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# 検査入院の日にちが延期になりましたので、
# まだしばらくは漢詩を作っていこうと思います。
夏夜苦熱 玄齋 (上聲二十三梗韻)
今 夜 暑 威 何 處 冷
誰 言 熱 散 由 心 靜
難 尋 月 裏 廣 寒 宮
好 用 空 調 窺 雪 嶺
書き下し文:
「夏の夜、熱に苦しむ」 玄齋 (上声二十三梗韻)
今夜の暑威 何処にか冷なる
誰か言わん 熱の散ずるは心の静かなるに由ると
尋ぬるは難し 月裏の広寒宮を
好し空調を用いて雪嶺を窺わん
現代語訳:
今夜の猛暑の中、どこに涼しいところがあるというのだろう。
「熱さを散らすことができるのは、心を静かにしているからだ」
なんて、誰が言ったんだろう。
月にあるという広寒宮(こうかんきゅう)という涼しい宮殿を訪ねることも難しい。
よし、では空調(くうちょう: エアコン)を使って
雪山の頂上をのぞき見ることにしよう。
語注:
※苦熱(くねつ、ねつにくるしむ): 暑さに悩まされることです。
※暑威(しょい): 夏の激しい暑さ、猛暑のことです。
※何処(いずく): 「どこ」という意味です。
※冷(れい): ここでは「涼しい」という意味です。
※「熱散由心静」: 解説を参照して下さい。
※月裏(げつり): 「月の中」という意味です。「裏」は「中」の仄声の表現です。
※広寒宮(こうかんきゅう): 月にあるという宮殿の名前です。
※好(よし): 軽い肯定の表現です。
※空調(くうちょう): 現代の中国語で「エアコン」のことです。
(本来、現代語を使ってはいけませんが、今回はあえて使ってみました)
※雪嶺(せつれい): 雪山の山頂のことです。
解説:
夏の夜の暑さを漢詩にしてみました。
前回の漢詩と同じで、側体(そくたい)の七言絶句です。
つまり、普通は平仄(ひょうそく)の平声(へいせい)で韻を踏むのに対し、
これは仄声(そくせい)で韻を踏んでいます。
課題詩を作ろうとして、偶然に違う形になってしまいました。
暑い中ではエアコンを付けるのは今の暑さでは仕方がない、
そんな気持ちを詠みました。
「空調(エアコン)」は明らかに現代の中国語ですが、
今回はあえて使っていることをご了承下さい。
承句の「熱散由心静」は「長恨歌」の作者で有名な唐の白居易(はくきょい)の
『銷夏』という五言律詩の中の一節です。
熱 散 由 心 靜, 熱の散ずるは心の静かなるに由り
涼 生 為 室 空。 涼の生ずるは室の空なるがためなり
(訳)熱さを散らすことができるのは、心を静かだからであり、
涼しさが生まれるのは、部屋には誰もいないからである。
これとよく似た言葉で有名な一句がありますね。
唐の杜荀鶴(とじゅんかく)の七言絶句、
『夏日題悟空上人院(夏日、悟空上人の院に題す)』の結句に、
滅 却 心 頭 火 亦 涼。 心頭を滅却すれば火もまた涼し
というものがありますね。僕はこんな境地には立てないなと正直思います。
転句の「広寒宮(こうかんきゅう)」は月にあるという宮殿で、
伝説では唐の六代目の皇帝の玄宗(げんそう)が、
仙人の術を使う道士(どうし)の力を使って、この宮殿を訪れたとあります。
寒気が体に入り込んで、服はすっかり露に濡れるほど寒いところだそうです。
これまた凡人には縁のない話だなと思いました。
やはり僕はエアコンで涼しさを味わうのがいいかなと思いました。
エアコンを新しいものに買い換えたので、
節電に協力するために消費電力に気を配り、
同時に体調に気をつけながらエアコンを使っていこうと思います。
月夜と雪山の画像は、以下のサイトのフリー素材を利用いたしました。
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