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満月
Photo by : clef 月下獨酌 (四首) 其二 (唐) 李白
花 間 一 壼 酒 獨 酌 無 相 親
舉 杯 邀 明 月 對 影 成 三 人
月 既 不 解 飲 影 徒 隨 我 身
暫 伴 月 將 影 行 樂 須 及 春
我 歌 月 徘 徊 我 舞 影 零 亂
醒 時 同 交 歡 醉 後 各 分 散
永 結 無 情 遊 相 期 邈 雲 漢
●書き下し文:
題: 「月下(げっか)独酌(どくしゃく) (四首) 其の二」
花間(かかん)一壼(いっこ)の酒、
独酌(どくしゃく)相い親しむこと無し。
杯を挙げて明月を邀(むか)え、
影に対(むか)いて三人を成す。
月は既に飲むを解せず、
影の徒(ともづれ)は我が身に随(したが)う。
暫(しばら)く月の将に影ささんとするに伴(ともな)いて、
行楽(こうらく) 須(すべか)らく春に及(およ)ぶべし。
我は歌いて月は徘徊(はいかい)し、
我は舞(ま)いて影は零乱(れいらん)たり。
醒(さ)むる時 同(とも)に交歓(こうかん)し、
酔後(すいご) 各々(おのおの)分散(ぶんさん)す。
永(なが)く無情(むじょう)の遊(ゆう)を結(むす)び、
相い期して雲漢(うんかん)に邈(はる)かなり。
●現代語訳:
題: 「月明かりの下で一人お酒を飲んでいる光景を漢詩に詠みました。
(そうして詠んだ四首のうちの、二首目です)」
お酒をひと壺持って花の間に座り、 誰も親しい友達がいない状況で、一人でお酒を飲んでいました。
酒のさかずきを持ち上げて、満月が昇ってくるのを迎えて、
自分の影と向かい合って、月と、私と、私の影の三人になっておりました。
月はもうすでに酒を飲む気持ちというものを理解しなくなっており、
私の影は私の仲間となって、私の身に従っている状態でした。
しばらくは明るい月が私を照らして影を作って、
私の仲間となってくれていました。
外へ出かけて楽しむには春になったときが一番良いと思います。
私が歌うときには、月はあちこちをさまようようであり、
私が舞うときには、私の影が乱れ散らばるような、
そんな楽しいひとときでした。
この長い、本来、心のない月との楽しい遊びをしめくくる頃には、
月とお互いに来年もともに楽しもうという約束をして、
月がはるか遠くの天の川の上にかかっていました。
●語注:
※明月(めいげつ): 満月のことです。
※行楽(こうらく): 外へ出かけて楽しむこと、
あるいは、遊び楽しむことです。
※須(すべからく〜すべし): 「当然〜すべきだ」という意味です。
※徘徊(はいかい): 行ったり来たりと、さまよい歩くことです。
※零乱(れいらん): 散乱(さんらん)することです。
※酔後(すいご): 酒に酔った後のことです。
※雲漢(うんかん): 天の川のことです。
●解説:
李白が春の夜に、花が咲く中で一人、満月を眺めて楽しむ光景です。
この詩はそんな詩の四作の連作の、第二首目にあたるものです。
この詩は唐の天宝三年(西暦 744 年)の、李白が宦官の
高力士(こうりきし)の讒言によって、
当時の皇帝の玄宗(げんそう)のもとを離れた後に、
長安の都にいるときの漢詩とされていまして、
そんな孤独の中で詠んだ漢詩なのですが、
孤独どころかとても見事な漢詩で、
こちらの気持ちまで楽しくなるようなものです。
李白のとてもおおらかな気持ちが見られて、
とても良い漢詩だなと思いました。
僕もこういう漢詩に触れながら、
おおらかな気持ちで日々を過ごしていこうと改めて思いました。
今日もしっかりとがんばっていきます。
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その他の昔の漢詩の解説
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おはようございます。いつも特に嬉しいコメントありがとうございます。先ほどはいっぱいコメントありがとうございます!この漢詩の訳に応援のポチ☆ですよ!
