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●原文:
君 聽 頭 番 信、 早 梅 開 一 枝。
門 前 迎 驛 使、 花 下 看 鶯 兒。
寄 我 芳 書 字、 安 心 無 恙 辭。
春 情 滿 胸 裏、 新 句 綴 相 思。
●書き下し文:
題: 「早春偶成(そうしゅんぐうせい)」
君(きみ)聴くや頭番(とうばん)の信(しん)の、
早梅(そうばい)を一枝(いっし)に開(ひら)かすを。
門前(もんぜん)に駅使(えきし)を迎(むか)え、
花下(かか)に鶯児(おうじ)を看(み)る。
我(われ)に寄(よ)する芳書(ほうしょ)の字は、
心を安(やす)んずる恙(つつが)無(な)きの辞(ことば)なり。
春情(しゅんじょう) 胸裏(きょうり)に満(み)つれば、
新句(しんく)に相思(そうし)を綴(つづ)らん。
●現代語訳:
題: 「春の初めにたまたまできた漢詩です」
あなたは聞いたのでしょうか、年の初めに開花を知らせる風が、
早咲きの梅を一つの枝に咲かせているという知らせを。
家の門の前で郵便配達の人を出迎えたときには、
梅の花の下ではウグイスの姿まで見えていました。
あなたが私に送ってくれたお手紙の字には、
私を安心させるような、平安で無事な姿を伝える言葉が
綴られていました。
その手紙を読んでいて、春の恋い慕う気持ちが
心の中に広がってきて、
新しく作る詩句の中にも、あなたを想う気持ちを綴ろうと思いました。
●語注:
※早春(そうしゅん): 春の初めごろのことです。
※偶成(ぐうせい): たまたまできた詩、という意味です。
※頭番信(とうばんのしん): 二十四番花信風(にじゅうしばんかしんふう)
という花の開花を知らせる風の、年始めの一番目のもので、
梅の開花を知らせるものです。
※早梅(そうばい): 早咲きの梅の花のことです。
※駅使(えきし): 郵便の配達の人のことで、梅の別名としても
使われる言葉です。
※花下(かか): 花の下のことです。
※鶯児(おうじ): ウグイスのヒナという意味と、もう一つは
「黄鶯(こうおう)」と呼ばれるウグイスより少し大きな鳥の
チョウセンウグイス、またはコウライウグイスのことです。
これも漢詩の中では同様にウグイスとして扱われます。
今回はこの後者の意味で解釈しています。
※芳書(ほうしょ): 相手からのお手紙を尊敬を込めていう言葉です。
※無恙(つつがなし):心配事や病気がなくておだかやで
無事であることです。
※春情(しゅんじょう): 春の恋心のことです。
※胸裏(きょうり): 胸の内、心の中のことです。
※新句(しんく): 新しい詩句のことです。
※相思(そうし): 相手を想い慕う気持ちです。
●解説:
春の初めにお相手の方からお手紙が届いた、
そんな光景を五言律詩(ごごんりっし)に詠んでみました。
五言律詩は、平仄(ひょうそく)という発音のルールを守って作ることと
同時に、三句目&四句目、五句目&六句目を対句(ついく)という
語呂合わせの句にしないといけないという、制約の多いものですが、
この対句の部分は書き下し文を読むだけでもとても響きが良いので、
慣れてくるととても好きになる漢詩の形式です。
駅使(えきし)は各地へ公用の文書や品物を馬で運搬する
使者のことで、今で言う郵便配達の人ですね。
これは梅の別名としても使われている言葉だそうです。
春の訪れとともに手紙がやってくる、
こういう光景にも春を感じられるのではないかと改めて思いました。
いろんな季節の中で、こうした律詩を作っていきたいなと
改めて思います。これからも日々学んで詠んでいこうと思います。
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漢詩
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吉祥天さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
そういえば今日は二月十四日でしたね。
この場合の手紙はいろんな連絡手段も総称して考えていました。
こういう漢詩を今後ともしっかりと作っていきたいなと思います。
日々きちんと学んでいこうと思います。
2012/2/14(火) 午前 8:16
だんだん読めるようになってきました
ポチ
2012/2/14(火) 午後 11:13 [ 夢想miraishouta ]
漢詩の篆刻と玄さんの漢詩の組み合わせを20日過ぎにUPします
乞う!ご期待!
