなー!
ポチ

2012/1/30(月) 午前 7:18 [ 夢想miraishouta ]

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詩には恋情が最も似合いますねー・・・
私でもそう思う人がいますものねー・・・
話しするだけですけど・・

2012/1/30(月) 午前 7:22 [ 夢想miraishouta ]

夢想miraishouta さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
僕の気持ちを漢詩で表現できるようになってから、
漢詩作りがより楽しくなりました。
夢想さんにもそのような方がおられるのですね。
いつも夢想さんの書はすごいなと思います。
僕もきちんと漢詩を学んでいこうと改めて思います。
今日もがんばっていきます。

2012/1/30(月) 午前 11:01 白川 玄齋

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綺麗な詩になりましたね〜 寒い日ですが、
ホワ〜と暖かな空気が 流れ込みました。
推敲された「白雪〜」の部分とても綺麗で
絵画的で好きです。 P

2012/1/30(月) 午後 2:22 ある おかん

ある おかんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
寒い中でも春のような気持ちを考えていきたいなと思っています。
思い切った推敲をしていくと、その分だけ新しい息吹を吹きかけるように
きれいな詩になっていきます。対句の部分は特にそうだと思います。
これからも推敲と学習を繰り返して、叙情的な漢詩もきちんと
作っていきたいなと思います。

2012/1/30(月) 午後 8:58 白川 玄齋


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