2012/4/6(金) 午前 11:40 [ 清水太郎の部屋 ]
まだまだ 寒い北陸地方ですが、
少しずつは並みの季節に近くなってきました。
李白が何だか楽しそうで 親近感がわきます。
いいリズムで ひきこまれますね〜 P
2012/4/6(金) 午前 11:40
こんにちは〜♪
しばらく更新がないので心配していました^^
李白はお酒が大好きでしたね。
私の父もお酒が大好きでした。
こんな大らかな歌を詠みたいものです。。。。
ぽち。
2012/4/6(金) 午前 11:58
たまりませんね〜





月の光の持つあやしくも冷たい輝きを一人身に浴びて花の中で酔い月の精と溶け合ったあと又の季を期して離れて往く恋物語のように一日を一年を一生までも彷彿とさせる李白の宇宙観がこの詩にも余すところなく表わされているように思います
ありがとうございました
2012/4/6(金) 午後 1:52 [ guutaratei ]
夢想miraishouta さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
李白の漢詩は教科書にも出てくるのでとても親しみやすいですね。
翻訳自体は三十分ほどで終わりますが、縦書きの画像と、
この漢詩の背景や舞台などを調べるのに二時間ほどかかりました。
これも日課のようなものですので、きちんと続けていこうと思います。
今日になって体調はすっかり回復しました。
これからも身体に気をつけてがんばっていきます。
しっかりと休憩をして、体調を整えていきます。
2012/4/6(金) 午後 3:02
清水太郎さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
時折のブログ訪問になりますが、きちんとコメントしていきます。
これからも健康に気をつけてしっかりとがんばっていきます。
2012/4/6(金) 午後 3:15
ある おかんさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
北陸はまだ寒いのですね。ここから桜の開花の時期が待ち遠しいですね。
大阪では桜の満開は次の日曜日だそうです。桜の花も楽しみです。
李白のこの漢詩は李白の人生の中でもかなり暗い時期のはずで、
そんな中でこんなのびやかな漢詩を作っているのはすごいなともいました。
漢詩自身も、作る詩人の気持ちも、ともに見習いたいなと思いました。
こういう漢詩を今後もしっかりと学んでいきます。
2012/4/6(金) 午後 3:39
吉祥天さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
通院やリハビリや、僕自身の休養もありましたので、
更新が少し途切れていましたが、
昨日今日でかなり回復しましたので、今日 UP しました。
僕もお酒が大好きですが、健康のために最近は控えることも多いです。
吉祥天さんのお父様も、おおらかな方だったように思います。
僕もこういう漢詩を作っていきたいなと、目標の一つを見つけた気持ちです。
これからもしっかりとがんばっていきます。
少し後にブログと facebook のページに再びごあいさついたします。
こちらもよろしくお願いいたします。
2012/4/6(金) 午後 3:45
guutaratei さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
月の光も友人として戯れる、そんな李白の姿が楽しそうで良いなと僕も思いました。
このような漢詩の中で、老荘や神仙の世界を感じるのも、
とても良いなと改めて思いました。李白の底知れない魅力を感じました。
漢詩を作る一人として、こういう漢詩もきっちりと学んでいこうと思います。
これからもがんばっていきます。
2012/4/6(金) 午後 4:01
御無沙汰してます。
孤独の中で詠んだ詩には思えないですね。
月明かりで飲むお酒ってどんなだろうと思いました。
2012/4/6(金) 午後 5:33 [ - ]
一人で飲んでいないかのような
不思議な感じですね。
孤独を感じさせない気持ちの良さそうな感じですね。
2012/4/6(金) 午後 9:32 [ - ]
今は何故か満月をみると涙がでそうになるんです・・・
届きそうで届かないそんな存在という様な風に認識します^^;
そしてそんな想いを抱いて、もう会えなくなるのかなとか・・・胸を締め付けるから^^;