篆刻は7言律詩の1部かなー?と思うものですけど・・・
私には分りませんが・・
2012/2/14(火) 午後 11:16 [ 夢想miraishouta ]
夢想miraishouta さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
きちんと理解できるように、わかりやすく書いていきます。
これからもがんばっていきます。
(その2へ続く)
2012/2/15(水) 午後 4:57
(その2)
二十日に UP されるのを楽しみにしています。
篆刻も懐かしいです。高校生の頃の授業以来です。
これからそちらのブログに訪問いたします。
よろしくお願いいたします。
2012/2/15(水) 午後 4:59
篆刻は難しくて読めません
先生にも見てもらったのですが全部は読めません
玄さんが解読してくださいね
2012/2/15(水) 午後 5:42 [ 夢想miraishouta ]
夢想miraishouta さん、コメントありがとうございます。
篆刻は本当に懐かしいですね。
きちんと解読にトライしてみます。少しでも読めればいいなと思います。
2012/2/15(水) 午後 6:24
いつかこんな漢詩を画賛に入れて絵を描いてみたいです。
そんな思いはあっても勉強不足です。
だから漢文が書ける人物に画賛を頼みにいったこともありましたが・・お歳をめされすぎて駄目でした。
だから、本当に玄さんは貴重な存在ですね、これからもがんばってくださいね☆
2012/2/15(水) 午後 9:35 [ koh**nagasu*5 ]
koh**nagasu*5 さん、コメントありがとうございます。
いつか画賛を入れられるくらいの実力をつけていきたいなと思います。
また新しい目標ができました。ありがとうございます。
これからもきちんとがんばっていきます。
2012/2/15(水) 午後 9:52
偶成でたまたま。。なるほど。。
それにしては^^
2012/2/16(木) 午後 5:16 [ ヤナ・ヤヌー ]
ヤナ・ヤヌーさん、コメントありがとうございます。
何にも詩の題が思い付かないときは、「偶成」とのみ題をつけることもあります。
この言葉は結構自由で便利に使えますね。時には自由に詠んでみようと思います。
これからもいろんな漢詩を詠んでいきます。
2012/2/16(木) 午後 8:25
今朝も寒いですねー・・・
けど、元気に行きましょう!
2012/2/17(金) 午前 5:48 [ 夢想miraishouta ]
夢想miraishouta さん、コメントありがとうございます。
今日は外から部屋の中に日光が射しているので、少しは過ごしやすいです。
今日も風邪とインフルエンザには気をつけて、元気に過ごしていきます。
2012/2/17(金) 午前 8:49
最近の玄さんの作品は、明るくて希望に満ちている感じがします。寒さももうしばらくの辛抱かな?はやく本当の春がきてほしいと待ち望んでいます。玄さんのお心の中はずっと春でしょうか?
2012/2/17(金) 午前 9:59
akiko さん、コメントありがとうございます。
まだ寒いですので温かくして風邪やインフルエンザにかからないように
気をつけて過ごしていこうと思います。春が待ち遠しいですね。
最近は明るい気持ちになってきています。
その気持ちのままに漢詩にできればいいなと思っています。
そのためにも同時にきちんと勉強も続けていこうと思います。
これからもがんばっていきます。
2012/2/17(金) 午後 1:30
もう春ですね〜。^^
はやいものです。
2012/2/26(日) 午後 2:36 [ Kapok ]
Kapok さん、コメントありがとうございます。
大阪でもまだ咲き始めの時期ですので、
これからどんどん咲いてくるのが楽しみです。
桜の季節もさらに待ち遠しいです。
2012/2/26(日) 午後 5:56
2012/2/28(火) 午前 0:55 の鍵つきの内緒さん、
コメントありがとうございます。
価値観の違いの主張なのですね。安心しました。
僕自身、議論というものにあまり慣れていないのかもしれません。
結構専門性の高いブログへのコメントには、
より一層神経を使っております。一方で、おおらかな気持ちで
人に接することも大切だと改めて思いました。
これからもよろしくお願いいたします。
2012/2/28(火) 午前 8:53
おはようございます。
芳書、無学なテストパイロットは知りませんでした。
いい言葉だと思います。
ありがとうございます。
2012/3/12(月) 午前 7:51
テストパイロットさん、コメントありがとうございます。
芳書は頂いたお手紙の相手を敬う言葉ですね。
僕も最近調べて知ったばかりです。
同じ意味の言葉で「芳翰(ほうかん)」という言葉もあるそうです。
こういう意味もきちんと調べながら、漢詩を作っていこうと思います。
2012/3/12(月) 午後 9:45