玄齋詩歌日誌

アメーバブログを退会しました。ヤフーブログだけ続けます。よろしくお願いいたします。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

イメージ 2

 初夏偶吟  玄齋  (下平聲八庚韻)
 
初 夏 報 晨 鷄 語 横
 
雨 餘 農 畝 曉 雲 晴
 
幾 望 老 叟 荷 鋤 圃
 
欲 聽 豐 年 撃 壌 聲
 
地 震 罹 災 窮 未 脱
 
民 貧 持 節 盗 無 生
 
朝 餐 粒 粒 皆 辛 苦
 
一 食 毎 懷 憂 國 情


書き下し文:

 初夏偶吟  玄齋  (下平声八庚韻)

初夏 晨を報ぜんと鶏語横たわり
雨餘の農畝 暁雲晴る
幾たびか望む 老叟 鋤を荷うの圃
聴かんと欲す 豊年 壌を撃つの声
地震え災いに罹りて 窮 未だ脱せず
民貧しくも節を持して 盗 生ずること無し
朝餐 粒粒 皆な辛苦なり
一食 毎に懐う 国を憂うるの情


現代語訳:

 初夏に朝を告げようと多くのニワトリが次々に鳴き、

 雨上がりの田舎では、明け方の雲が去って晴れてきていた。

 遠くを眺めると、何度か年老いた男が鋤(すき)を担いでいる畑が見え、

 今年も豊作の年の、古代の帝王の尭(ぎょう)の時代の地面を打ち鳴らして歌う
 天下太平をほめたたえる歌を聴きたいものだと思った。

 地震による災害にあって、苦しみから未だ抜け出すことが出来ないでいるが、

 民衆は貧しくてもきちんと正しい道理を守り、盗難などが発生してはいない。

 朝ご飯の一粒一粒は、すべてこのような民衆の苦労の末に出来たものだ。

 一度食べるそのたびに、この国を心配する気持ちが心の中に浮かんできていた。



語注:

 ※報晨(ほうしん、しんをほうず): 朝を告げることです。
   「晨(しん)」は朝の意味です。

 ※鶏語(けいご): ニワトリの鳴き声のことです。

 ※横(よこ たわる): さかんに起こる様子を示す言葉です。
   「鶏語横」でニワトリが次々に鳴く様子を示しています。

 ※雨餘(うよ): 「雨後(うご)」と同じで、雨上がりのことです。

 ※農畝(のうほ): 田畑のことで、転じて田舎のことを指して言います。

 ※暁雲(ぎょううん): 明け方の雲のことです。

 ※老叟(ろうそう): 年老いた男性のことです。

 ※荷鋤(かじょ、すきをになう): 農具の鋤(すき)を肩にかけて担ぐことです。

 ※圃(ほ): 畑、または農夫のことです。

 ※豊年(ほうねん): 豊作の年のことです。

 ※撃壌(げきじょう、つちをうつ): 壌(じょう)という土製の楽器を鳴らし、
   あるいは、地面を踏んで拍子を取って歌うことです。
   これは古代中国の伝説の帝王の尭(ぎょう)の時代を讃えた言葉で、
   天下が太平で、民衆が生活を楽しんでいることのたとえです。

 ※罹災(りさい、わざわいにかかる): 災害にあうことです。

 ※窮(きゅう): 生活が行き詰まって苦しいことです。

 ※持節(じせつ、せつをじす): 信念を持って正しい道理を
   守ろうとする態度を変えないことです。

 ※朝餐(ちょうさん): 朝ご飯のことです。

 ※粒粒皆辛苦(りゅうりゅうみなしんく): 以下の解説を参照して下さい。

 ※毎(つね に): 「〜するたびに」という意味です。

 ※憂国(ゆうこく、くにをうれうる): 国のことを心配することです。


解説:

 また初夏の田園風景を、今度は七言律詩で詠んでみました。


 七言律詩は七文字の八つの句からなる漢詩で、
 韻や平仄(ひょうそく)という発音のルールに加え、
 三句目と四句目、五句目と六句目を対句(ついく)という
 対になった語呂合わせの句にしなければならないというものです。

 その三句目から六句目の書き下し文を読んでいただければ、
 少しはその対句の語呂合わせの部分が味わえると思います。

 この詩型に熟練することが僕の目標の一つとなっています。
 ようやく第一号を作ることが出来て少しほっとしています。
 これからも何度かチャレンジしていこうと思います。


 天下太平の世、そんな光景を思わせるような状況が早く来て欲しいなと、
 そんな風に思っています。


 七句目の、「粒粒皆辛苦(りゅうりゅうみなしんく)という部分は、
 一つの仕事のために苦心して努力していくことを示す言葉の
 「粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)」の語源となるものです。

 それは 5/22 の朝日新聞の天声人語に載っているように、
 東北出身の歌人である斎藤茂吉も、
 「粒粒皆辛苦(りゅうりゅうかいしんく)すなはち一つぶの一つぶの米のなかのかなしさ」
 などと短歌で詠んでいて有名な言葉です。

 そもそもの原典は唐の李紳(りしん)の五言絶句の
 「憫農(農をあわれむ)」の其の二です。

 鍬禾日當午  禾(いね)を鍬(す)いて 日 午(ご)に当たる
 汗滴禾下土  汗は滴る禾下(かか)の土
 誰知盤中餐  誰か知らん盤中の餐(さん)
 粒粒皆辛苦  粒々(りゅうりゅう) 皆な辛苦なるを

 (訳)稲の雑草取りをしていると、正午の時刻になり日は高く昇り、
  汗が稲の下の土にしたたり落ちていた。
  誰が知っているだろうか、大皿の中のごちそうは、
  その一粒一粒が、みな農民の辛い苦しみの上に出来ていることを。


 ご飯を食べるたびにいろんな方の苦労が浮かびます。
 そんな気持ちを何とか詩の形にしようと思いました。
 僕ももっといろんな形で頑張っていかなければならないなと思いました。


追伸:

 風景だけでも楽しんでいただこうと、今回も棚田の写真を選んでみました。
 棚田の風景は昔の農村を思わせてとても良い光景だなといつも思います。
 


 棚田の写真は、以下のサイトのフリー素材を利用いたしました。

 EyesPic - フリー画像素材
 http://eyes-art.com/pic/

開く トラックバック(1)

全1ページ

[1]


.

ブログバナー

白川 玄齋
白川 玄齋
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索

詩歌関連

写真・画像関連

文学・語学・その他

殿堂入り

自由律俳句

登録されていません

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事