玄齋詩歌日誌

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楚辞

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●原文:


悔 相 道 之 不 察 兮 延 佇 乎 吾 將 反。

回 朕 車 以 復 路 兮 及 行 迷 之 未 遠。

歩 余 馬 於 蘭 臯 兮 馳 椒 丘 且 焉 止 息。

進 不 入 以 離 尤 兮 退 將 復 脩 吾 初 服。

製 ? 荷 以 為 衣 兮 集 芙 蓉 以 為 裳。

不 吾 知 其 亦 已 兮 苟 余 情 其 信 芳。

高 余 冠 之 岌 岌 兮 長 余 佩 之 陸 離。

芳 與 澤 其 雜 糅 兮 唯 昭 質 其 猶 未 虧。

忽 反 顧 以 遊 目 兮 將 往 觀 乎 四 荒。

佩 繽 紛 其 繁 飾 兮 芳 菲 菲 其 彌 章。

民 生 各 有 所 樂 兮 余 獨 好 脩 以 為 常。

雖 體 解 吾 猶 未 變 兮 豈 余 心 之 可 懲。

女 嬃 之 嬋 媛 兮 申 申 其 詈 予。

曰 鯀 ? 直 以 亡 身 兮 終 然 殀 乎 羽 之 野。

汝 何 博 謇 而 好 脩 兮 紛 獨 有 此 ? 節。

? ? 葹 以 盈 室 兮 判 獨 離 而 不 服。

衆 不 可 戸 説 兮 孰 云 察 余 之 中 情。

世 並 舉 而 好 朋 兮 夫 何 煢 獨 而 不 予 聽。


●書き下し文

道(みち)を相(そう)することの察(さっ)せざるを悔(く)いて、
延佇(えんちょ)して吾(われ)将(まさ)に反(かえ)らんとす。

朕(わ)が車(くるま)を回(めぐ)らせて以て路(みち)に復(かえ)り、
行(おこな)うに及(およ)びては之(これ)に迷(まよ)うこと
未(いま)だ遠(とお)からず。

余(よ)が馬(うま)を蘭臯(らんこう)に歩(あゆ)ませ。
椒丘(しょうきゅう)に馳(は)せて且(しばら)く焉(ここ)に止息(しそく)す。

進(すす)みて入れられざれば以て尤(とがめ)を離(はな)れ、
退(しりぞ)きて将(まさ)に復(また)吾(わ)が初服(しょふく)を脩(おさ)めんとす。

?荷(しか)を製(た)ちて以(もっ)て衣(ころも)を為(つく)り、
芙蓉(ふよう)を集(あつ)めて以(もっ)て裳(しょう)を為(つく)る。

吾(われ)を知らずして其(そ)れ亦(また)已(や)めば、
余(よ)の情(じょう)を苟(まこと)にして其(そ)の信(しん)芳(かんば)しく、

余(よ)の冠(かんむり)の岌岌(きゅうきゅう)たるを高(たか)くし、
余(よ)の佩(はい)の陸離(りくり)たるを長(なご)うせん。

芳(ほう)と沢(たく)とを其(そ)れ雑糅(ざつじゅう)し、
唯(ただ)昭質(しょうしつ)の其(そ)れ猶(なお)未(いま)だ虧(か)けざるのみなり。

忽(こつ)として反顧(はんこ)して以(もっ)て目(め)を遊(あそ)ばせ、
将(まさ)に往(ゆ)きて四荒(しこう)を観(み)んとす。

繽紛(ひんぷん)たるを佩(は)きて其(そ)の飾(かざ)りを繁(しげ)くし、
芳(かんば)しく菲菲(ひひ)として其(そ)れ弥(いよいよ)章(あき)らかなり。

民生(みんせい)は各(おのおの)楽(たの)しむ所(ところ)有(あ)りて、
余(よ)は独(ひと)り脩(おさ)むるを好(この)みて以(もっ)て常(じょう)と為(な)す。

体解(たいかい)すると雖(いえど)も吾(われ)猶(なお)未(いま)だ変(へん)ぜず、
豈(あに)余(よ)の心(こころ)の懲(おさ)むべきや。

女嬃(じょしゅ)の嬋媛(せんえん)、
申申(しんしん)として其(そ)れ予(われ)を詈(ののし)る。

鯀(こん)の?直(けいちょく)にして以(もっ)て身(み)を亡(ほろぼ)し、
終然(しゅうぜん)として羽(う)の野(の)に殀(よう)するを曰(い)う。

汝(なんじ)は何(なん)ぞ博謇(はくけん)にして脩(おさ)むるを好(この)み、
紛(ふん)として独(ひと)り此(こ)の?節(こせつ)有(あ)らんや。

?(し)たる?葹(りょくし)を以(もっ)て室(しつ)に盈(み)たし、
判(わか)れて独(ひと)り離(はな)れて服(ふく)せず。

衆(しゅう)の戸説(こせつ)たるべからざれば、
孰(いずく)にか余(よ)の中情(ちゅうじょう)を察(さっ)すると云(い)わん。

世(よ)は並(なら)び挙(あ)げて朋(とも)たるを好(この)まば、
夫(そ)れ何(なん)ぞ煢独(けいどく)たる予(われ)を聴(き)かざるや。


●解説:

では、本文に入ります。

「道(みち)を相(そう)することの察(さっ)せざるを悔(く)いて、
延佇(えんちょ)して吾(われ)将(まさ)に反(かえ)らんとす。」

「悔」は「恨」、つまり「恨み哀しむ」ということです。

「相(そう)」は「視(みる)る」ということで、
「延佇(えんちょ)」の「延(えん)」は「長い」、
「佇(ちょ)」は「佇立(ちょりつ)」、「たたずむ」という意味です。

「反」は「還」、つまり「還る」ということです。
どこに還るのか、『老子』でいう所の「道に還る」です。
この場合は「自分の志を遂げて死ぬ」ということです。

「陛下(楚の懐王)が道理に暗く、私を悪い家臣だと思っている事が哀しいです。
ですから、私はその場に長くたたずんでいて、道に還る、
つまり己の志を遂げて死のうと思います」


「朕(わ)が車(くるま)を回(めぐ)らせて以て路(みち)に復(かえ)り、
行(おこな)うに及(およ)びては之(これ)に迷(まよ)うこと
未(いま)だ遠(とお)からず。」

この「迷う」とは、何に迷うかといいますと、
主君の懐王の元を去ることができない、
なぜならば屈元自体も王族で、同じ姓を持っている以上、
「去る」という道義がないとすれば、
道義に死ぬ、命懸けの諌言をするということです

「朕」は「我」を指す言葉で、始皇帝が皇帝の一人称として使い始めるまでは、
普通の人も「我」という意味で使っておりました。この点は要注意です。


「私の車の向きを戻して命懸けの諌言をして道義に死ぬ、
それを実行しようかどうかと迷うほどに祖国からまだそれほど遠くない所にいました。」


「余(よ)が馬(うま)を蘭臯(らんこう)に歩(あゆ)ませ。
椒丘(しょうきゅう)に馳(は)せて且(しばら)く焉(ここ)に止息(しそく)す。」

「臯(こう)」は「沢のほとり」のことです。
蘭は君主のたとえです。懐王に直にあって言葉を聞くことのたとえです。

「椒丘(しょうきゅう)」とは先の尖った丘の事です。
一節には「山椒の木の生えた丘」もあります。こちらは前者で解釈していきます。
その丘に止まって、懐王の命を待とうということです。

「私が馬を蘭の生えた沢のほとりを歩ませるように、
かぐわしい徳を持つ陛下の話をじかに見聞きし、

先の尖った丘の上を走らせてしばらくそこに止まるように、
陛下のご命令を待っているのです。」


「進(すす)みて入れられざれば以て尤(とがめ)を離(はな)れ、
退(しりぞ)きて将(まさ)に復(また)吾(わ)が初服(しょふく)を脩(おさ)めんとす。」

「尤」は「とがめ」、懐王からのとがめ立てのことです。

「初服(しょふく)」とは役人になるまえに着ていた服です。
役人の制服は「朝服(ちょうふく)」と言います。

「進言をして陛下に聞き入れてもらえない時は陛下のおとがめを離れるために
宮廷を退いて役人になるまえに着ていた服に着替えて
自分の身を修めることにしようと思っていました。」


「?荷(しか)を製(た)ちて以(もっ)て衣(ころも)を為(つく)り、
芙蓉(ふよう)を集(あつ)めて以(もっ)て裳(しょう)を為(つく)る。」

「製」は「縫製(ほうせい)」、つまり裁縫のことです。

「?荷(しか)」は「菱(ひし)」と「蓮(はす)」の事です。
「芙蓉(ふよう)」は「蓮の花」の事です。

「衣(ころも)」は衣装の上半身、
「裳(しょう)」は衣装の下半身です。

「菱と蓮を裁縫して衣装の上半身の衣を作り、
蓮の花を集めて衣装の下半身の裳(しょう)を作る、

そんな風に自分の清らかな気持ちを保って、さらに徳を磨いていこうと思います。」


「吾(われ)を知らずして其(そ)れ亦(また)已(や)めば、
余(よ)の情(じょう)を苟(まこと)にして其(そ)の信(しん)芳(かんば)しく」

「不吾知」で「吾(われ)を知らず」となります。
懐王が自分の本当の姿や気持ちに気付かないということです。

「苟」は「誠」、つまり「まこと」の意味です。

「陛下が私を知らないままで終わってしまったとすれば、
私は自分の気持ちを誠実に保って自分の徳をかぐわしい花のようにして
陛下に信じられるようにつとめていき、」


「余(よ)の冠(かんむり)の岌岌(きゅうきゅう)たるを高(たか)くし、
余(よ)の佩(はい)の陸離(りくり)たるを長(なご)うせん。」

「岌岌(きゅうきゅう)」は「高い」事を表すものです。
「陸離(りくり)」は多くの人と異なる、人に抜きん出る、ということです。
「佩(はい)」は「佩玉(はいぎょく)」、腰に付ける玉製の装身具のことです。

「私の冠を高くし、私の腰に身につける佩玉(はいぎょく)を長くするように、
私の服装と威儀を整えて、他の者たちに抜きん出る姿をお見せしようと思います。」


((2)に続きます)

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