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Google で検索していると、いろんな事が分かってきます。
漢文の原文が載っている中国語のサイトを見ていると、
いくつかの文字が表示されないで「・」みたいな形になっていることが
良くあります。
その場合にこの文字がどんな字であるかを推測する方法が
見つかりました。
例えば、『荘子(そうじ)』の注釈を集めた
『荘子集釈(そうじちゅうしゃく)』の原文が読めるサイトがありまして、
その中の最初の篇である「内篇(ないへん)逍遙遊(しょうようゆう)第一」
の一部が、
「鯤即卵字,許慎作●,古音讀如關,亦讀如昆。」
というふうになっていて、「●」の部分の文字がわからないのです。
こういう場合には、 Google で前後の文を検索してみると、
面白い結果が得られます。
検索のキーワードを以下のようにします。 "鯤即卵字" "許慎作" "古音讀如關"
この下の画像のようにします。
そして検索結果をずっと見ていくと、表示できないものもありますが、
その中には、以下の画像のような結果が出て来ます。 この検索結果の太字の強調部分を見ますと、
「鯤即卵字,許慎作廾,古音讀如關,」
と
「鯤即卵字,許慎作卝,古音讀如關,」
というふうにして、わからなかった文字の部分の候補が
発見されるのです。
候補として、「廾」と「卝」の二つが出て来ました。
ここからさらに検討する際には、もう少し前後の多くの文章を読んでいきますと、 「段玉裁曰:魚子未生者曰鯤。鯤即卵字,許慎作●,
古音讀如關,亦讀如昆。」
書き下し文は、
「段玉裁(だんぎょくさい)曰(いわ)く:
魚子(ぎょし)の未だ生ぜざる者を『鯤(こん)』と曰(い)う。
『鯤(こん)』は即ち『卵(らん)』の字で,許慎(きょしん)は『●』と作り,
古音(こおん)は『関(かん)』の如(ごと)くに読み、
亦(ま)た『昆(こん)』の如くに読む。」
この文を読んでいくと、清の時代の儒学者の段玉裁(だんぎょくさい)
という人の注釈の中で、まだ生まれていない魚の卵のことを
『鯤(こん)』と言い、それを後漢の時代の儒学者の許慎(きょしん)
という人は『鯤(こん)』の字に『●』の字を当てて、その字は「関(かん)」、
または「昆(こん)」と読むということです。
この二つの文字、「廾」は「キョウ」と読み、「卝」は「カン」と読みます。
ですからこの場合、「卝(カン)」の方が妥当だとわかります。
確認のため、「卝(カン)」を昔の辞書である
『康煕字典(こうきじてん)』で引くと、
「總角也、幼稚也」とありました。
「總角(総角: そうかく)」とはあげまきのことで、
子どもの髪を頭の両側に束ねて角のように髪を結うことです。
そしてもう一つの意味として「幼稚(ようち)」があるので、
「魚の卵」とは「幼い」という意味で共通していますので、
「●」は「卝(カン)」だろうと推測が付きます。
さらに、この注釈を付けた段玉裁(だんぎょくさい)自身が著した
『説文解字注(せつもんかいじちゅう)』の中で、
「卝(カン)」の字の解説で、「古文卵」、つまり、
古い時代には卵の意味で使っていたとありましたので、
「卝(カン)」で良さそうだとわかります。
これだけわかるだけでもずいぶん違います。
今までの当てずっぽうよりは正解により近づいています。 漢文に関する本はとても高いので、
購入をする前にきちんとした原文に近いものが得られるのは嬉しいです。
当時のお相手の方のことを考えていろいろと勉強していく中で、
いろんな事に日々気づいています。
これからもしっかりとがんばっていこうと思います。
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2011年12月04日
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