そんな満月を見ながら・・・言葉を綴ろうとしている僕がいる・・・
2012/4/6(金) 午後 10:23
花と満月とそして酒、らこれらははこの世の極楽でありますね、しかし何時までも月の状態は保てす今度は影を相手ですか、いずれにしても愉しい気分で飲のみ漢詩を作り、酒は百薬の蝶でありますね。
ぽちほし〜〜〜
2012/4/7(土) 午前 6:04 [ - ]
なつめさん、コメントありがとうございます。
なつめさんもお子さんたちの新年度が始まりますね。お疲れ様です。
李白は本来孤独な中で、月と自分の影を友と呼んで、
それが強がりには決して聞こえない、そんな不思議な気持ちになりました。
今は縁台の庭のある家を持っている方も少ないですので、
実際に体験することは少なくても、こういう漢詩の中で
追体験できるというのは良いなと思います。
李白が月明かりの中で一人で
楽しそうに踊っている姿が浮かびます。
そういう心境も漢詩を通じて学んでいこうと思いました。
今日もしっかりとがんばっていきます。
2012/4/7(土) 午前 9:04
都会の蝙蝠さん、コメントありがとうございます。
李白の人生の、おそらくどん底の中で、強がりでなく孤独な中で
明るい漢詩を作っていたところが良いなと僕も思いました。
実際にそういう心境を乗り越える上でとても参考になる
漢詩だと思いました。漢詩の勉強をしながらも、
こういう気持ちを養っていければいいなと思っています。
今日もきちんと過ごして学んでいこうと思います。
2012/4/7(土) 午前 10:46
ミライサクさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
月を見てどんな感想を持つか、それぞれの人の心の真実なのだと思います。
僕は二十年間漢文を読んでいますが、その中でも「道」については常に考えてきています。
道は世の中を貫く道理、理屈のようなものです。
知恵のある人はその道を見てまさしく知恵だと思い、
慈しみのある人はその道を見てまさしく慈しみだと思い、
日々漫然と過ごしている人は毎日お世話になっていながら、
目の前を通り過ぎても気づくことがない、そういうものです。
こういう道という物は具体的なものの中から見えてくる、そういうたとえです。
ミライサクさんや僕のような詩人は、詩を通して見えてくるのです。
(その2へ続く)
2012/4/7(土) 午前 10:55
(その2)
それは決して天下国家を詩にするようなことではなくて、
今のミライサクさんの頭の中にある詩を具体的にどうやって
作り上げようかと、工夫をしたり思いを凝らしたり、
そういうことを繰り返していくうちに見えてくるものです。
ミライサクさんが今、月を見て悲しくなって、手の届かない象徴として見ているのは、
今のミライサクさんがきちんとした悲しい詩を作ることのできる詩人だからだと思います。
こう考えてみると、素敵な詩が作れそうに思いますね。
がんばって下さいね。良い詩を作って下さい。
2012/4/7(土) 午前 10:56
みなよさん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
花と月とお酒と、そして自分の影、これらを友とするといえば孤独感は否めませんが、
そんな中でもおおらかな気持ちを歌い上げている李白の技量と心の広さには、
圧倒される気持ちになります。こういう心境の中でお酒を飲むと、
きちんと「百薬の長」としての役割を発揮するのかなと思いました。
こういう漢詩の中の心境を養っていけるように、
これからも日々努力を重ねていこうと思います。
2012/4/7(土) 午前 11:08
こんばんは。
この詩、大好きです。
すてきな訳や解説に、ポチ☆ポチ☆ポチ☆
56rinは下戸ですが、詩吟で習ってみたいです(^^ゞ
2012/4/7(土) 午後 8:41 [ 56rinyahoo ]
56rinyahoo さん、コメント + 傑作ポチ、ありがとうございます。
五言十四句の、結構長い漢詩ですから、詩吟もかなりの時間にわたりそうですね。
これを吟じたら、李白の心までも伝わってきそうですね。良いですね。
僕も最近はお酒を控えていますが、友人が来るときなどには飲んでいます。
お酒に酔っているときの楽しい気持ちを思い出せる一首ですね。
こういう詩をきちんと訳して解説していくことも、
勉強の一環としてこれからも続けていきます。
これからもしっかりとがんばっていきます。
2012/4/8(日) 午後 8:56